物色日記−2003年12月

※頻出語句解説はこちら
  12月31日
▼散財のことなら私に任せてください。今年最後の本日の収穫、バーゲン中の本店でFINE DAY「JANUARY」(HOOVERのクリス在籍!)、AERIAL M「POST GLOBAL MUSIC」、PREFUSE 73「ONE WORD EXTINGUISHER」(2nd!)、ROB MAZUREK「AMORPHIC WINGED」、V.A.「INPUT64」(80年代のTVゲームのBGMを集めたコンピ)。そして栄店でBOBBY CONN「RISE UP!」(THE LONESOME ORGANISTと共に来日目前につき)、EDGAR FROESE「AQUA」(TANGERINE DREAMのメンバーソロ)。
 ここで帰宅しても良かったんですが、どうもキリが悪い気がして、物凄く久し振りにナディアパーク内ヤマギワソフトに足を踏み入れたらば!新品500円コーナーにてHAMMERHEAD「ETHEREAL KILLER」「DUH, THE BIG CITY」(AMREP極悪バンド!)、BROKEN HOPE「SWAMPED IN GORE」(US初期ブルータルデス)、中古550円でJOHN SCOFIELD & PAT METHENY「I CAN SEE YOUR HOUSE FROM HERE」、普通の棚からMAGMA「RETROSPEKTIW I-II」「RETROSPEKTIW III」(いずれも新品、1200円と970円にて!)、更に通りかかったら100円OFFセールをやっていた名駅69にて山口百恵「ゴールデン・フライト」("イミテイションゴールド"収録77年作)、McCOY TYNER「FLY WITH THE WIND」(ビリー・コブハム!)、V.A.「NOT THE SAME OLD SONG AND DANCE -TRIBUTE TO AEROSMITH」(マーク・スローター、ルディ・サーゾ&フランキー・バネリ、トミー・ショウ&ジャック・ブレイズ、ジェフ・キース、ジャック・ラッセル、スティーヴン・パーシー他超豪華メンツ!イングヴェイ&ロニーによる"Dream On"もある充実の内容!!)。ヤマギワの中古はバカ安くて変です!特に売れ線でなければ500円や600円は当たり前、掘り出し物もごくまれに混入してます。毎月5日・15日・25日は中古商品10%OFFだそうなので、該当する日に思い出したら行ってみて下さい。
 さて来月末まで、パンの耳でも食って生き延びねば…。

【只今のBGM:山口百恵「ゴールデン・フライト」】


私が物心ついた頃、この人はもうマイクを置いて去った後でございました。なので懐かしいとかいった感慨は全くなく、へぇ〜という興味で聴いております。いやー、弱冠18歳やそこらの娘の唄とは思えん大物の貫禄ですね。もうちょっと少女らしいヘナリ・グルーヴがあってもいいんじゃないの?と思うほど硬質な声をしてらっしゃいます。で曲が、時期的なものもあるんでしょうが、オールドスクール日本歌謡の典型的なイメージとは程遠いやけにロッキンなもので驚きました。録音はロンドンにて敢行、ドラムトラックのみ外国人がエンジニアを務めていて、プロダクション的にも当時の英米メインストリームロックにひけを取らない完成度です。ブラスセクションやフェイザーのかかったエレピ、あやしいアナログシンセなんかも入っていてノスタルジー充分。そして何と、ゴードン・ハスケル(ex.KING CRIMSON!!)がベーシスト&バッキングヴォーカルとして全面参加!!!俄然コンプリートする気が起きました。ゴードン・ハスケルはヤバイでしょう。せっかくクリムゾンに加入して初のアルバム「LIZARD」ではメインの大曲をジョン・アンダーソン(YES)にもっていかれ、それっきりボズ・バレルに早々と引導を渡すことになってしまった不遇の人に、こんな所で再会しようとは…!それ以外にもペダル・スティールの名手B.J.コール、CURVED AIRにも在籍したドラムのジム・ラッセル、トラッド〜ニューエイジ系シンガーのクレア・ハミルなど、錚々たるメンツが目立たないように活躍しています。安易にベスト盤で済ませようと思いもしましたが、ちゃんとオリジナルアルバムで買った甲斐がありました。

  12月30日
▼年末恒例、バナナ本店バーゲンに行って参りました。本日の収穫KILL SADIE「EXPERIMENTS IN EXPECTATION」(DIMMAK)、VICTORY AT SEA「THE DARK IS JUST THE NIGHT」(SLOWDIME)、SMOG「KNOCK KNOCK」、JESUSEATER「JESUSEATER」(ex.SWIZ)、REGGIE AND THE FULL EFFECT「GREATEST HITS '84-'87」(GET UP KIDSとCOALESCEの合体ユニット)、CALLIOPE「BRAILLE」、バーゲン品300円でURIAH HEEP「SALISBURY」。更にパルコにカバンでも買いに行ったつもりがパルコ店でJOURNEY「CAPTURED」(81年ライヴ、リマスター)、THE JIM YOSHII PILE-UP「IT'S WINTER HERE」、MIKE DOUGLAS「YOU DON'T HAVE TO BE IRISH」、上前津の美容室に髪を切りに行くつもりが混んでいてサウンドベイでTHE ELUSIVE「SOMETIME SOUNDS COLLAPSE」(Q AND NOT U前身!)、新品にてSAMLA MAMMAS MANNA「MALTID」「KLOSSA KNAPITATET」(北欧レコメン巨星2nd・3rd!)、CAMBERWELL NOW「ALL'S WELL」(チャールズ・ヘイワード!)、東別院ブックオフで小林明子「FALL IN LOVE」(名曲タイトルトラック収録!高品質AOR作品)、ここまで来たら金山まで行くしかなくて金山サウンドベイでTHE ANOMANON「THE ANOMANON」(ネッド・オールダム)、PAT MARTINO「BAIYINA」、JOHANSSON, JOHANSSON, HOLDSWORTH「HEAVY MACHINERY」(96年コラボ作、オリジナルジャケ800円にて念願の入手!)、五輪真弓「少女」(キャロル・キング他参加1st!)、小泉今日子「AFROPIA」(激名曲"あなたに会えてよかった"収録91年作!500円にて)。

 サウンドベイで新品を買うとポイントカードにポイントがつくことをご存知でしょうか?500円ごとにスタンプ1個捺印、スタンプ10個で500円引き。つまりキリ良く買っていけば常に10%OFFってことです。2・3枚買えば次は即500円引きになるというのはなかなか魅力的じゃないですか。どうしても見つけにくいものなどは、アマゾンに駆け込んで3〜5週間待つ前にサウンドベイで解決といきましょう。

 にしても"あなたに会えてよかった"の作曲者・小林武史、ヤバイですね。冗長さを廃してあれよあれよと強烈なフックを連ね、コードワークも不粋な類型化を拒み、詰めに詰めたあと開けるところではスパーンと開ける完璧な展開術たるや、最近のJ・ロビンス並みのプロフェッショナルかつチャレンジングな気概を感じます。サビだけダブリングにして小泉さんの謎めいたクレッシェンドや妙なタイミングのヴィブラートの効果を強制的に抑え込んだのも仕事人的な苦労が窺われるところ。小泉さんのごく最近の音源を試聴してみたりもしたんですが、やっぱりバンドあがりの非職人ライターを起用しているものでは洗練度や確信度の違いが明らかでした。プロ中のプロってこういうことなのね。これからは小林武史買いの時代ですか。

