物色日記−2004年7月

※頻出語句解説はこちら
  7月30−31日
▼両日とも収穫はなし。サマージャンボも買い忘れました。31日は若者らしく川原で花火なんぞ敢行、雨だったけど。それがあるからと思って30日は、FOR EARSさんに寄稿する7月末締め切りのCDレビューを書き上げるまで寝ないぞと、日が昇るまで頑張って29時頃就寝したんでした。スズメの声があれほど絶望的に響く瞬間はないですね。

【只今のBGM:MAGMA「MERCI」】


いきなりニューエイジなシンセにステラ・ヴァンデの「ウッウベイベー」、これは予想以上。OFFERING移行前最後の85年作です。「ATTAHK」や「UDU WUDU」で既にアフロ・リズムを取り入れていた彼らのこと、時流に即してR&Bポップスに接近するのもそう支離滅裂な展開ではない。というか部分的に見ればやっていること自体は「M.D.K.」時代と大して変わらない気がするほど自然に溶け込んでます。やり方がこうなっただけで見かけがここまで一変するとは面白い。和やかスピリチュアル系チューンはスティーヴィ・ワンダー風に、"The Last Seven Minutes"みたいなのはMADONNA風(?)に、あるいはジェイムズ・ブラウン風に。イロモノという理由だけでなく未だに彼らが広く支持されてるのは、実はポップミュージックの凄く普遍的な魅力が根底にあったからなのか?と思ったりしました。80年代の異形MAGMA、笑えますしかし。

  7月29日
▼「た こは絶対に  ください」ウーン、「たばこは絶対に捨てないでください」ですわな。名駅西の代々木ゼミナール外にある自販機横のゴミ箱にそんなカジュアルな落書きもとい落消しが。本日の収穫、通販にて二階堂和美「ニカセトラ002〜夏模様編」。取り扱いサイトのontonson、激迅速な対応で素晴らしいッス。

【只今のBGM:二階堂和美「ニカセトラ002〜夏模様編」】


卒業編の001が死ぬ程秀逸だったカバーシリーズCD-Rの第2弾。今回も200枚限定とのことで、滅多にやらない「出たばっかの新譜を定価新品でゲット」を久々に敢行です。選曲に関しては念の為あまり詳細を記しませんが、1931年発表のスタンダードから14〜26年前らへんの国民的定番ナンバーを楽しく唄っておられます。歌い方を真似たりインストパートを声で再現したり、オリジナルの雰囲気を根底に敷きつつ単身弾き語りヴァージョンとして工夫を加えていた001に対して、今回は夏リゾート風にがらっとアレンジしてしまう方向で自由気ままに私物化。これが当然の如く最高。春先のセンチメンタリティと余りにもばっちりマッチして何度となく聴き入ってしまった前回の感じと違ってこれはうだる昼間のそうめんの如く、何聴こか〜、あれええな〜、ていうノリでまた頻繁に手に取りそう。出す音源ごとにナチュラル化するプロダクションはここへきてすこぶる良好、パフォーマンス的にもよりライヴに近い、上下の激しい強烈な歌い込みをそのまま聴くことが出来て大満足です。気になる人は売れ尽きる前に先述のontonsonで即購入のこと!こうなると次なるアルバムには否が応でも熱烈期待ですな。

  7月28日
収穫はなし。BON JOVIよりDOKKENだけど"She Don't Know Me"は名曲。ネコより断然イヌだけど子ネコには降参です。大学の部室近くにこの頃親子で居ついてて、イイんですわ。

【只今のBGM:HAWAII「THE NATIVES ARE RESTLESS」】


CACOPHONYからMEGADETHに抜擢されて黄金期の主要メンバーとなったマーティ・フリードマンが最初にデビューしたバンドの2nd。メタル界の何でも再発屋AXE KILLERの限定3000枚再発です。内容は聴くまでもなく、速弾き映えするハイトーンパワーメタル。JUDAS PRIESTやACCEPTあたりのスタイルを習熟した優等生くんですな。それほどギターにムリヤリ主役張らせる感じもなく、普通に80年代によくあったUSメタルの良く出来た作品として楽しめます。さすがマーティ、曲の中のギターソロってもんを判ってるー。んでリードギターの腕前はこの頃からやっぱり光るものがあって、意外なタイミングで大きめのヴィブラートを挟みつつ若干オリエンタルな音の飛ばし方をする、独特のヒュルヒュルしたあの雰囲気が既に垣間見られます。キメフレーズに溺れないのも好感度大。MEGADETHファンでなくともVICIOUS RUMORSやARMORED SAINTあたりが好きならどうぞ。

  7月27日
収穫はなし。食えるつもりで食ってると思ったより早く不幸になって、右腹が下にくるように上体をナナメにしたまま動けなくなってしまうことが往々にあるのは、歳取ったからかなあ。大食いってやれるうちにやっとくもんですね。ピークは意外と早く訪れる。

【只今のBGM:CHARILE BYRD「BLUES SONATA」】


この人初めて買いました。クラシックギターとブラジリアンに堪能な人だそうで、このアルバムもブルーズでソナタで南米な"Blues Sonata"組曲で幕を開けます。ジャズを基調にしていると言えるかどうかもギリギリな、由緒正しいジャズファンにしてみれば相当やくざなミクスチャー・ミュージック。アコギをエレクトリックに持ち替えてのB面(4曲目以降)は打って変わって愛らしい"Alexander's Ragtime Band"、やけに覇気のない"Jordu"…?これはなかったことに。ぺりんぺりんしたロカビリー風の軽いトーンが曲によってマッチしたりしなかったりな上、極度にタメ気味で殆どスイングしないジャズらしからぬタイム感がかなり独特な人です。多分もっとトータルで出来の良い名盤は他にありそう。このアルバムは冒頭の組曲が意欲的だったということで。ところで私が買ったのはデジパックリマスターでして、POLL WINNERSの1stと同様、もとの空気感を台無しにする粗雑なコンプがかかってて酷い出来です。RIVERSIDEのリマスターは時々大ハズレがあるから嫌。買うならリマスター前のを。

  7月26日
▼最近CD買ってませんでしたねということで本日の収穫、久々の今池P-CANにてKEV HOPPER「WHISPERING FOILS」、OVAL「OVALPROCESS」、HAWAII「THE TATIVES ARE RESTLESS」(マーティー・フリードマン!幻の2ndをAXE KILLERが限定3000枚再発)、CHARLIE BYRD「BLUE SONATA」。

【只今のBGM:KEV HOPPER「WHISPERING FOILS」】


ケヴィン・エアーズとヒュー・ホッパーを足したみたいな名前ですがカンタベリーとは無縁の英国人。THE HIGH LLAMASのアートワークを手掛けたり、80年代にSTAMPというバンドを率いていたという、ベーシスト/ノコギリ奏者の人です。米でのリリースはDRAG CITYで私が買ったのはSTEREOLABのDUOPHONICからの英盤。DRAG CITY盤が良かったな。多数参加のゲスト陣(incl.ショーン・オヘイガン、チャールズ・ヘイワード!)にマリンバ、フリューゲルホーン、アコーディオンなどをやってもらいつつ、自身はノコギリやサンプラー、ベースを手に、英LEAFと独NONPLACEの雰囲気を足したようなユルユルパーカッシヴ人力エスノ・ロニカをやってます。アメリカーナ&元ハードコアな所謂ポストロック文脈とは決定的に趣きが異なり、棚に収めるならアヴァン/エクスペリメンタルの方。直接の繋がりはないとはいえレコメンの血が流れる国の人の仕業、金管が絡むとそこはHENRY COW。彼らの遺伝子も斯くして薄まり伝播していったかと感慨しきり、って感じで聴く事も可能です。そんな中に混じってる完全ドリーミー牧歌ポップなショーン・オヘイガン作の曲はなかなか良い清涼剤。その路線で全部作ったEPもあるらしいけど、バーント・フリードマンみたいな人とも絡んでみてくれんかなあ。

  7月25日
収穫はなし覚王山祭りでガムラン見ましたガムラン。激展開ミニマル・ダウンビート・エレクトロニカ?てな具合でかなり有り難い演奏でしたよ。長音・短音、高音・低音がバランス良くはまり合ってアンサンブル的にも相当完成度高いし、曲は長尺にして意外と複雑かつキメキメ、西洋楽典的な時系列に従った譜面に基づく演奏とはもう根本的に使ってる脳の領域から違う感じ。演奏者は自己表現なんてものを求めず淡々と音楽に従事してるといった様子です。それぞれの曲には物語があるらしく、ってことはその点コバイアストーリーの語り部として30分も40分もある怪曲を必然の如くケロッとこなすMAGMAも同じ要領だったりするのかなと思ったりました。(ロック野郎なので…。)自分らのパラダイムと違うってだけで人知を超えてるとか言うのは同じ人間に対して軽率ですけど、実感としてはただただそんなんです。異文化、コミュニケーション、ちゅうんかな?ていう宇宙人の方が良かったよーウサギよりよー。考え直せNOVA、フランス語を話す日本人をもう一度!

【只今のBGM:THE DELTA 72「THE R&B OF MEMBERSHIP」】


TOUCH&GO、男女比2:2のモッズ〜ガレージ再現バンド。MAN OR ASTRO-MAN?やTHE MAKE-UP、JACK O'FIREなんかと同様のスタンスを取る人達です。これを真剣に聴くか否かはもうレーベルやプレイヤーの好き嫌い、プロダクションの善し悪しだけの問題って気がします。私はというとINNER EAR関連アイテムの一つとして手に取りました。エンジニアはドン・ヅィエンタラ、ミックスがFUGAZIのドラムのブレンダン・キャンティ、アートワークがBLUETIPのジェイソン・ファレルってことで、やってる中身にDCハードコアのDの字の一画目のタテ線すらなかろうが、持ってて嬉しいじゃないですか。クオリテイ的にとりあえず間違いはないし。というか最近こういうバンド普通に流行ってるらしいけど、シブめの先駆者として今更発掘/再評価されたりしないんでしょうか?

  7月24日
収穫はなし。巷に数ある勤め先/バイト先に有名人が来た!ネタとしては相当珍しい話でしょう、今日はいきなり国産スラッシュの重鎮・JURASSIC JADEのヒズミさんとあと一名(ギタリスト氏?)が来店されました。ヒズミさんは勿論白塗り…ではなく素顔で。以前からちゃんと聴いてみたかったバンドではあるものの、CDなど1枚も持ってないので話し掛けたりはせず。「今度CD絶対買います。自分CELTIC FROSTとか大好きなんスけど…」とか言っておけば良かったかな。オドロな音楽的イメージとは違って、サラッと感じの良い方々でございました。

【只今のBGM:VAN HALEN「DIVER DOWN」】


リマスターを発見して買い換えて、ついでに久々に聴いてます。いやーエディ、笑顔とタッピングばかり語られるのは過小評価というもの。有名曲でも何でもない2曲目"Hang 'Em High"のイントロの恐ろしくスパスパ切れる刻みとアーミング&チョーキングを駆使した超グルーヴィンな揺らぎ、こんなのこの人だけっす。全てのシュラプネル系技巧派速弾きイストはエディの亜流!と言い切りたくなる圧倒的な説得力。バッキングもというかバッキングこそこれまたセンス・オブ・ワンダーの塊ですよ。ロックギターなるものをビス一本まで解体しておいた上で最高にロックでアメリカなギターをブチかました、コペルニクス的転回の人として記録されもっと全員に尊敬されるべき。兄アレックスもまた小技をクルクル効かせながら強い推進力をもつ理知的豪腕派で大変カッコイイ。この兄弟のタッグを軸に、セクシーロッカー役としてはこの上ないデイヴ・リー・ロス、絶対破綻しない高音コーラスという特技で地味なポストを堅守するマイク・アンソニーというこのカルテット、実に完璧でしたなあ。曲調如何よりバンドの肉体的充実感が前面に出てるからデイヴ時代は良い。82年のこの作品は「1984」前夜の高潮を想像しながら聴くとまたひとしおです。"Little Guitars"など隠れた名曲もあり見過ごせませんよ。

  7月23日
収穫はなし。ジュリー・ドワロン来日公演のバックでドラマー/キーボーディストを務めていてMARITIMEのときにもいた元WEIGHTS AND MEASURESの彼(名前知らない)、何かコワイ眼光とユニークな口元をしてると思ったらこれですな。

真ん中が特に近い。

【只今のBGM:CONFESSOR「CONDEMNED」】


これは壮絶。デスメタル勃興期の隠れインテリバンドといってもNOCTURNUSやPESTILENCEの比じゃありません全〜然全然!WATCHTOWERの魑魅魍魎を濃縮したのがSIEGES EVEN初期、その混沌変拍子に発生していた気怠いグルーヴを受け継ぎ、ギターは中抜けぞりぞりトーンのUSデススタイル、ヴォーカルは何故かアラン・テッシオ風ハイトーン、そしてドラムがボンゾの生まれ変わりの如く激重!!という想像を絶するこんなバンドから91年にあっさりEARACHEから出ててしかも半ば忘れ去られているとは。喧嘩を売るような妙な三連キックやその他キメともフィルともつかぬ変則小技の数々の連発に、青筋系絶唱ヴォーカルも風景と化すほど耳を奪われっぱなしです。止まりそうなテクニカルZEPメタル?鉛のプールの底で聴くDON CABALLEROの2ndにヴォーカルが乗っかったようなアルバム?ムチャクチャですよこんなの。MESHUGGAHのような威勢のいいキレの良さは皆無だし、THE DILLINGER ESCAPE PLANみたいな情報過多なのとも全然異質。彼らの両足が着くその土は熱と汗飛沫のロックそのものでございます。譜面に書けない溶岩の如くグネグネしたグルーヴこそが発熱源の核心。おかしい、こんなの絶対ない。必死にバンド名足し算をしてみても永遠に何々メタルとすっきり呼べません。別に高値がついてるとこは見ませんが既に廃盤っぽいので、見掛けたら問答無用で全員即ゲットです。

  7月22日
収穫はなし。チョナンカンとかぺ様とか、何かと韓国ものが流行る昨今でございますが、あみやき亭でライスについてくる韓国海苔が結構ウマイんですよ。牛肉輸入再開まだ〜?