【只今のBGM:CAMBERWELL NOW「ALL'S WELL」】


QUIET SUN〜THIS HEATのチャールズ・ヘイワードがTHIS HEATの後に組織したバンドの、82年から87年の音源をコンパイルしたアルバムです。リリースはTHESEではなくReR。あらかじめコンポーズされた楽曲を演奏する後期THIS HEATのスタンスを更に突き詰めた作風になっている、と聞いていて、かの「HEALTH AND EFFICIENCY」がもっとコンパクトになったような曲がずらずらと入ってるのかー?と期待したものの、あそこまでのラインアウト気味なハイテンションはやっぱり当人達にも計算外だった様子。もうちょっと地味です。が、ヘイワードの一打一打アジテイトするような隙のないドラムは健在。後半でややニューウェーブくさくなっても、エネルギーの源泉とその向かう先がどうも普通と違う感じです。THIS HEATの2(+1)枚で飽き足らない人は是非どうぞ。レコメン日本支部LOCUS SOLUSからも直接買えます。

  12月29日
収穫はなし。リビアのカダフィ大佐ってチャック・ビリー(TESTAMENT)の輪郭にロニーの目鼻をつけたみたいな人ですよね。

↑チャック

↑ロニー

↑カダフィ大佐
最近ロニーが芝刈り機か何かで指を怪我したという話を聞きましたが、彼のメロイックサイン(下の写真参照)は無事なのか?死活問題でしょう!

ウィーロォァック!

【只今のBGM:PRESENT「TRISKAIDEKAPHOBIE / LA POISON QUI REND FOU」】


ベルギー暗黒チェンバーの雄UNIVERS ZEROの元メンバーによるバンドの81年1st、85年2ndのカップリング。リリースはばっちりCUNEIFORMです。内容はもー素晴らしい。クリムゾンの"Lark's Tongues In Aspic"を更に奇怪にしたようなテクニカル激展開ハードレコメン一直線。エトロンやサムラのようなユーモアは徹底排除され、ART BEARSより各段にアグレッシヴ、AKSAK MABOULみたいに人を食いもせず、メロトロンを抜いて飛び辛スパイスで真っ赤にしたANGLAGARDみたいです。マイク・パットンが歌を乗せればそのまんまMR. BUNGLE、3倍速にしたらDILLINGER ESCAPE PLANとして全然イケます。探して買えとまでは言いませんが安く見つけたら即買い。

  12月28日
収穫はなし。休みに突入した途端、今年4〜7月のSOHO時代と何も変わらない駄目な一日を過ごしてしまうような基本的に怠惰な人間で本当に御免なさいもうしません。今にして思うと、学生という所属感がある以上どんなに駄目に過ごしても何となくそれを是としてしまえる日本の大学生って身分はかなり夢の世界ですね。夢といえば"夢の中へ"が普通にスタンダードとして定着しつつある雰囲気の昨今、斉藤由貴が10年以上前にカヴァーして大ヒットになったことを知らない世代ももはや存在するんでしょうか。松嶋奈々子とか、違うんスよ。たらららららーとか、言ってますけどね、昔デーモン閣下がフジカラーの何かのCMで"いい日旅立ち"を「ホニャラハラ〜」とやってたのを皆様お忘れか。お茶は伊藤園で、中谷美紀と市川新之助でいいじゃないですか。

【只今のBGM:CALVIN KRIME「DRESS FOR THE FUTURE」】


SEAN NA NAのショーン君率いるCALVIN KRIMEの1st。ちゅーか1曲目のタイトルが既に"Sean Na Na"です。SEAN NA NAはTROUBLEMANからリリースされてるのがどうも違和感を覚えていたんですが、前身のこのバンドはかのHELMET、UNSANEと同じAMPHETAMINE REPTILEリリースで、FOUR HUNDRED YEARSがDEVOばりにノリノリになったような軽くて変態なジャンキッシュポストコアをやっとります、大いに納得です。しかもこの1stは私が既に持っている2ndより各段にいい調子でございます。ギターの人が絶叫あほ声担当で、ショーン君も現在と変わりないシケポップ声でそこに絡みにかかるツインヴォーカル体制。聴き進むうちに何やら風格めいたものすら感じてきました。いやーこれは、とても良いんじゃないでしょうか?穴馬ですが買いです。

  12月27日
収穫はなし。バイトの大掃除、のち忘年会、カラオケ、というとても普通の人らしい一日を送ってみました。意外と適応できるもんです。先月のDEAD INFEDCTIONを観てからというもの、ずっとゴア声を出したくて出したくて仕方がなかったので、カラオケではSMAPを血祭りにあげさせて頂きましたが、ショックが持続しないのでいまひとつダメな様子でした。飛び道具選びも難しい。

【只今のBGM:NANANG TATANG「MUKI」】


またかのIDA夫婦別ユニットです。今年発売でリリースはTIGER STYLEから。リミックスアルバム「SHHH...」に気を良くしたのか、ここでは歌入りフォークトロニカをやってます。当然の如く最高。殺伐と親切のクロス具合がちょっと老けてきてる気もしますが、そこが彼らの歳相応なんでしょう。相変わらず基本は愛なので大丈夫です。立ち位置的には"Natural One"をとっかかりにシンプルなマシン・ビートに目覚めた「ONE PART LULLABY」でのFOLK IMPLOSIONとやや被るところもありますね。PINBACKもPOSTAL SERVICEもそんなんですが。あとダニエル・リトルトンの声がケヴィン・ムーアにちょっと似てると今更気付きまして、ゆえにCHROMA KEYが大好きでCHROMA KEYっぽい音は他にないのかと思ってる人なんかがいたら絶対オススメ。そんな人滅多にいないでしょうか。

  12月26日
▼やってやりました、大人のエフェクタ3個買い!

↑タッチワウ!

↑パライコ!

↑ピッチシフター!
使用機材がとことんキモいギタリストとして生きたいですね!ちなみに全部中古です。

 ついでにジャズ・シンとその上のROOK RECORDS JAZZにて本日の収穫DONALD BTRD / KENNY BURRELL「ALL NIGHT LONG」、BOBBY HUTCHERSON「MONTARA」、MILES DAVIS「IN A SILENT WAY」、MAX ROACH「SPEAK, BROTHER, SPEAK」、NAT ADDERLEY「BRANCHING OUT」。昨日に続いて「ムーミンズランチ」もまた2個買いしてしまいました。更に、帰宅したらアマゾンに注文してあったCDも届いていて、ここまでいくとさすがに凹みます。散財し過ぎですわと。物はPERNICE BROTHERS「OVERCOME MY HAPPINESS」「THE WORLD WON'T END」「YOURS, MINE & OURS」、NANANG TATANG「MUKI」、CODEINE「FRIGID STARS」「THE WHITE BIRCH」、ANGEL HAIR「PREGNANT WITH THE SENIOR CLASS」、CALVIN KRIME「DRESS FOR THE FUTURE」。

【只今のBGM:PERNICE BROTHERS「THE WORLD WON'T END」】


充実メロのアメリカーナフォークをやっていたSCUD MOUNTAIN BOYSの後身バンドです。これは01年作。スローダウン後のTHE GET UP KIDSを地でいくような、それはそれは良質なUS和みポップと化しています。あるいはJIMMY EAT WORLDとかに時々ある、きゅーっと身が縮まってしまうような気恥ずかしい感動が、アルバム全編に渡ってでろーんと伸びてるような感じで、とても良いんですよ。最近のSUPERCHUNKが好き、ジェイムズ・イハがたまたま好き、なんて人々でも完全ストライク。親切/垢抜けと良心のベストな両立を必要充分に達成しております。全員買って下さい、本当に。

  12月25日
収穫はなし。今日はCD収集家にとって最も危険な道の一つである「食玩」にとうとう手を染めてしまいました。これまで何を見てもピクリとも惹かれなかったのに、ムーミンに出て来られた日にゃ、さすがにお手上げですよ。フィギュアの製造元はかの海洋堂なので完成度のほどは勿論すこぶる秀逸です。初日にしていきなりスナフキンをゲットしてしまって感無量。