【只今のBGM:MIRAH「ADVISORY COMMITTEE」】


Kの女流SSWの人。本名はミアラ・ヨム・トフ・ツァイトリンというそうです(読み方が正しければ)。K界隈でよく名前を見かけるフィル・エルヴラムがエンジニアをしつつプレイヤーとしてもほぼ全面参加。アコギもローファイ打ち込みもスティールパンもヒョイッと横歩きに渡る、夢の中で聞こえてくるYO LA TENGOてな調子の落ち着かない演奏をバックに、これまた曖昧かつ心のままのヴォーカルが左右から囁いたりうわーっと歌い上げたりと、GENESISの「幻惑のブロードウェイ」を思わせる躁鬱性と分裂感とモヤモヤのある作品です。二階堂和美がインスト面でアレンジの振れ幅を拡げたらきっとこんな感じでしょう。あんまり猛プッシュされてるのを目にしませんがこの人相当な非凡の才なのでは?小奇麗にまとまった聴きやすい小曲集というわけではないけど、割と漫然と聴いていてもふと注意を奪われるような静かなひらめきがいくつもあります。オリンピアにはローファイとアノラックしかいないと思い込んでスルーするのは損。

  7月21日
収穫はなし。デイヴ・スペクターの駄洒落は好きですか?私は結構好きです。

【只今のBGM:McCOY TYNER「NIGHTS OF BALLADS & BLUES」】


どファンキーにやろうと思えばやれる"Satin Doll"のしこたま優しく漆黒に黒いヴァージョンが1曲目で早くもノックアウト。63年IMPULSEリリース、ライヴ盤っぽいタイトルですが普通にルディ・ヴァン・ゲルダーのスタジオにて録られた、モードとか何とかひとまず置いといてリラックスしようか的なアルバム。新主流派の必殺仕事人にしてトレーンの世話女房という、何かと闘ってるイメージの強い人ですが、実はこのように柔らかい情感の中に目の覚めるテンションノートを滑り込ませつつスルスルと途切れなく語る人だったんだなあと再確認します。ひたすらヒラッと身軽なのに空気や水ではない存在感。違う一面を覗いてみたはずがやっぱりこの人マッコイ・タイナーでしたという、ファンにとっては泣けるほどグッと来る1枚でしょう。新主流派がピンと来ない人でもスタンダードをキレイに演奏してる盤として普通に喜ばれるのでは。IMPULSEのジャケってしかし、コルトレーン諸作然り、どれもこれもCD映えしないな〜。

  7月20日
収穫はなし。「ひんやり夏みかんゼリー」を始めゲル系缶飲料には好意的な私も何となく避けていたポッカの「プリンシェイク」、今日初めて試しましたがなかなか。そういえば日頃、プリンなんてひと思いに飲み込もうと思えば飲み込めるけどなんかチビチビすくって食べなきゃ勿体ないよなあ、という気がしてたのを、これはもとよりひと思いに飲み込めばよしという代物なので、気兼ねなくズルッといけてちょっと爽快でした。缶には5回振るようにとありますがもっと何度も力一杯振った方が賢明です。お試しの際にはご注意を。

【只今のBGM:SILVER JEWS「TENNESSEE」】


スティーヴ・マルクマスがちょっと手伝っていたこともあるDRAG CITYお抱えヘロヘロアメリカンフォークロックバンドの4曲入りEP。KING KONGのイーザン・バックラー君がウィル・オールダムのように歌ってみようとしてみた的な低くて薄くてフラフラするヴォーカルが、聴いてるうちに愛らしくなってくる人達です。PALACE化したBEAT HAPPENINGと言ってもよし。まれにキラーンと光るフックをもつ名曲が混じっていることもありますが、このEPは割と何てことのない感じ。だから聴かないとか要らないとかいう問題ではなく、やけにツルツルにコーティングされたブックレットとそこに写った犬、DC216CDの型番のために買って持っていればいいと。1枚持ってても10枚持ってても大差ないHALF JAPANESEと要領は同じということで。何がそんなにいいのか、妙に応援したくなるんです。

  7月19日
収穫はなし。東海地方に犬とひねもす触れ合えるテーマパークみたいなのをご存知ないでしょうか?夏毛の犬のもしゃもしゃしてないのもいい。冬は逆撫でに限る。

【只今のBGM:BRAINIAC「BONSAI SUPERSTAR」】


現在ENONのギターヴォーカルを務めるジョン・シュマーサル君がいたバンドの94年作。ローファイ屈折ギターとDEVOっぽいニューウェイビーな電子音の各種トリックが混在した、脱力/厭世感を薄めたパワーポップ版LES SAVY FAVってなことをやってます。すなわちENONマイナストーコさん。時代柄なのか他のメンバーの色なのか、ちょっとSONIC YOUTHっぽい不協ギターが前に出気味になっている以外は、今やってることとあんまり変わりがありません。相変わらずなのねと後ろ向きに評価するよりむしろ、94年にこれは結構目新しかったんじゃないのと思います。プロダクションも良いしあんまり古いものという感じがしません。小柄で善人そうなジョン君、かなりの親日家でもありましたが、アルバムタイトルは彼の計らいなんでしょうか。盆栽やってんですかね。

  7月18日
▼さて本日は、私もかなり急に知ったことなのですが、限定ポストカードBOX発売を記念して名古屋パルコ内タワーレコードにて我らが本秀康!がサイン会!を敢行してたんです。予定時間を少し過ぎて会場に駆け付けた時にはゲストの安田謙一氏と何やら対談中。見たところはまるっきり、ほそくて和やかそうで年齢不詳系な普通のにーちゃんでした。何々の原画が、とか、デジタルリマスターが出て、とか話している隙に件の限定BOXを購入してサイン会参加のための整理券をゲット。「今日は人が少ないんでじっくり描きましょう」との宣言どおり、一人一人に描いてほしいキャラクターを訊ねてそれを全身描くというという大盤振る舞い!私はスピッツ星人をリクエストしたところ、「いいですねー」と言いながらも「普段あんまり描かないから…」とおもむろに売り物の限定BOXをひとつ手に取り、箱絵に載っているスピッツ星人を手本に若干不安そうに描き始め、なんかつり目でちょっと悪そうな感じのが出来あがりました。並んでいた間に他の人が描いてもらってるレコスケやウッディも横目で見物してましたが、作者自身の手からスラスラーッと見慣れたキャラクターが形作られていく様子はオモシロイもんです。レコスケは特に速かった。てことで右上画像が私の頂いたスピッツ星人!いいでしょうー。

▼ついでに南館に足を伸ばして本日の収穫BENT LEG FATIMA「BENT LEG FATIMA」(現NEED NEW BODY)。

【只今のBGM:BRAD MEHLDAU「PLACES」】


ビル・フリーゼル周辺とTHE BAD PLUSくらいしか最近のジャズなんて知りませんが、この人はちょっと凄いらしいということで試しに買ってみました。バロック〜現音ばりに動く左手、ビル・エヴァンスと比べられるジェントルなリリシズム、なるほど世間の評価はだいたい納得。スゴイ変です。ジャズピアノの定型的な左手伴奏が担っていたビート感や調性感が時に平気でスッポ抜けつつ、ガバガバ拡がるアルペジオやキース・エマーソンばりに複雑怪奇なラインが歌う右手と平然と絡むという離れ業を、あくまで本人にとって必要な表現手法としてサラッと聴かせる真性の天才。演奏者として驚異的ってだけでなく、持てるテクニック=キャパの分だけ使いこなす歌心のある人です。スインギーでファンキーなのが好ましいジャズであるという通念からは完全に逸脱する音楽になってしまっていますが、少なくとも即興の中で歌うこととグループ表現、これに関してひたすら充実している点で、ジャズの優れたものとして評価されるのは然るべきことと感じます。70年代英国プログレを愛する人が無理して想い出波止場やOVALを聴く必要がないように、アート・ブレイキーやソニー・ロリンズこそジャズ、てな信念で生きている人は蚊帳の外を決め込んでも全然OKだと思いますが。

  7月17日
▼さて宣言通り行って参りました。午前10時前とはいえ立派な炎天下のクソ暑い中、不気味な行列を作る我々に通行人が投げ掛けていく視線は正にストーン・コールド。確かにクレイジー以外の何でもねーなと自分で思いながら並んでた訳ですが。てことで今日からバーゲンのサウンドベイにて、まず金山でAMERICAN MUSIC CLUB「MERCURY」(ミッチェル・フルーム&チャド・ブレイクpro93年作)、LEO KOTTKE「STANDING IN MY SHOES」、764 HERO「NOBODY KNOWS THIS IS EVERYWHERE」(TIGER STYLEからのラスト作)、MIRAH「ADVISORY COMMITEE」(K)、THE BAND「MOONDOG MATINEE」、SILVER JEWS「TENESSEE」、AMFM「GETTING INTO SINKING」、BEVEL「TURN THE FURNACE ON」(JAGJAGWAR!)、MAGMA「MERCI」(85年)、THE BEACH BOYS「PET SOUNDS」「FRIENDS / 20/20」、FLEETWOOD MAC「FLEETWOOD MAC」(キース・オールセンpro75年作リマスター)、THE DELTA 72「THE R&B OF MEMBERSHIP」(TOUCH&GOリリース、INNER EARにてドン・ヅィエンタラ録音、ブレンダン・キャンティmix!)、ASPERA「BIRDS FLY」、McCOY TYNER「NIGHTS OF BALLADS & BLUES」、SONNY ROLLINS「THE SOUND OF SONNY」、BRAD MEHLDAU「PLACES」、バーゲン棚からBRAINIAC「BONSAI SUPERSTAR」(ENONのジョン・シュマーサル在籍)とAMFM「AUDIOT」、上前津でスピッツ「さわって・変わって」("放浪カモメはどこまでも"ライヴヴァージョン収録)、吉田美奈子「FLAPPER」、ALASDAIR ROBERTS「FAREWELL SORROW」(APPENDIX OUTのメンバーソロ)、VAN HALEN「DIVER DOWN」(82年名作リマスター!)、CINQ「SKETCH」(二階堂和美のバックを務めていた音響ギタリストソロユニット、御大ゲスト参加曲あり)、CONFESSOR「CONDEMNED」(初期EARACHE名バンド!)。絞った甲斐あって充実の買い物になりました。いやー今日は良かった、一枚平均700円程度で済んでるし。しかし気付いてみれば8割方アメリカです。

▼夜は珍しく映画館なんて出掛けて、見て参りましたのはちょっと話題の村上龍原作「69」。「若さは妄想、俺OK」ていうイメージをとにかくばばばーっと描きたてる、アングラ漫画の如く文学な後味の作品でありました。七日間戦争の頃から変わらぬ青年対大人の図が手垢満載のど直球なのは制作サイドとて百も承知、むしろ絵に描いたようなスパルタ教師が魔人加藤(!)だったりしつつ、結局どこまでマコトでどこから絵空事だったのか、考えそうになるけどそんなの省みてウンウン頷く必要もなかったことを思い出し、見てる間楽しかったから良かったやっていうそういう話だったと受け止めてます。まさかのエンディングに「若さに意味なし、いい歳してそっち側にいる君はヤバイよ」と言われてるような気もしつつ、若さが人生で人生が全部ウソでもいいってことでしょと都合よく逃避してしまおうかと、己と若さについて少々自省してしまったりしたなあ。ウソにしちゃ長大ですわな。

【只今のBGM:FLEETWOOD MAC「FLEETWOOD MAC」】


バブリーなリヴァーブとかが存在しなかった頃の有名プロデューサの仕事振りが聴きたくて、つまるところキース・オールセン買いで手にした一枚です。ブリティッシュ・ホワイトブルーズバンドとしてスタートした当初の姿は見る影もなく、GRAND FUNK RAILROADみたいな垢抜けアメリカンロックがしこたまポップになったところにソウル流れのオシャレ感がほんの若干加わったような、ロックが産業として本格開花する前夜の70'sアメリカンメインストリームの最高形。英国の英の字のクサカンムリの一画目すらもはやどこにもなし。良く出来たロックの雛型的な仕上がりなので、プロダクションに関して当時なりの斬新さがあったとしても今ポツンと聴いたところでどこからどこまでがプロデューサーの手腕なのか結局よく判りません。この人達の昔の作品持ってないですし…。ともあれ、プログレ経由とは別ルートの産業ロック成立への道って、思えば今まであんまり聴いたことがなかったので、ロッキン&それなりにブルージーなのに全然ばた臭くないのが激しくどっちつかずで何だか新鮮。

  7月16日
収穫はなし。明日からのサウンドベイのバーゲン、開店は10時!ですのでお間違いなく。

【只今のBGM:APPENDIX OUT「DAYLIGHT SAVING」】


DRAG CITY印の枯れフォーク、しかし出身はスコットランド。どのへんがスコティッシュなのかよく判りませんが確かにベタベタ・アメリカーナ!っていう強烈な空気はない気がします。基本的にはPALACE関連バンドすなわちウィル・オールダム似のスタイルで、ちょっと水の違いを感じる程度。ラップスティールが出て来ない代わりにリコーダー(かフルートかイマイチ不明、両方かも)が入ってたり、アコーディオンなのか何なのか判らない持続音を発する楽器がフーンと鳴り続けたりするとほんのりGENESISあたりを思わす牧歌的な叙情性も混じってきます。DRAG CITYを熱烈にフォローする人以外にとってはPALACEチョメチョメだけで事足りるんでしょうけど、する派としては大陸違いの本格派として手が伸びてしまう完成度。変に朗々としたりイビツに枯れてたりしないヴォーカルの声質と歌い方もむしろ本場アメリカ陣より聴きやすいかも。全体的にゆーったりしていて、かつLOWのような刺激性のスキマもないので、気分が同調できずに聴くと相当な薄さを感じかねない出来ですが、これでちょっと凄いことをやったら即名盤になりそうなポテンシャルも感じます。

  7月15日
収穫はなし。大学のサークルの後輩に小っちゃいカシオトーンを売ってもらったんですが、プリセットで入っている自動伴奏パターンの中に、そのまんまTRANS AM"American Kooter"のメインフレーズとして使われてるものを発見して度肝を抜かれたんですが、これって有名な話なんでしょうか?更にFRIDGEの何かの曲でも同じフレーズが出てきまして、それはずっとTRANS AMからの借用だと思ってたけど、こんな真相があったとは思いもよらず。