↓COMUSやHENRY COWとともに。

 写真を撮る段になって実感したんですが、いざ立体化してみると、帽子のつばの部分が本当に陰になるんですよ。人を簡単には寄せ付けない静謐としたオーラさえも発しています。海洋堂、お見事ッス。

【只今のBGM:IF「IF 2」】


イギリスの中途半端なジャズロックグループの70年2nd。プログレとジャズロックが渾然一体とする中からブラスロックな大衆ポップがちぎれ落ち切らなかった時代の、何とも言えん中途半端さ満載です。てことで凄くイイんですよ。既に持っている1stよりそこんとこがハッキリしてきていて、随分と聴き応えが増しました。リリースがSTACKRIDGEと同じEDSELからで、そんな感じの牧歌テイストがそこはかとなく宿っているようにも思います。例えばCOLOSSEUMのような無骨・オヤジ・バトルなやつとは似てるようで全然違うと。初期GENESISの可愛らしさを備えたノリノリモード時のCHICAGO、てところでしょうか。無駄にシンボリックなジャケのアートワークも時代を物語っててとても好ましいですね。プログレや70年代メインストリームロックが好きでその隙間を知りたいという人以外には完全に用無しな気もしますが、いつまでも誰かに愛されていってもらいたいものです。

  12月24日
本日の収穫、栄店にてDUMP「THAT SKINNY MOTHERFUCKER WITH THE HIGH VOICE?」、KING CRIMSON「LIZARD」(ゴードン・ハスケル参加、名曲"Circus"収録名盤!30周年リマスター)。人がどうだろうと否定はしませんが自分自身は今や「メリークリスマス」が白々しくて言えません。着るTシャツでさえ己の信条やアティテュードとあまりに無縁な英文のプリントとかがあったりすると買わないタチなので。そこら中の電飾や雑誌の文句に煽られるままに大挙して一様なクリスマス的行動を取る人々の中に、知人の知人の知人が死ぬかもしれないような法案が通ったときに国会議事堂に火炎瓶を投げに行く者は誰もいない訳ですよ、その群衆に加担したくないなあと思ったのは別にマイナー指向ゆえとかではない。でもケーキは家にあったので美味しく頂きました。

【只今のBGM:DUMP「THAT SKINNY MOTHERFUCKER WITH THE HIGH VOICE?」】


YO LA TENGOのジェイムズ君による全曲PRINCEカヴァーアルバムです。元曲を全く知らないので何とも言えませんが、多分マーク・コゼレク(RED HOUSE PAINTERS)のAC/DCカヴァーに近いものがあるんじゃないでしょうか。すっかりヨラテン・テイストのユル〜いDIYローファイ風になってます。ヨラテンでも感じられたマス・エンターテインメントの胡散臭さを通り越して一回りしたようなドッカリしたノリのおおもとはPRINCEだったりもしたのですね。やっぱり本場の人間は食ってるものが違う、というのをわかりやすく体現してくれております。少年隊や堀ちえみで育った日本人にゃ絶対出せないグルーヴがあるはずですわ。

  12月23日
収穫はなし。ピヨピヨ・カッコー信号機のピヨピヨとカッコーはどっちが東西でどっちが南北かご存知ですか?ナンボクと比較的韻が似ているカッコーの方が、東西なんですね〜。最近ちょっと気にしてみました。ちなみにピヨピヨ・カッコー信号機の全国第1号は、ウチの近所です。(マジ話。)

【只今のBGM:BOLT THROWER「WAR MASTER」】


何と近年再評価著しいらしい彼らの91年作。MORBID ANGELの足取りを鈍くしてシブさ3割増にしたような、正統派オールドスクールデスメタル以外に言いようのない内容です。ですがどうもこの、SLAYERのスローチューンをよりグロくしたみたいな異様な邪気を放つリフが、MANOWARばりに謎のマッチョイズム漂うアートワークと相俟って、よくわからん不安感をバシバシ与えてきます。これはOBITUARYとかより怖いッスよ。ひたすら不穏なキレの悪さはイマドキのゴアグランドに通じる感覚。ちょっとスローダウンするとすぐBIOHAZARDみたいになってしまうようなバンドも多い中、ブラストや2ビートを最小限にしてデスメタル・ソウルをここまで体現できるのは大したもんでしょう。デスメタラーなら愛せたい。

  12月22日
▼今日もお仕事!本日の収穫、名駅店でSTEWART WALKER「STABILES」、PSYCO ON DA BUS「PSYCO ON DA BUS」(トニー・アレン他)、BOLT THROWER「WAR MASTER」(初期EARACHE名バンド91年作)。久し振りに行く店ってのは無用に浮かれますね。買わなかったけどチェコの名前も知らんようなゴアグラインドのスプリットが2〜3枚あったりして熱かったッス。

【只今のBGM:STEWART WALKER「STABILES」】


FORCE INC./MILLE PLATEAUXリリースのハードミニマルの人のようです。敢えてデトロイトっぽいと形容するまでもなくハードミニマルたるものはすべからくデトロイティッシュなものなんでしょうか。ビキビキヂリヂリと攻撃的なのはあんまり好かんですが、これはそこはかとなくラウンジ感漂う和やかな音色作りと淡々としたノリで凄くシックリきます。足りない知識で無理して例えるなら質感的にはNONPLACEとDELSINの激・硬派な混血とでも言ったところ。頼れるストイックさ、イイですね。グッときますね。ジャーマンロックがイケる人は勿論、ポストコアやら何やらでリズム中毒になってしまった向きなんかもこういうのスンナリ好きになれると思いますよ。踏み入れるには果てしな過ぎて私も全然中途半端なままですが。

  12月20−21日
▼まず20日。名古屋の住宅地はこんなんでした。

♪あーあ〜あああああー、んーん〜んんんー、槍が降っても豚が降っても、勿論雪が降っても、僕達は並ぶ所には並ぶのであり、この日も僕はただそうした訳で、バーゲン中のサウンドベイにて20日の収穫、金山でSEAM「HEADSPARKS」(SUPERCHUNKのマック在籍91年作)、SMOG「JULIUS CAESAR」「BURNING KINGDOM」「WILD LOVE」「THE DOCTOR CAME AT DAWN」(DRAG CITY激枯れSSW)、BRAID「MOVIE MUSIC VOL.ONE」、SCORPIONS「TAKEN BY FORCE」("We'll Burn The Sky"他収録の名作最新リマスター)、PEKKA POHJOLA「SPACE WALTZ」(85年)、KLIMPEREI「BLUMENFABRIK」、CHEAP TRICK「ONE ON ONE」、MEL TORME「COMIN' HOME BABY / SINGS SUNDAY IN NEW YORK」(カップリング)、V.A.「INVISIBLE SHIELD」(K RECORDSのかなり最近のサンプラー)、矢野顕子「長月神無月」、上前津でERIC'S TRIP「LOVE TARA」(ジュリー・ドワロン在籍)、IF「IF 2」、YARDBIRDS「HAVING A RAVE UP」("Still I'm Sad""Train Kept A Rollin'"他収録作デジパックリイシュー)、CAPTAIN BEYOND「SUFFICIENTLY BREATHLESS」(リマスター)、V.A.「CHICAGO 2018...IT'S GONNA CHANGE」(ISOTOPE217、TORTOISE、PULLMAN他参加シカゴポストロックコンピ2枚組)。