↑てことでSA-1。いずれのボタンを押しても携帯電話みたいにカシャッとキー操作音が鳴る、手乗りサイズのカワイイ奴です。

【只今のBGM:AKUFEN「MY WAY」】


このジャケは出直しヴァージョンなんだそうです。中身の方は何が違うかというとラストに"Deck The House"のHERBERTリミックスが入っている。FORCE INC.リリース、ラジオのカットアップのみでほぼ全ての上モノが構築された激偏執的クリックハウス。相当な決定盤的扱いだそうで。お決まりのヒャーッとしたシンセからアコギその他の人力楽器、歌やナレーションのごく一部などを、16分音符ひとつの長さに切り出しては飛び飛びにペーストしまくり、それがベースと絡んでまっとうに調性をなすという、方法論的には考え付きそうなものなんですが、ここまでファンキーにやられると恐れ入ります。変に黒っぽくしようとし過ぎてなくて、個人的に苦手なクラブ臭は薄め。デトロイトの流れの冷ややかさを保ちつつそれでもハネハネ・ノリノリな、部屋リスニングに快いスケール感があります。しかしこのアルバムタイトルにこのジャケ写真、音の屠殺師それが俺の生き方ー!ってことなんでしょうが、ユーモアなのか至ってマジなのか。

  7月14日
本日の収穫、本店にてLEO KOTTKE「PECULIAROSO」、AKUFEN「MY WAY」、ジャズ・シンにてFRANK SINATRA「FRANCIS A. & EDWARD K.」、CHET BAKER & BUD SHANK「THEME MUSIC FROM "THE JAMES DEAN STORY"」。

【只今のBGM:CHET BAKER & BUD SHANK「THEME MUSIC FROM "THE JAMES DEAN STORY"」】


映画「ジェイムス・ディーン物語」で使われたスコアをビッグバンド用にアレンジしたという盤。映画自体は本人の映像と関係者の証言を交えたドキュメント作とのことです。ここにジャズ界のジェイムス・ディーンことチェット・ベイカーをもってくるのは当然の人選ってことでしょうか。私はジェイムス・ディーンの方をよく知らんのでこのジャケを見てもチェットか?と思ってしまいます。豪華ビッグバンドを従えてるのがあのプーンと細いチェット節てのが何か新鮮でイイなあ。大編成の割に小ぢんまりとした部屋感で、しかもそのアンビエンスを程よくキレイに捉えた録音がなかなか秀逸。それだけで20点プラスの勢いです。よくアレンジされていてアドリブパートがそれほどない上、あくまでジェイムス・ディーンとダブる存在として起用されてる感がつきまとうため、彼自身の歌心をのびのび堪能できない点でいささかの寂しさはありますが、変わり種ということでファンは持っていたい盤でしょう。ヴォーカル入りも申し訳程度に1曲あります。

  7月13日
収穫はなし。集団が行う仕事の質のスタンダードって、同じ仕事をやらせても結局その構成員が共通して了解する線に落ち着くものらしく、何のことかっていうと村さ来は店によって結構料理の出来に違いがあるってことです。今日は初めて御器所店に行ったけど寄せ豆腐はなんか味変だし大きくないし、冷やし担々麺は肉が固まり過ぎな上塩味がきつめだし、等々。普段利用する本山店は実は良い所だったようです。モトムラ有り難う偉いね。

【只今のBGM:GRAVE「YOU'LL NEVER SEE / ...AND HERE I DIE... SATISFIED」】


80年代後半から活動を始めて91年にデビューしているスウェディッシュデス老舗バンドの92年2nd。93年のEPとカップリング再発です。DESULTORYばりにマイナーな存在ですが初期北欧デスの象徴的存在として今でもたまにその名が語られることがある人達です。録音は当然SUNLIGHT STUDIOにてトマス・スコッグスベルグ。DISMEMBERあたりを地味かつドロドロさせたような、シブくもオーソドックスな北欧デスそのものの音してます。いまいちリフにフックが欠けるのか、単に上手く弾けてなくてクリアに聴き取れないのか、音質とチューニングの都合上もはやよく判りませんが、ともかくENTOMBEDやDISMEMBER、CARNAGEあたりと同期のはずなのにそこまで震え上がるような説得力はない気がします。だがしかし初期スコッグスベルグ・ワークスを追う人には外せまい。とりあえずこの年代にちゃんとこれをやってたってだけでも、有り難がるに相当するリアリティはあります。一方後半にカップリングされているEPの方は全然よく判らん所で録音されていて、素人のデモテープのような貧弱なプロダクションで相当厳しめ。まあオマケです。ちなみにここのベース/ヴォーカルのヨルゲン・サンドストロム君は後にENTOMBEDに加入したとか。

  7月12日
▼OWEN&MARITIME名古屋公演、見てきました栄タイトロープにて。いやーマイクいい人、唄上手いしギターは神。オープンチューニングとカポを使いこなして信じられない弾き語りを聴かせてくれました。MARITIMEは曲的にはピンと来るタイプではないバンドだったけどジョーク溢れる和やかなステージで雰囲気良かったし演奏も上手かった。ジュリー・ドワロンのツアーにも同行していた元WEIGHTS AND MEASURESのドラマー氏が何食わぬ顔でキーボーディストの座にいてビックリ!

 ということでお土産写真館です。
上)ビーチサンダルで弾き語るOWENことマイク・キンセラ
中)MARITIMEの5人中3人
下)RUTABEGAとのスプリットの内側にマイクのサインをゲット!



↑行かなかった人、後悔でしょう。今日も満足っすよいやぁー。

▼忘れるところでした本日の収穫アマゾンから届いたOWEN「THE EP」、MAKE BELIEVE「MAKE BELIEVE」(JOAN OF ARCツアーメンバー変名バンド?激キモ新作名盤!)、BATTLES「TRAS」。そうOWENは今朝届いたのです。予習間に合わんかった。

【只今のBGM:OWEN「THE EP」】


余韻には浸るものということで。このEPではドラムやベースも入ったバンドアレンジがされていますが、一人でやろうとも基本的には一緒、バンドを聴いているのと変わらないオーケストレーション感のある巧みなアルペジオが終始圧巻で、何の物足りなさもないステージでございました。区切りのよい拍子や定型的なコード進行のまとまりから自由にはみ出て、平面に垂らした液体の如くじわーんと広がっていくよーなこの純朴でとりとめのない歌心こそ真骨頂であって、それはもはやこの人だけのものですね。とはいえ曲らしい判りやすさは近年若干の増大傾向にあるらしく、この作品はもはや「シカゴ界隈」を匂わせないまでにストレート。AMERICAN FOOTBALLの頃の整然としない青臭さ(それも激しく良かった)からするとちゃんと歳取ったんだなあという感じでこの姿も全然好ましいです。それどころかすこぶる素晴らしいなあ。尽きない才能を感じるとともに、何々っぽくしようとしてる/してないなんて聴き方を完全に忘れさせてしまうような素直な感動あります。全員買い。

  7月11日
本日の収穫、御器所ディスクヘヴンにてWOLF「EVIL STAR」(3rd!)、向かいのホーリーハウスにてGRAVE「YOU'LL NEVER SEE / ...AND HERE I DIE... SATISFIED」(スウェディッシュデス初期バンド、2ndとEPのカップリング)、バナナ名駅店にてJONI MITCHELL「BLUE」、THE BAND「NORTHERN LIGHTS-SOUTHERN CROSS」(リマスター)。今月8日の日記で手抜きをした勢いで、久し振りに本屋でリアルにBURRN!を立ち読みしてみたんですが、何とMUSIC FOR NATIONSが親会社であるBMGの意向で廃業になるそうですね。これは悲しい。GRAND ROYAL倒産に余裕で勝る衝撃です。TWISTED SISTERをこの世に送り出し、ONSLAUGHTらと共に80'sスラッシュの隆盛を支え、今なおANATHEMAやENTOMBEDなど重要なバンドを世話する立派なレーベルでありました。R.I.P.。