▼夕方からは大学のサークルの、結婚式の二次会で使うような演奏スペースつきの小さい飲み屋を借り切って催すクリスマスパーティ略してクリパーなるものがございました。近頃個人的に催行している「ビールと友達になろうキャンペーン」に従って頑張ってビールをあおってみたものの、ヘッドバンギングとのカクテルはなかなか厳しいものがあります。気分がすぐれなくなって二次会で寝てしまったりするだけなので今度からは頑張らないことに決めました。

▼今回のサウンドベイでは構えていたほどの支出にならなかったため、一夜明けて今日は依然余る資金(実際は惜しむべきなんですが)と物欲にまかせてギター用のエフェクターを物色する旅に出てみました。店頭で試奏する若者よ、"Tears In Heaven"はまだ許す。だが"Smoke On The Water"だけは…!結局今日は購入に至らず、バナナ本店の大量新入荷をシブく間引きして参りました。本日21日の収穫THE CANCER CONSPIRACY「THE AUDIO MEDIUM」(プログレポストコアトリオ、チャド・クラーク録音の大名盤1stフル!)、SEKI「BEFORE THE LAST SONG AT WOUNDED HILL」、DRILL FOR ABSENTEE「CIRCLE MUSIC」、CHECK ENGINE「CHECK ENGINE」(SWEEP THE LEG JOHNNYのメンバーの別バンド名作!SOUTHERNリリース!)、THE PINES OF ROME「ON ALL FOURS」、PITCHBLENDE「GYGAX!」、NERO「NERO」。未聴CDの山がもはや海になりつつある昨今でございます。

▼そういえば今日は、杁中にある全国区級の有名スパゲッティ屋「マウンテン」に初めて行ったんでした。絶句するような量の多さとともに「小倉抹茶スパ」だの「イチゴスパ」だのいうゲテ系メニューで有名な店ですが、私が選んだ「アボガド&エビクリームスパ」は普通にウマかったし、他の人が頼んでいたものも全然ちゃんと料理としておいしそうでしたよ。量は確かに2.5人前くらいあります。これから初めて行くのなら、注文を決めるときは、その時いかに空腹かということは必死に度外視して、幸せに食べ終わることだけを考えて選んで下さい。味云々より量で絶対満腹になるので。クリーム系は終盤になるとオイリーな重みがどんどん負担になってきて少々ツライです。恐らく和風など薄味系なものも最後はちょっと不幸な思いをすると予想されます。インディアンとかナポリタンとか、それなりにアッサリしていてかつ刺激が持続するものが良いんじゃないでしょうか。そして食後に是非頼みたいのが、パフェですよパフェ。奥の方を大味なババロアやシリアルで誤魔化すそこらのパフェと違って、7割くらいがアイスクリームで出来ております。油っぽかったり辛かったりして苦痛気味になっていたスパの後味を、別腹パワーで至極爽やかな満腹感に変えてくれるので大変有効です。ただしこれは2〜3人で1つ頼むくらいが妥当っぽいので注意。トータルでオススメな店か否かと問われたら、私はオススメします。皆さんも一度はどうぞ。

【只今のBGM:KLIMPEREI「BRUMENFABRIK」】


フランスのアヴァントイポップユニットKLIMPEREIの95年リリースとなる2nd。外盤にオビと解説をつけた国内盤で、これは完全輸入盤派の私でもOKです。でその解説によると、リリース元のレーベルAYAAはレコメン/RIOの流れをくむ所だったようで。知らんかった。1stに比べると随分とレコメン臭を増しており、小学校の音楽室に連れて来られたSLAPP HAPPYとZNRみたいなイカレたインスト小曲がずらずらと35編も入ってます。これは強力。どこまで純朴でどこまで知能犯なの見当がつきませんが多分純朴過ぎる知能犯なんでしょう。物凄く適当に音遊びを楽しんでいるだけのようで無駄は全然ありません。あるいは無駄を全力で体現していると言うべきか。自称アートがアートでいいじゃん的な芸大生ノリの人も喜んで飛びついてしまいそうな感じですが、RIOに同調するアヴァン派プログレッシャーは必ずや大脱力しながら感涙するような傑作です。

  12月19日
▼いやー「北の国から」はエモいですね。エモいスローコアですね。でもスローコアの人達があんまり食えてる感じがしないのは、納得のいかんところです。音楽だからって、それは納得いきません。エンターテインメントを満足に受容するにも想像力ですわ。想像力。結論づけることは窮屈です論者は天才以外支持しません。(天才は4次元なので想像しないことにしてます。)想像、結論、その咀嚼/嚥下と蓄積、でやっていくしかないじゃないですか、我々普通の人は。己の直感を信じる前に、信じる直感のおおもとの己をまず計ってみたことがあるかないか、その部分に責任を負うのは本人以外おらん訳ですよね。だから金山や名古屋の駅で必死に自分の声で叫び歌う連中に「アンタの声なんか知らんーよ」と冷徹な断罪を与えるのは人道的にやっていいことだと思ってます。自分もまたやられて然るべきであるという覚悟とともに。金山や名古屋の駅で必死に歌う連中より、スローコアの人達ですわ。満足に食えてもらいたいものです。まあしかし今はそれより断然明日の金山と上前津のサウンドベイ両店のバーゲンですよ。いい加減毎度のことながら、あれだけ店舗が広大だとさすがに燃えますよね。てことで今日は収穫なし

【只今のBGM:SPOKANE「THE PROUD GRADUATES」】


名古屋でも中途半端なみぞれがぱらぱら降ったりする晩、「北の国から」を観た後に聴くには最高です。買ったときは大量購入の中の1枚だったから、内容と自分の気のあせりが合致せずバシバシ聴き飛ばしてしまってそれ以来大して印象も持たないまま放置してたのですが、今日こそこれだろうと思って手に取ったらアタリでした。同じくJAGJAGUWARからリリースしているDRUNKの中心人物のソロユニットだそうで、DRUNKとそう遠くないストイックな荒涼スローコアフォークをやってます。いや、これは、コタツから動きたくない時とかに聴いてみて下さいよ。行ったこともない富良野の雪景色が目に浮かぶようですよ。アコギにトレモロギター、ヴィブラフォン、グロッケンシュピール、ヴァイオリンにチェロなどが必要充分に淡ーく絡んで、がっかりしたダニエル・リトルトンみたいなヴォーカルに女性コーラスもしっとり被ってきて、「冬は今年もこんなもんなわけで…」と思わず低く囁いてしまいそうな下向きソングが延々詰まってます。ミュージシャンシップ的エゴを殆ど感じない情景的なアンサンブルにつき(ソロユニットだからこそそのへん上手くいってるんでしょうか)、気分次第で物足りないことはあっても邪魔になることは絶対ない感じ。冬のお供にスローコア、おひとつどうですか。

  12月18日
▼皆様、「村さ来カード」をご存知ですか?まず入手について、これは容易ではありません。毎週木曜日にやる大学のバンドサークルのミーティングの後に5回中1回しかも少なくとも5年は通っていた本山店にて今日、突然、「村さ来カードをお持ちでない方はいらっしゃいますか?」と。大概持ってないもんちゃうんですか!?このように予測のつかないタイミングである時急に渡されるもののようです。基準は不明。効用は、精算時に提示すれば、酎ハイ全種またはカクテル全種が1日1杯だけ無料になります。4人で行って3人持っていたら3杯分の酎ハイまたはカクテルがタダになるという具合。中京村さ来チェーンならどこの店舗でも使えて、無期限かつ無回数制限。ささやかながらも嬉しいアイテムじゃないですか。ということで私は今日「村さ来カード」を携える男になれました。良かった。

本日の収穫、アマゾンから遅れて届いたTHE CROWNHATE RUIN「UNTIL THE EAGLE GRINS」。

【只今のBGM:THE CROWNHATE RUIN「UNTIL THE EAGLE GRINS」】


HOOVER、REGULATOR WATTS、ABILENE、最近ではJUST A FIREなど、裏DC〜SLOWDIME界隈の主要バンドにことごとく在籍するフレッド君がベーシストとしてやっていたバンドの96年作です。堂々のDISCHORDリリースで録音はWGNSにてジェフ・ターナー、ついでにアートワークはジェフ・ミュラー。内容はもう聴くまでもないくらい安心の裏DC節です。もはや曲や演奏が驚異的に良いかどうかということより有り難さが勝って買ってしまいました。勿論最高なんですけどね。ささくれ・暗黒・不親切ポストコアをやらせたらこの人の右に出る人はそうそうおらんでしょう。ある意味トム・G・ウォリアー(CELTIC FROST)的な性を感じます。てことでいつか「COLD LAKE」みたいなおったまげコマーシャルアルバムも作ってみてもらいたいッス。きっとCELTIC FROSTと同じくコマーシャルにはなり切れなくて哀しいので。

  12月17日
収穫はなし。サウンドベイのバーゲンは今週土曜ですよ、準備は万端ですか?あなたの諭吉は残り何機ですか?バーゲンに並ぶ気分が大切なんであって並べばいいってもんなので、並びましょう。

【只今のBGM:ELVIN JONES「ON THE MOUNTAIN」】


ジェフ・ベックと「WIRED」「BLOW BY BLOW」を、ビリー・コブハムと「SPECTRUM」を作った暴走あほシンセ男ヤン・ハマーと、コルトレーンバンドをはじめ数々の名コンボで煽りの激変則ドラムを叩き出してきたエルヴィン・ジョーンズのタッグとくれば、悪かろうはずもないっちゅう話ですよね。「BLOW BY BLOW」と同じ75年の作品で、再発がONE WAY RECORDSからってのもそそります。コルトレーンバンド脱退後度々エルヴィン・ジョーンズの世話女房を務めてきたベースのジーン・パーラとのトリオアルバムです。曲はいかにもこの時期のヤン・ハマー節ハードフュージョン/ジャズロックながら、表を張るポリリズムドラムの強烈さゆえ、印象的には断然WEATHER REPORTとかよりMAHAVISHUNU ORCHESTRAやトニー・ウィリアムズに近い。若干ロック寄りのマルチマイクっぽい録音で、ピアノなんかは割とコンプ効果が目立ちますが(ヤン・ハマーがアコピで普通にジャズを弾けるのを知らなくて意外でした)、ドラムはヴォリュームを上げれば上げるほど臨場感が増すようなシンプル&リアルなプロダクションになっていて、エルヴィンの激ドラムを相当な近接感をもって堪能できます。このジャケの顔面アップ写真くらい近いです。mid70's暴れジャズロック好きは問答無用でマスト。

  12月16日
収穫はなし。何もない時代に産み落とされたものが結果的に完璧だったり普遍の真理を孕んでいたりするのはよくある話でございます。初期KRAFTWERK然り、「ニンテンドー」こと任天堂ファミリーコンピュータ然り。昔のファミコンソフトは非常に酷かつストイックで凄いですね。親切な筋書きなどは用意されぬままわけのわからない大義のためにミニマルな仕事をこなし続け、結局それが生産行為でなく己の満足/達成感のみのためのものだったと気付くのは最期の最期、数万数十万と積もったポイントにただ納得し、幾多のハイライトを反芻しながら、エンディング画面を目に焼き付けて名残惜しくも電源スイッチをゆっくりOFFにスライドさせるという一連の営み、正に人の一生の縮図のようではないですか。「スーパーマリオブラザーズ」のノーマルな地上面のBGMのブラシみたいな音はこっそり16分でスウィングしとるんですよ、それはもうノリノリなんです。クッパ城の不穏なベースラインはKING CRIMSONの"Red"さながらで、水中面の和声手法はバロック音楽。そもそもマリオはキノコを食って元気になる人なので、ピーチ姫救出なんてのも単なるMM中毒野郎の夢オチたり得るわけですわ。恐いですね〜。

【只今のBGM:SWIZ「NO PUNCHES PULLED」】


DC界隈のバンドのアートワークを多く手掛けることでも有名なBLUETIPのジェイソン・ファレルを輩出し、のちにSWEETBELLY FREAKDOWNとして復活もした、80年代末〜90年代初頭に活動していた男気DCハードコアバンドのアンソロジー。リリースがJADE TREEってのは少々意外な気もしますが昔のJADE TREEはこんなもんなんでしょうかね。その後のBLUETIPの片鱗が窺える屈折ギター・チューンもあれば、普通の2ビート高速ハードコアもやっていて、こうやってポスト・コアが生まれていくのかーという実況記録のようでもあります。ジェイソンさんのタイトで鋭利なリズムギターはこの頃既に、若干スラッシュメタルの香りも漂うほどのカミソリっぷりでカッコイイです。それにしてもDISCHORD以外でこんなのが潜んでたとは、世の中油断出来ません。

  12月15日
収穫はなし。ここ2〜3日、HOTMAILに来るスパムメールが激減しませんか?寂しいといえば寂しい。ジェシ・フラーに憧れてハーモニカを口元に固定するホルダーみたいなのを買って、昔の腕時計のベルトと両面テープとよくわからんクリップを組み合わせてカズー用に改造してみました。

(↑カズー装着の図)

(↑寄りのアングルで)

(↑カズーとはこんな楽器です)

(↑ジェシ・フラーさん)

 これでOK!!

【只今のBGM:KING DIAMOND「CONSPIRACY」】


DEATHの大名盤5th「INDIVIDUAL THOUGHT PATTERNS」で故チャックを凌ぐほどの流麗かつキャッチーなリードギターを聴かせたアンディ・ラロックがまだ在籍する89年作。北欧様式美の中でもCANDLEMASSと並んでブッちぎりの異端だった彼ら、このアルバムでもバッチリあやしいです。いや〜素晴らしい。ジェイル大橋節全開だった聖飢魔IIの「地獄より愛を込めて」的なメロメロ感満載でたまりません。IRON MAIDEN+ランディ・ローズと言うべきか、パワーも疾走感もわかりやすい泣きも犠牲にしてクラシカル&ホラーな劇的展開に特化した作風と、何よりキング氏の裏声ハイトーンで、メタラーの間でさえも好き嫌いの分かれる人達ですが、この圧倒的なオリジナリティは評価されて然るべきだと思っております。よく聴けばDEVIL DOLLとかも立派なキング・ダイアモンド・チルドレンですよね。毎度毎度あくまでメタリックなジャケゆえか、リマスターが中古で出ても安いことが多くて助かります。

  12月14日
本日の収穫、本店にてRUFUS WAINWRIGHT「POSES」(ロン・セク声のSSWの人2nd)、ROBERT WYATT「NOTHING CAN STOP US」(82年)、ELVIN JONES「ON THE MOUNTAIN」(ヤン・ハマー!75年激フュージョン作のリイシューONE WAY RECORDSから!)、そして本店中井さんに教えてもらった今池の隠れ新スポット・JUNKYARD RECORDSでBILL EVANS「MOONBEAMS」、LEE KONITZ「DUETS」(ジョー・ヘン、エディ・ゴメス、エルヴィン・ジョーンズ他参加の67年録音)、ROBERT JOHNSON「KING OF THE DELTA BLUES SINGERS」(COLUMBIA/LEGACYからのリマスター)。JUNKYARD RECORDSはジャズ・ブルーズ・ソウルその他ブラックミュージックをCD/アナログ共にガッツリ大量に揃えた中古の店で、外盤と国内盤が半々くらいかつ安くて内税という素晴らしい店でした。私はまだそのへんは不勉強なので諭吉飛びは出ませんでしたが、わかる人が行けば相当ヤバいはずです。今池北交差点のひとつ西の角を北に入って割とすぐに、風俗の2階にあります。エロ・ゲー屋の3階にあった大須ヴァレンタインレコードマートよりは俄然入りやすいですので、皆さん是非一度どうぞ。