【只今のBGM:WOLF「EVIL STAR」】


私がリアルタイムでフォローしている数少ない現役メタルバンドです。いつの間にか新作を出してたので入手。アートワークから何から、へヴィメタルは86年頃まで!と言わんばかりの熱烈なる愛と畏敬に溢れる、とにかくサイコーな奴らでしてね、1st収録の激名曲"Parasite"の細部に渡るメイデン激似っぷりは本当に噴飯失禁モノでした。2ndでは演奏/歌唱にしろプロダクションにしろどんどん垢抜けてきていたので、これを店頭で見つけた時もそろそろ新しいのはいいかあと思ったんですが、手にとって裏を見ると"American Storm""Devil Moon""Black Wing Rider"などといった壮絶なタイトルの数々…しかもBLUE OYSTER CULTの"Don't Fear The Reaper"、加えて独盤ボーナスとしてSLAYERの"Die By The Sword"(とRAMONESの"I'm Not Afraid Of Life")のカヴァー付きなんてオマケまであって、やはり買わざるを得ませんでした。内容は想像通り2ndから順当に逞しくなっただけ。全面的にIRON MAIDEN色が濃厚だった1stに比べるとやや年代が進んでRIOTやMETAL CHURCH(ヘヴンの叩き文句そのまんまの形容ですが)なども上手く取り入れるようになってきました。というかプロダクションがこうでなければ絶対今のバンドだとは誰も思わない!やれ美旋律、やれ大仰コーラスと、メタル的な記号が濃縮されていく過程でどんどん薄れていったハードロックの音響的魅力をこのWOLFは判ってます。だから今やっても普通にカッコ良く響く。現代メタルの救世主のはずなのにやっぱりへヴィネスへの拘りを捨てきれなかった上ロイ・Zの産業的泣きメロ量産が若干白々しかったりもするHALFORDとかより音楽的には俄然希望が持てるバンドだと思います。(と言っても既にロブ出戻ってますけど。)CHILDREN OF BODOMとかRHAPSODYとか情報量の多過ぎる最近の連中をやっぱ聴けねーやと嘆いているオールドスクーラー諸氏も、「HEAVEN AND HELL」なんて持ってませんなんていう若人も、正統派メタルの過去と未来はWOLFにあるので買って下さい。

  7月10日
本日の収穫、STIFF SLACKにてTHE WARMERS「WANTED:MORE」、JOAN OF ARC「LIVE IN MUENSTER, 2003」(限定1000枚ライヴ盤!)。名古屋近辺の今朝の雷雨は物凄かったですね。朝はもっぱらダメな私ですがその音で起きてしまうくらい壮絶でした。「でぶや」を欠かさずご覧の皆様せーの、らいう〜。

【只今のBGM:THE WARMERS「WANTED:MORE」】


ABLIENE、BLUETIP他を手がけるDC界隈きっての名エンジニアのジュアン・カレーラ、DISCHORD初期から数々のバンドを渡り歩くイアン弟ことアレック・マッケイ、LOISやTHE MAKE-UPにも在籍したエイミー・ファリナという豪華面子で1枚だけフルアルバムをリリースしていた隠れ名トリオ、THE WARMERSの96年の未発表音源を2003年になってドン・ヅィエンタラらがミックスした発掘盤です。シンプルでストレートだった頃のDCハードコアの面影を残しつつ、スカスカで珍妙なささくれギターとリズム面での偏執的な変化球っぷり、白痴っぽいヴォーカルが光るグレイトなバンドでございます。NATION OF ULYSSESとQ AND NOT Uの中間をとったらこんなんでしょうか。WIREやMINUTEMENあたりから直接来るリアル・ポストパンク・ソウルもびしびし感じます。ヘンタイ特有の有無を言わさぬ説得力がとにかくスゴイ。ZAZEN BOYSとかを唯一神の如く崇めるのは早い。何せ8年前にコレです。DCの底力に改めて敬服。

  7月9日
収穫はなし。梅雨明け宣言するのはもう手遅れなんじゃないの気象庁?暑いときに暑いと言うのはすなわち、食ったラーメンの感想を求められて「うん、つゆと麺だね」と吐き捨てるのに等しい、そう思うとすれ違いざまに今日も暑いねーとやりとりを交わすオバチャン達はちょっとシュールだな。実際何が悪いって室外機達ですよ、囚人のジレンマ?とか使い方間違ってますか?誰もがマイ小型扇風機を己の膝に抱えて何とかすればヒートアイランドも人・愛ランド。隣人に無償の愛をと異教の神ものたもうていることです。以上を集約するとアマゾンに注文したOWENのEPまだかなーと。

【只今のBGM:BOSTON「BOSTON」】


8年に1枚しか新作を出さないことで有名なBOSTONの1st(これと2ndの間のみ2年)。決まってスペイシーなジャケのイラストと異様に手の込んだアレンジワーク、変な開き直りを感じるバンド名と、トータルでやたら強烈な妄想的世界観を展開させている気がするのは私だけではないはず。この宇宙船に本当にさらわれてしまいそうな高揚したテンション感がJOURNEYやFOREIGNERとは違うところ。産業ロックだ何だと言われてますが、この頃の音楽性はカドのないポップスと呼んでしまうのは少々難しい、ちょっとKANSASみたいなテクニカルなインストが入ってるからといってプログレとも言えない、基本的に70年代的なイディオムでつないだあくまで「メインストリーム・ロック」の域のものだと思います。庶民の体温を感じさせないくらいパーッと明るく力強いヴォーカルが、ひとえにその後の時代にも通用した垢抜け感の主たる要因でしょう。これでゲイリー・バーデンみたいな声が乗ってたらダメだったろうなあ。ギターのオーヴァーダブやシンセが幅を利かすプログレ的アレンジがいかにして80年代メロ・ハーのフォーマットの基盤に化けていったか、その途中の姿を捉えた盤として私は興味が沸きます。

  7月8日
本日の収穫、四ツ谷店にてJONI MITCHELL「CLOUDS」(69年2nd)、RICKIE LEE JONES「IT'S LIKE THIS」(00年)、BUILT TO SPILL「THE NORMAL YEARS」(Kリリースの初期コンピ)。世界で最も重いへヴィメタル雑誌・BURRN!を買わなくなって久しい駄目メタラーの私でございますが、時々こういうとこで見出しをチェックすると大変刺激的ですね。ってことで今日は以下を退役気味の元メタラー達に捧げます。↓

■サウザと表記されていたゼトロ(Vo./EXODUS)のファミリーネームは今やスーザと書いた方が良い子らしい。
UFOのギターはヴィニー・ムーアVICIOUS RUMORSでデビューしたシュラプネル系速弾きギタリスト)がやっている。
イングヴェイはとうとうドゥギー・ホワイトRAINBOW再結成作で歌ってた人)までゲットしていた。しかもベースはルディ・サーゾQUIET RIOT)。
ジョン・サイクスは未だにTHIN LIZZYを名乗ってライヴをやっている。そろそろ祟られないか。
HAREM SCAREMピート・レスペランスが歌ものソロアルバムを出していたなんて。
■末期ゼロ・コーポレーションの看板バンドだったTENはまだ存命。
ロブ(・ハルフォード/Vo.)を迎えたJUDAS PRIESTの新作は今年中に出そう。
SCORPIONSはまだ新作を作っている。
ROYAL HUNTは解体の危機。するがいい。
QUIREBOYS再結成してました。
デイヴ・ムスティンは結局MEGADETHを再始動させる。叶美香みたいな扱いだったエレフソンの本音を今こそ全部聞きたい。