【只今のBGM:LEE KONITZ「DUETS」】


変則編成ものに弱い私なのでやすやすと買ってしまいました。リー・コニッツにはルディ・ヴァン・ゲルダー録音の57年のやつで良い思い出があるし、新主流派のダンディズムがいよいよ極まった67年制作でエルヴィン・ジョーンズやジョーヘン他参加となると買わざるを得ん感じでしょう。タイトル通りリーさんと他の参加者がそれぞれ1曲ずつデュオで演奏するという内容ではあったんですが、管楽器とあと一人のみってのは予想以上に修行感の強いものでございました。ソニー・ロリンズみたいにバカバカ威勢良く吹いてくれるわけでもなく、体操座りしたまま動けなくなる系の神妙な掛け合いが続きます。色んなサックス吹きを判別できてとりわけリー・コニッツが好きという向きには勿論たまらん内容だとは思うので、あとは棚で勝手に熟してくれることでしょう。まーしかしサックスデュオの時なんかは、2本の単音楽器で当たり前のようにフルバンドのグルーヴが出てることだけでもスゲー!って思うとこなんでしょうね。で特にツラいヴァイオリンとのデュオの後、アルバムのラストでホレどーだとばかりにガツンと一曲だけ、ショーター風のシブいフルバンドチューンがありまして、3管とギター、ヴィブラハープ(何でしょうかこれは)、ギター、ピアノ・ドラム・ベースが無茶苦茶複雑に絡みまくる展開で非常にカッコイイんですわ。ここまでの全てはこれに至る苦行の道だったとすれば納得が行くかも。

  12月12−13日
▼両日とも収穫はなし。CDを買う暇なんぞござらんかった。12日は大学のバンドサークルのコンサートで無料配布する部内バンドコンピCDの量産で28時まで寝れず、今日13日はその当日で、出演し打ち上げてまた現在何だかんだで28時になっております。朝起きたときに「この天井ついさっき見たわー」と思うのって凄く憂鬱ですよね。そのうちホゲーッと10時間くらい寝倒したい。で今日のコンサートで私がドラマーとして出演したバンド・パンチングタバスコスは、どうやら割と好評だったらしく、有り難い話です。ドラマ「誰にも言えない」の全話収録DVDボックスとか発売されないですかねぇ。男ーならー、どんなことをしても人の上に立たなきゃいかんそうだろう?と詰め寄る佐野史郎がですね、本当にカッコイイんですよ。

【只今のBGM:KEVIN AYERS「SHOOTING AT THE MOON」】


70年発表のいわゆる名盤。サイケ牧歌フォークロック、すなわち初期SOFT MACHINE直系(というか本人ですが)カンタベリー節そのものをやっとります。曲中に頻出するお化け屋敷系アヴァンインプロタイムはもっと短くてよいというか、別に要らないんですけど、私のカンタ愛が足りんのでしょうか。若かりし日のマイク・オールドフィールドが参加していまして、浮き気味なまでに印象的なベースをたくさん披露しています。にしてもジャズ経由でロックを破壊/変造する手法はやっぱりKING CRIMSONの影響が大きいんでしょうか。随所で「宮殿」を思わせるネタが出てきて、5大バンド系英国プログレとカンタベリーシーンは無関係と思っていただけに興味深いです。この2色刷りジャケはアナログサイズで見たいところ。

  12月11日
本日の収穫、四ツ谷店でLITTLE JOE GOULD「LIKETHE EXORCIST, BUT MORE BREAKDANCING」。ココイチのカレーは「ココイチのカレー」であって「ココイチのカレー」の本質の所在と「カレー」のそれとは違いますよね。私はよくココイチが食べたくなる人です。

【只今のBGM:MODEST MOUSE「THE FRUIT THAT ATE ITSELF」】


唯一K RECORDSからリリースされている96年作。てことで録音もカルヴィン・ジョンソンです。USインディ界でもひときわダメなオーラをまとう彼らですが、このアルバムはDUB NARCOTIC仕込みの呪い清貧サウンドで更にダメ度3割増です。「THE LONESOME CROWDED WEST」みたいなエキセントリック方向の突き抜け感はないものの、何だかパッとしますよ。いい雰囲気です。それにしてもこの人達はいきなり初期からこの変さを確立しててしかもそのままずーっと来てるのですね。アクの強さゆえあんまり集め過ぎると「もうそろそろ増やさなくてもいいかな…」などと思ってしまうのですが、やっぱり質は高いです。あとつくづくギターヴォーカルが変な人。

  12月10日
収穫はなし。エビフライのしっぽを食べ得ないものとする文化圏の方はいらっしゃいますか?食べ得るものであるということさえ知らなかったという人がいて、ビックリしましたがその人もビックリしてました。食えますよ。

【只今のBGM:なし】


  12月9日
収穫はなし。寒くないよね、絶対おかしいよね、今年、という不安の声が口々に聞かれていたのも数日前までの話、んじゃ寒くすりゃええんかいとばかりに寒波が日本列島上空にのさばっておられますが、自転車生活者としては上着をちょっと厚くするだけでその中は相変わらずTシャツ半袖+Tシャツ長袖で過ごせます、全然。私はライヴに行く度に大抵バンドTシャツを買うことにしているので、それを有効利用したいのですよ。「Q AND NOT U ヲ タズネタイデス」とか「TRUE NORWEGIAN BLACK METAL」(DARKTHRONEのバックプリントです)とか引っ提げて冬も生きていこうと思います。

【只今のBGM:MILS「MILS」】


GEL:やDISCOMに比べると親切な割にとことん地味でいまひとつパッとしない連中だと思っているんですが、時々あっいいね凄くいいね今のという瞬間があるので何となく買ってしまいます。この3曲入りEPはこれまでに1000円と600円で見かけたことがあり、その時はいずれもスルーしまして、一昨日はとうとう400円で発見しました。焦らなくて良かった。内容はやっぱり地味で、かつ生バンドセッション部分が少ないというか曲によっては全然ない。生バンドパートがあるとTIED + TICKLED TRIOやTARWATERみたいだったりするんですけど今回はBOARDS OF CANADAみたいな感じです。フランスらしい粘りと躁ノリが良いフックになっててなかなか楽しく聴けます。何故かマスタリングを日本人がやってて、Fabrique au Japanとの表記もあるんですが、そういう企画だったんでしょうかね。

  12月8日
▼朝家を出掛ける時間を30分間違えてしまったら?10時開店のバナナ・パルコ店へ!本日の収穫COME「GENTLY DOWN THE STREAM」(PULLMAN〜THE NEW YEARのクリス君在籍MATADOR老舗バンド98年作)、JESSE FULLER「SAN FRANCISCO BAY BLUES」(多重演奏ブルーズメン63年録音作!)、BOBBY HUTCHERSON「OBLIQUE」(67年)。帰りは帰りで突然大須アンサーに行きたくなって行きました。買ったのはCORM「EVERYTHING STREAMLINED」(Q AND NOT Uのドラムのジョン・デイヴィスが在籍したポストコアバンド!93〜97年の大量収録アンソロジー!)、投売りバーゲンコーナーから380円でDEERHOOF「HOLDYPAWS」。アンサーはCDがアマゾン並みに安くて感動的です。アマゾンで万年在庫切れだったり引っ掛からなかったりするようなのもあるし。今日のCORMも新品1280円というビックリ良心価格でした。ロカビリー、Oiパンク、ストレイトエッヂからエモまで手広く深い取り揃えで、私のようなリアル・パンク門外漢が行くと背筋が伸びる思いをするような聖地的ムードのある所です。最近のRELAPSEものだけを目当てにディスクヘヴンに行くような人はこんな気分なんでしょうな。ということで円盤屋の二の舞にせぬよう地元名古屋の人はガツガツ買いに行きましょう。