【只今のBGM:BUILT TO SPILL「THE NORMAL YEARS」】


今やWARNERにいるこの人達、大昔はこのようにキャルヴィン・ジョンソンのお世話にもなってたんですな。94年頃までに録音されていた音源をまとめた編集盤です。インディーな、ローファイな、と当然の如く形容したくなることをやってるわけですが、それ以上にズバッと入ってくるこの完成された歌心はやっぱ独特。恐ろしくレイジーなくせに同時に何故かスパーンと開けたポジティヴな感じもあり、まあいっかと明るく思考停止を誘うようなこのムード、ダグ・マーシュの当時のパーソナリティそのものなんでしょうか。バッキングギターの多彩さに関してはこの頃既に開花済みで、ロックの文脈性からあっさり抜け出た効果音ともメロディともつかぬ奔放なフレーズを好き勝手重ねに重ね、イメージの氾濫を音像化できる才能の人なんだなーと改めて実感します。メジャー移籍後の垢抜けた作風も勿論ナイスですが、ヘロヘロ時代も甲乙つけ難い趣きがあって良いですよ。

  7月7日
▼週明け月曜のMARITIME@栄タイトロープまでにアマゾンで注文中のOWENの新作EPが届かない気配がする今日この頃、小倉智昭が「とくダネ!」で夏休みを取ってて一気に平和になるかと思いきや笠井くんがメインじゃ意外と核不在の感があったりして、必要悪ってこういうことかと思う次第です。それよりHELMETがジョン・テンペスタ(ex.WHITE ZOMBIE〜TESTAMENT)とフランク・ベロ(ex.ANTHRAX)入れて再結成ってどういうことー!

【只今のBGM:HELMET「BETTY」】


↑のニュースをdotlinecircleのニュースブログで発見したので思わず。「MEANTIME」は本当に誰の心にも刻まれるべき衝撃盤だったわけですが、それでPANTERA、ALICE IN CHAINS、WHITE ZOMBIE、BIOHAZARD、PRONG、おおお書き並べるだけで胸が熱くなります、とにかくそのへんの連中と煽り煽られしつつ90'sへヴィミュージックシーンの盛り上がりの加速度が最高潮に達したところでガツーンと出たのがこれなわけです。凄く久し振りに聴いてますが10年経って何も薄れてませんね。全く現役の音楽!馬鹿の一つ覚え的へヴィグルーヴ・ポーズとは次元の違う緊張感。ポリリズムとドロップDチューニングをこんなに自然体に使いこなすバンドは後にも先にも他に思い当たらん気がします。アンディ・ウォレスも頑張ったもので、多少コンプ過多気味ではありますがバランス的には全然古臭さのないガッツィーなプロダクションがまた秀逸。ちなみに私はこのアルバム、"In The Meantime"を含む5曲のライヴトラックが入った限定盤を発見して二枚買いしてます。透明ケースの色が違う。(通常盤は黄色、限定は青。)どの作品もまだまだ中古で高値はついてない筈ですから皆さん急いでコンプリートして下さい。

  7月6日
収穫はなし。「てっティキンップリーズ?」「フィッッショオウンリ」ていうあのCM、日本人にonlyの二重母音っぷりを叩き込むという意味で素晴らしいなあタメになるなあ。一方の上戸彩はいつまで「あgarrr」って言ってんでしょうか。rの後にl(エル)だよl(エル)…!

【只今のBGM:HANOI ROCKS「SELF DESTRUCTION BLUES」】


HELLACOPTERSやBACKYARD BABIESあたりからちょっとだけ盛り上がりを見せる北欧荒くれ系のお陰か、今やHANOI ROCKSがリマスターになる時代です。82年発表の3rd。ALICE COOPERをガラ悪くしたようなシンプルな不良ロックで、世間じゃハードロック扱いですがその実全然70年代オリジナルパンクに近い。かと思えばタイトルトラックはCINDERELLA(2nd以降)もBADLANDSも足元に及ばぬ激シブ3コードブルーズだったりします。フィンランドのロック体力の水準が当時どのあたりまで来ていたか知りませんが、アメリカンスタンダードと比べても何ら遜色の無い、BLACKFOOTあたりとタメ張れるといっても過言ではないロックっぷり。カッコイイです。しかしペンタトニックの血で生きてはいない北欧人のこと、何気ない経過音の使い方がやけに泣けてしまってタマラン。多分"Summertime Blues"みたいになる予定だったと思しき有名曲"Taxi Driver"なんて結局こんなんですからねえ。それでもマイケル・モンローのやさぐれ具合で中和されてちゃんとワルそうに聞こえるわけです。マイケル・モンロー凄いなあ、セバスチャン・バックを本物のごろつきにしたような稀有なる逸材。ということでロッカーを自称する人はどちら様も嗜むべき。

  7月5日
収穫はなし

↑背もたれが暑かった自室のイスを夏ヴァージョンに交代しようということで、あちこち物色した挙句、4000円強で買えた激ショボなドラムセット用スローンに現在座っています。これからも。無用なキャスターで足元の配線をグリグリ踏んづけることもないし、行楽とあらばバラして持ち運びも出来るし、ドラムの練習はしやすいしで、これオススメですよ。家庭用スタンダードとして。

【只今のBGM:THE LETTER E「NO.5 LONG PLAYER」】


JUNE OF 44他のショーン・メドウズ、REX〜HIMのカーティス・ハーヴェイらがいるインストポストロックバンドの2000年リリースのフルアルバム。デビューミニと同じくTIGERSTYLEから。そのまんまJUNE OF 44+REXのようでもあるし、ILIUM+BOSCO&JORGE、あるいはカドを徹底的に取り去ってCODEINEみたいにしたSLINT(の「SPIDERLAND」)といってもよいような、アメリカーナでローテンションかつ基本はこっそりマスロックといういかにも玄人向けのユルーいアンサンブルを聴かせてくれます。これは薄い、相当薄い。なるべく聴いててビシビシ来ないように作ったのかと思うほどパッと耳にしたときに親しみ辛い。がしかしですよ、緻密な展開と結構厳しい変則拍子の中でのこのアッサリした戯れ合い、よーく聴くと各人物凄いミュージシャンシップなりアーティスト性を追求した果ての振る舞いであることが窺い知られます。オトナですね。エンジニアはロバート・ウェストンIV世ことボブ・ウェストンが務めてまして、言わずもがなリアリズム追求型ながらあんまり重い残響をボゥンボゥン言わせず、近接録りっぱなし系に落ち着いてます。ついでに1曲でトランペットも披露。SHIPPING NEWSやTHE FOR CARNATIONと実は並ぶ、SLINTの遺伝子がのちの世に発現したひとつの形態として、このバンドちょいと気にしてみて下さい。

  7月4日
本日の収穫、久々のP-CAN藤ヶ丘にてLOIS「STRUMPET」、SARAH DOUGHER「DAY ONE」、BOSTON「BOSTON」。何しにそんな遠出をするかというと藤ヶ丘ミュージックファームでのイヴェントに二階堂和美さんが出演したからです。今回で見るのは3度目ですがいつもどおりの名曲/名演、最前列の本当に近いところで存分に堪能して参りました。詳細な様子は過去のライブリポートなどを参照のこと。そして「ミュージシャンのサインはCDのジャケとかよりも実用性の高いものに貰ってあとあと有り難がるべし」との掟に従って、殆ど二階堂さんにサインを貰うために買った、ちっちゃいウクレレにeeel君とその連れ(?)を描いて頂きました!

いやあ最高ですよ。宝!保護用の透明シールも既に用意してあります。ちなみにチラッと聞いた限りでは次回の名古屋は秋頃に54-71との予定だそうで、その時こそ皆様こぞって見物に来るべきっすよ。

【只今のBGM:SARAH DOUGHER「DAY ONE」】


Kの女流SSW、99年作。本人のギター弾き語りプラス曲によってゲストが参加というスタイルで作られています。歌の方はあんまり可憐なタイプではなく、RAINER MARIAの人をもうちょっと上手くしたような硬質系。同じく曲もあんまりフニーッとたおやかになり過ぎず、かといってジョニ・ミッチェルほど大胆に振れるリリカルさはなく、若干ぶっきらぼうとも言えますが、インディ的な良心の人として全然ポジティヴに聴ける範囲です。インスト面においては自由かつ気の利くアレンジが施されていてじっくり聴き応えあり。意地でもベースが入らないのはKの血筋でしょうか、ともあれ直球で売れそうな感じに絶対ならないのがイイところ。総じて驚きはあんまりないけど、K界隈でこういう人が頑張ってるのかーという感じで何となく応援したい。

  7月3日
収穫はなし。短期間のうちに繰り返し手にとってしまうCDってたまに出くわすものですが、先月30日のBGM欄で取り上げたTRAINDODGEの2枚組新作は久々に効いてます。派手にアーティスティック、かつガツガツしてかっこいい。夏に合う。BURNING AIRLINESはこういう路線で生き長らえてくれれば良かったのに。J.ロビンスは何やってんでしょうね、早く新バンドで音源出しませんかね。ということでhttp://www.jrobbins.net/!ついでにhttp://www.traindodge.com/

【只今のBGM:JIM HALL「CONCIERTO」】


ビル・エヴァンスとの「UNDERCURRENT」くらいでしか知らん人です。これはCTIからの75年作。CTIってユルいにも程があるハイソ系フュージョンレーベルってイメージですが、この作品はエレピやエレベは使わずあんまりフュージョンくささのないつくり。アル・ディメオラから最近のエリック・クラプトンまで手広く共演する職人スティーヴ・ガッドがいるかと思えばヤワヤワなトランペットを添えているのはチェット・ベイカーだったりします。ジム・ホールのギターはクールといえばクール、単純にトーンがくもり過ぎって気もしますが、主張しなさの向こうにある濃淡の妙を味わう高級料理的な趣きで、歌心は確か。75年ともなるとマルチマイク録音も発達してるらしく、パートごとに綺麗にコンプで抑えられていて全体を覆うまでの息詰まり感はないです。エンジニアはルディ・ヴァン・ゲルダー。さてこの作品の目玉、本編ラストを飾る"アランフェス協奏曲"、19分強にも渡ってスロウな16ビートで刑事ドラマのエンドロール的な余韻深い哀愁にさらりと浸るようなアレンジに仕上がっていてなかなか秀逸。マイルスヴァージョンといい、このテーマを重く聴かせるのにはこれくらいの長さが必要なんでしょうか。スペインの空気や歴史に思索を向かわせるような真摯さや敬意まで伺われたマイルスヴァージョンに比べると、とりあえずオイシく題材にさせてもらいました的な気軽さがないこともないですが、それはそれで優劣とは別の話。言葉少なながらも途切れてしまうのが惜しいようなしんみり名演です。

  7月2日
収穫はなし。明日使えもしないムダ知識ばかり垂れ流しているこの物色日記ですがたまには有用な情報を。名古屋市および近郊に在住の皆様、サウンドベイ夏のバーゲンがそろそろだということをちゃんと覚えておいででしょうか?今年はズバリ、17日(土)〜19日(月・祝)の三日間だそうですので、仕事がある人は休み取って、学生さんは節約して、開店10時の15分前くらいから並びましょう。

【只今のBGM:WITCHERY「SYMPHONY FOR THE DEVIL」】


SEANCE〜THE HAUNTEDのパトリック・ヤンセン率いるWITCHREYの01年作。THE HAUNTEDのライヴが壮絶にカッコ良かったという好印象が手伝ってなのかも知れませんが、この人、ヤンセン氏、個人的にはかなりアイドル視してる人です。長身でほっそりがっしりして貫禄があって、何よりリフに滲み出る血のニオイですよ。一見普通のメタルリフっぽくもあるんですが、よくよく聴くと、JUDAS PRIESTのようなオールドスクールメタル、SLAYERはじめスラッシュメタルの最高峰の数々、90年代初期のすべからくブルータルだった頃のデスメタル、それらを習熟/通過したがゆえに実現可能な血塗れ感が、水面からヌッと出る人食い鮫の背ビレの如くそこかしこに忍び込んでるわけですわ。気付かないギリギリで威嚇してくる感じがむちゃスリリング。このバンドはオールドスクールHMのデスメタリックな再利用/リインカーネイションという方向でやってるようで、スピードやテクニックにもの言わすギミックが皆無な分、そういう王道な説得力がことさら活きます。高性能化が進むメロ・スピにひたすらキュンキュン来るのもそれはそれでしょうが、こういうメタルとは何だったか思い出させるようなバンドこそ現役メタラー諸氏は愛してやって頂きたいもの。

  7月1日
▼さて7月、皆様如何なさっておられますか。夜、遅いと、道に○○○リいますよね。室内の物陰から物陰へ走りこまれると猛烈にクイックな感じがする彼らですが、実際のスピードはそこまででもない気がします。家の近所で見かけたなら不法侵入される前に成敗しましょう。路上なら潰したあとの心配をしなくていいし、何より靴をはいた足で重力のままに一気に踏んでしまうのには気合が要らない。新聞紙丸めてるのとえらい違いです。草の根運動で世直しを、アッ黒(茶色)い!と思ったら正義の鉄槌を。収穫はなし

【只今のBGM:JEN WOOD「NO MORE WADING」】


TREEからの廃盤を新品で発見できたので買ってしまいました。96年の1st。TATTLE TALEというバンドでデビューした時はなんと15歳だったそうですが、この頃は幾つだったんでしょうね。内容の方は完全なる単身弾き語りです。オーヴァーダブは殆どなく、曲によってはSENTRIDOHみたいにテープ・ヨレを聴かすローファイな録りのものもあります。不思議な陰りのあるスローコアっぽい作風ではありますが、QUARTERSTICKから出しているシャノン・ライトのような怨念系ではないし、ジュリー・ドワロンみたいに神っぽく(?)もなく、あくまで普通の乙女の声をしているあたり、比較的誰にとってもフレンドリーかも。ただ押しが強い歌い手という感じの人ではないので、こういう録音状態だと演奏/歌唱のスキマのイイ所まで堪能しにくいって気もします。曲中の音量差が容赦なくデカイため今ちょっと小さめのヴォリュームで聴いてるんですが、ヘッドフォンで周囲を気にせず無心に聴いた方が楽しめそう。ともかくTREE盤が手に入ったというだけで有り難いので全然良し。

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