【只今のBGM:JESSE FULLER「SAN FRANCISCO BAY BLUES」】


OJCマークって何だか惹かれます。これがブルーズだとORIGINAL BLUES CLASSICS、すなわちOBCになってるわけですが、それも何だか惹かれてしまいます。で手に取って裏に返して、パーソネルを見るとジェシさん一人のところに12弦ギター、ハーモニカ、カズー他、延々数行に渡って使用楽器が書かれている上「No overdubbing, multiple recording, tape editing...(後略)」ときた。でよくよく表ジャケを見直すと「THE AMAZING ONE MAN BAND」とあるじゃないですか。試聴して、買いました。陽気なアコースティック・フォークブルーズを一人同時多重演奏で次々やってくれる気のいいじーさんです。THE LONESOME ORGANISTとかは正にこの人直系だったのですね。生まれは1800年代末で(!)かなりの影響力をもった人とのこと。この表題曲はジャニス・ジョプリンもカヴァーしとるそうです。一人で頑張っているということも前向きな要素として含めつつ、とかく愉快にアメリカ心を満足させてくれるナイスな作品です。ベース音を出す楽器の最低弦のチューニングがずっと下がり気味ですがそれもよし。

  12月7日
▼この日記だけを読むと、CDをもっぱら買ってばかりいるように見えますが、近頃は同時にガンガン売ってます。ちゃんとカタギの人です私は。ということで今日も本店でリサイクルしてきて本日の収穫OXES「OXES」(フリーキーマスロック新人バンド)、SWIZ「NO PUNCHES PULLED」(BLUETIPのジェイソン在籍!)、SCREAM「FUMBLE / BANGING THE DRUM」(80'sDCハードコアバンド、デイヴ・グロール・オン・ドラムス!)、OCTIS「UPPRAGN SRILIMIA IXIOOR OCRILIM NOLLFITHES MRITHIXYL」(ex.CROM-TECH、速弾き激変態ケイオティックファストコア!)、PINBACK「PENELOPE」(2ndからのシングル)、CASTOR「TRACKING SOUNDS ALONE」(NATIONAL SKYLINEの前身)、EDIE SEDGWICK「FIRST REFLECTIONS」(FRENCH TOASTラインのテクニカルポストコア/マスロックデュオ)、更に今池グレイテストヒッツにも行きましてMILS「MILS」(フレンチエレクトロニカ3曲入りEP、400円にて)、HEMLOCK「VALVESTATE」(ダン・リルカのとは同名異バンドのTANNER〜NO KNIFEの人がいるサンディエゴポストコア、バーゲン品300円にて)、THE BYRDS「BYRDMANIAX」(リマスター)。年末年始の暇はひたすらCD聴くしかないッスな。

【只今のBGM:OCTIS「UPPRAGN SRILIMIA IXIOOR OCRILIM NOLLFITHES MRITHIXYL」】


世の中ケイオティックと称されるものは数あれど、ここまで戦慄を覚える作品はそうそうないんじゃないでしょうか。古代のくさび型文字みたいなのと不可解な模様だけで構成されたアートワーク、円の上下をブッた切って収録時間の短いシェイプドCDにしてしかもそれを2枚組にするというこだわりと、漲る狂気のコンセプトだけでまずは威圧感充分。内容はというと、スピード中毒の中学生が無茶苦茶に打ち込んだような無拍子激雪崩ドラムトラックに合わせて、ライン録りのディストーションギターが左右ユニゾン一辺倒で謎の高域オブリガードをキメまくってものの20秒足らずで1曲終了、というのがトータル70曲くらい入っています。「NOTHINGFACE」期VOIVODのデジタル早送り、ANAL CUNTとTHIS HEATの奇跡的折衷、CHEVAL DE FRISE化した本気FANTOMAS、他々、酷い形容がいくらでも思い付きそうな、完全なる音楽崩壊ですよ。こーれはヤバイ。どんな醜悪なデスメタルを聴いても、そこに作り手が意図したわかりやすいカタルシスを感じて普通に燃えたりできるものですが、これは本当に人間が恐くなる音楽です。TZADIKやレコメンに喧嘩売れるバンドが遂にDCポストコア文脈で現れる時代になりましたか。

  12月6日
収穫はなし。AFLACのアヒルCMは何とも秀逸ですが、そのトリ&人間スタイルの先駆けともいえる「こするカモ保証」のCMを覚えていらっしゃるでしょうか?ひたすらオドオドしながら車を運転する奥菜恵とアニメーションのカモが出てきて、変なテンションで「こするカモ、こするカモ、あぁーこすったカモ〜」みたいなのを連呼するナイスな作品で、結構好きだったんですけどね。そんだけです。

【只今のBGM:RATT「INVASION OF YOUR PRIVACY」】


時々こういうのが出てきますが別にジョークで聴いてるんじゃありません。RATTがひときわジョークにされがちなのはやっぱりスティーヴン・パーシーの歌い方が変だからじゃないでしょうか。いや、トム・キーファー(CINDERELLA)とかも変か。だけどRATTは変なんすよ、レプタイル系で。さておき、これは2ndフルでして、1st路線をソックリ継承する上等なヘア・メタルそのものです。スターダムに登りつめて貫禄が増した分、デビューEPの頃の勢いは随分と殺がれてしまいましたね。あれが最高傑作だと言うファンが多いのも頷けます。しかしこれ、あまりに1stそのまんま過ぎて、ここから90年のRATT版「DR. FEELGOD」とも呼ぶべき好盤「DETONATOR」までの間にどんなダメな時期があったのか凄く気になります。全部300円とかで気長にコンプリート目指したいところ。

  12月4−5日
▼4日は凄く久し振りに今池P-CANと四ツ谷店に行きました。4日の収穫BLUE OYSTER CULT「BLUE OYSTER CULT」、BATHORY「THE RETURN...」、RATT「INVASION OF YOUR PRIVACY」、HUMBLE PIE「ROCKIN' THE FILLMORE」、KEVIN AYERS「SHOOTING AT THE MOON」、PRESENT「TRISKAIDEKAPHOBIE / LE POISON QUI REND FOU」(CUNEIFORM、激テクニカルなKING CRIMSONラインのベルギー産アヴァンチェンバー!)、SAMADHI「SAMADHI」、BELLINI「SNOWING SUN」、KING DIAMOND「CONSPIRACY」(リマスター)。朝晩やっと冷え込んで参りました。

▼5日は収穫なしです。たまに間違って「ミュージックステーション」とかを見てしまうと、日本の歌謡界ってやつにはビックリしますね。あんまりビックリしたので、今日はFOLK IMPLOSIONについて勝手に語らせて下さい。さて、初期の話は割愛して、「DARE TO BE SURPRISED」からです。これはいいアルバムでしたが、「ローファイがこんなに音楽的に豊かになれる実験+私的弾き語りノリ」的な、あくまでジョン・デイヴィスとのパートナーシップから生まれる不測の変なものが地平になっていた感が色濃い作風でございました。そのおもちゃ箱系アイディアマンの彼を脇役にする格好で、専らシンプルなリズムと心象を丁寧に音にしたようなオーケストレイションを後ろに置き、ルー先生の歌力を最大化する方向に一気にシフトした次作「ONE PART LULLABY」は、インディ感と歌心を気持ち良くマッチさせて垢抜けポップに仕上げる方法論を明確に提示した大・金字塔、ひとつの究極的な集大成にして「果ての音楽」であったように思います。「果ての音楽」を作ってしまった人は往々にして、劣化した自己模倣に悩み、そこからの逸脱を考えて本分を残しながら方向転換してみたつもりが認められず、黄金期スタイル+モダン要素的なものに出戻ってそこそこの安心を買い、とやっているうちに、大量のセレクトされたファンが支持し続ける変な大物中堅バンドとしてシーンに居座るか、或いは解散か、という感じになってしまいがちで、次のステップを見つけて更に成功できる人は稀なものです。目下の最新作「THE NEW FOLK IMPLOSION」は「ONE PART LULLABY」の影を求めた人を結構な勢いで裏切る内容になりました。しかしリリースから半年以上経って、この変化は今やかなりシックリきています。前作のパート2を作るのは容易かったでしょうが、続けざまにそれをやるのは意味がない、粋じゃないとルー先生も思ったのだと、期待込みで勝手に想像します。インディ感はもはや合板の片面ではなくなり、ルー先生が語る己の一部として昇華され、FOLK IMPLOSIONはよりささくれ立った戦うフォークロックへ果敢な転身を遂げました。ただここで再び聴き手を戸惑わせるような暗中模索の姿を見せることをしなかったのがまたさすがなところで、今なギターを最高に王道ロッキンに弾く男・イマード君に野心を爆発させておく一方、ルー先生自身は更に磨きがかかった歌力を重心低めでドンと置いて統制を図り、昔気質のヴェテランロックバンドが絶頂期を通過して円熟を見せ始める瞬間のような微妙な均衡状態を、確信的に作り出してちゃんと行き着いた訳ですわ。だから「THE NEW FOLK IMPLOSION」は地味で長い間シビレられるアルバムだと思います。(DEEP WOUNDも含めれば)20年もキャリアがある人の作品に、なお挑戦と自信の高次なせめぎ合いがあるって素晴らしい話ですよね。
 というわけで何が言いたかったかというと、最近は考え事が多いということです。

【只今のBGM:SAMADHI「SAMADHI」】


イタリアのバンドのようなんですがバンド名、アートワークともに強烈なインド(中東?)趣味が漂っております。何なんでしょうか。74年のこのアルバムが唯一のリリースらしいです。さて内容の方はというと、イタリアのゴダイゴ!ですね。異国ならではの履き違えっぷり(出来の良いポップな曲をイタリア語で歌っているから単純にそう思うのかも知れませんが)と意外な本格派っぽさのバランスといい、結果的に歌ものという作り方といい、常にダブリングされたヴォーカルラインからそこはかとなくカンタベリー的牧歌ムードが漂うあたりなんかも、相当近いです。あとYESの前向き激転調ポップサイドをやたら濃縮伸張してしまった感じはCAIROの先取りっぽくもあります。時々イタリアらしい気品クラシカル展開も入ってもーたまりません。STARCASTLEよりよっぽどタチは良いですが、ニヤける嬉しさは割とSTARCASTLE並みかも。見たら買いです買い。

  12月3日
本日の収穫、栄店にてTANGERINE DREAM「PHAEDRA」(「RUBICON」と並ぶ黄金期名作)。新庄の日本ハム入団会見、アホで良かったですね。「女性ファンに一言」の回答が「好きです」だったのは、彼がしばらく言葉に詰まって考えている間に私が予想したのと全く同じだったので、ヨシ新庄応援しよと思いました。

【只今のBGM:MAX ROACH「HIS CHORUS AND ORCHESTRA」】


62年、IMPULSE、クリフォード・ジョーダンにマル・ウォルドロン参加、リマスターデジパック外盤、と諸条件は揃ってこういうCDを購入に至るわけです。タイトルの「HIS CHORUS」てとこなど見逃すどころか気にも留めなかったので、聴いてビックリですわ。刑事ドラマ+MAGMA!曲自体はダンディズム溢れる武骨な新主流派風で、そこに乗る男女大勢のコーラス隊が「ドゥルドゥドゥ、アイアアイアホー」てな調子でもうコバイアコーラスそのものなんですよ。変拍子も入るしベースは低域が妙に地鳴ってるし、ここにクラウス・ブラスキス呼んできて絶叫させれば完全にMAGMAと区別つきません。一応マックスさんのリーダー作なだけあってドラムソロなんかも満載なんですが、やたらと残響が乗りまくる上に歪み気味の録音なため、気迫くらいしか伝わりません。多分このアルバムではコンポーザーとしての野心を発揮したかったんだろうからそれで良いのでしょう。しかしロック系評論家はMAGMAのことをあたかも完璧な突然変異種と言いたがりがちですが、ファラオ・サンダースといいこれといい、ジャズ方面からのこういうアプローチはこの頃既にあったわけですね。60年代ジャズは掘り下げ甲斐があります。

  12月2日
収穫はなし。「宝くじ当たったら何したい?」じゃなくて切実な問題として宝くじ当てて自前スタジオ持って引き篭もりたい今日この頃でございます。宅録の社会的地位が上がればいい。

【只今のBGM:AGENT STEEL「ORDER OF THE ILLUMINATI」】


スピードメタルとスラッシュメタルがまだ渾然一体としていた80年代中期に活躍したこの名バンドが突如復活したのには誰もが驚いたものです。でこれは再結成第2弾。素晴らしい内容だった前作「OMEGA CONSPIRACY」はどうもコンセプトアルバムだった模様ですが、今回もそのストーリーとつながってそうな気配ありです。いやーカッコイイ。熱いッス。痰が切れないジェフ・テイトみたいな金切りハイトーンのヴォーカル氏もかなり上手くなってるし、何せギターの人は解散後EVILDEADやってた人ですから安心ですね。リフのセンスなんか当時と全然変わりません。スラッシーなハイトーンパワーメタルをやろうとする人は往々にして、歌メロもリフの殺傷力も両方中途半端になってしまって妙な味を放つ結果になってしまうのが常ですが(METAL CHURCH、HEATHEN、その他WINTERS BANEとかマイナー勢多数然り…)、この人達はひたすらオイシイです。引いてしまうくらいの尋常じゃない気張り感に圧倒されます。メタルファンは勿論、そうでない人も「メタルってのはこうやんのよ」という見本として聴いて頂きたい。にしても最近のメタルバンドがちょっとアートワークでオシャレぶろうとすると必ずこういうちゃちいCGになってしまうのは何故でしょうか?アンドレアス・マーシャルかパスヘッドでいいじゃないか。

  12月1日
▼早いもので、もう師走とはビックリしわす。収穫はなし

【只今のBGM:THE LAPSE「BETRAYAL!」】


レオ兄弟のクリス君がNATIVE NOD〜THE VAN PELTと世話になってきたGERN BLANDSTENからの1stです。トーコさん音源をコンプリートしようと思って買ったんですが、THE VAN PELTで既に一緒にやってるそうで少々愕然としております。ENONのライヴで燃えちゃったらそれも注文しようと思います。さておきこの1st、SOUTHERNに移籍しての2ndと大筋で違いはない感じでございます。SONIC YOUTHやBLONDE REDHEADっぽくもあるこのしょんぼりしたマイナーキーさばきが甲高いスポークンワードスタイルのクリス君とよくマッチしてます。むしろ舌足らずアイドル系のトーコさんにこそばっちり合ってると思うんですが、今回は殆どクリス君が歌う曲ばかりなんですな〜。まーしかしそういう偏った期待を抜きにすれば、クオリティは相変わらず高いし、2ndよりややバンド感強めの仕上がりでなかなかヨロシイんじゃないでしょうか。

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