物色日記−2005年4月

※頻出語句解説はこちら
  4月28−30日
▼更新止まってしまってました、CD量産その他の多忙さ(CD焼いてるときはさすがにワードパッド動かすわけにはいきませんからね)と睡眠時間の大事にしたさゆえ。お陰様でまずは名古屋が誇るstiff slackにてDOI MOIおよびCEOのCDを取り扱って頂けることになりました。6月のイベント前の様子見で是非1枚、お願いします!プロダクション的にもD-12(ハードディスクMTR)で出来る限界近くの安心クオリティになっておりますので。

▼その他のちゃっちゃい話題。29日は今年初めてスイカを食いました。30日は今年初めて短パン(上はTシャツ)で外に出ました。28日、卒業した大学のサークルの集まりで、人々に「髪、伸びたねー」と言われまくったその翌日にバッサリ髪切りました。自分で。本日30日の収穫stiff slackTIM KINSELLA「CRUCIFIX SWASTIKA」、EUPHONE「V」、RETISONIC「RETURN TO ME」。

【本日のレビューその1:RETISNIC「RETURN TO ME」】


元BLUETIPのジェイソン率いるニューグループ(といっても既に結構時間経ってますが)の1stフル。何か変わってるだろうとも思いませんでしたがやっぱりBLUETIPそのもの。男気ヘヴィネスよりトラディショナルなDCパンク色をちょっと強めに表に出してなかなかポップに仕立ててきました。DC版THE WILDHEARTSか!?てな場面すらあり。しかし随所に切り込むカドばったカッティングや不協コードがもう、落ち着いちゃった中年男性の肘から先に未だ浮き出る血管のひとすじって感じでカッコイイです、ロマンの域。孤高の頑固一徹ってのは問答無用で勝ちですね。キャッチーなようで甘ったれさせないヴォーカルラインの絶妙な匙加減にも年季を感じます。黙って買うか完全に関わらないかの二択。

【本日のレビューその2:EUPHONE「V」】


MAKE BELIEVEの人がやっている新レーベル・RECORD LABELのEPシリーズの一枚。EUPHONEの非フルアルバムサイズのリリースとしては1stと2ndの間に出した「BREAKING PAROLE」以来ですね。実質全4曲のこぢんまりとしたこの作品、ジェレミー・ヤコブセンもニック・マクリも参加せず久々にライアン一人で制作された模様。作風はHEFTY時代の人力ミニマルエレクトロ〜ラウンジジャムバンドタッチとも、ジェレミー参加後のノリノリカリプソ路線とも違って、最近のPOLYVINYLやFLAMESHOVELあたりのカラーとリンクする、キーボードとヴォーカル(!)が全面的に入った変テコなバンドサウンドです。普通に不穏げなギターリフがジャッジャッとキメられたりしてとても意外。ライアンが歌ものバンドをやったらこうなるのかーとファンには大変興味深い。声が結構いいんです。朴訥とした歌心がありつつも素ではみ出すセンスが、淡い味わいながらも独特で面白い。ドラムのスゴ腕にはあんまり焦点が当たってませんが、彼の一人芸に付き合う気のある方なら買えばよい。

  4月27日
本日の収穫、バナナ大須店にてMAURIZIO「MCD」、BASIC CHANNEL「BCD」、以下バーゲン棚からA CANOROUS QUINTET「AS TEARS」、STEWART COPELAND「THE EQUALIZER & OTHER DLIFF HANGERS」、VOLLRAUSH「HEILE WELT」、DESEKRATOR「METAL FOR DEMONS」。バーゲン品ジャケ買いの品々をBURRN!レビューページ風に斬ってみた。↓

【本日のジャケ買いBURRNIN' VINYLその1:VOLLRAUSCH「HEILE WELT」】


ドイツ出身5人組の95年作。アンディ・クラッセン(HOLY MOSES)がプロデュース。アートワークの雰囲気とオール・ドイツ語の曲名からSODOM〜TANKARDラインの悪ノリ・バカスラッシュを期待したが、内容はSCANNERとRAGEの中間のようなジャーマンパワーメタルだ。余りクサメロには拘らず豪快なドライヴ感を重視しているあたりはまずまず好感。ヴォーカルもピーヴィー似のダミ声。ギターやベースの歪み具合が若干「YEARS OF DECAY」以降のOVERKILLを思わせもするがモダンなスタイリッシュさにまでは繋がらず、あくまでB級ジャーマンそのものである。装丁を含めどこを見ても売れる気が感じ取れないのは狙い通りなのか。マンニ在籍時のRAGE的な「アウト具合」がツボなマニア向けの品。(73点)

【本日のジャケ買いBURRNIN' VINYLその2:DESEKRATOR「METAL FOR DEMONS」】


スウェーデン産トリオの98年作。HOLY TERRORっぽいバンドロゴでVENOMのコスプレのようなジャケ写真、これは何かあると思って手にとってみたのだが、何ともチープかつファニーなブラックメタルである。VENOM〜HELLHAMMER("Revenge Of The Hellhammer"なんてタイトルの曲まである)に似せたカルトスラッシュスタイルとDARKTHRONE風鈍足ブラストの二本立ての、全編マジ・ジョークなアングラメタル大好き宣言アルバムといった趣きだ。劣悪なプロダクションにも愛情の跡。BLOOD DUSTERよりは誠意を感じるものの、真性DARKTHRONEファンには暗殺されるかも知れない。あくまでコンテクスト・オリエンテッドな作品であって重度の考証家肌リスナーの暇潰し用以外の何物でもない。ただ特定の用途においては充分価値を発揮するクオリティに達しているともいえる。(69点)

…結局普段と口調が変わっただけですね。そう私のレビュースタイルはBURRN!に影響されているのです。日々大量のレビュー用CDを裁かねばならないがゆえバンドおよび作品の素性と音楽的特徴以外のことには必要以上に触れず、サバサバと説明したあとにその盤を買うべき嗜好グループを指差して終わりの「BURRNIN' VINYL」(註:レビューページのタイトルです)、まあ悪文しか書かん奴もいたけど、総じて下手な社説(日経とか酷い)より勉強になったと思うな〜。

  4月26日
収穫はなし。CD-Rを焼いてたら突如PCのディスプレイが1〜2秒ごとに電源のON/OFFを繰り返し続ける!という恐怖の暴走状態に陥りやがって!やむなくPCの電源を落としても相変わらずパチパチと。コンセントを差して主電源スイッチをオンにしてある限りはそうなり続けるというヘルプレスな状況から脱することが出来ず、父親の古いPC(買ったときはWINDOWS95が乗っていた…)のディスプレイにつなぎ替えて対処。あのー画面が丸いんですけどこれ…ソニータイマーは優秀だなあクソー。

▼てことでCD量産にともなってパッケージの関係で今、両面テープを大量消費しておるのですが、なんと小学生の頃に購入して以来ちびちび使って全然無くならなかったニチバン株式会社「ナイスタック 紙両面テープ強力タイプ 15mm x 18m」を遂に本日、恐らく15年くらいかけて、やっと全部使い切りました。おお感慨。同じ「ナイスタック」の新しいのを予備で既に買ってあったんだけど剥離紙もテープ本体もかなり薄くなってる気がします。地味な改良が続けられていたのですね。うーむプロジェクトX的美談がありそうだ。

【只今のBGM:DAEVID ALLEN「BANANA MOON」】


かなり前に買ったもの。既に聴いたCDの平積みの下の方に埋もれてたのを今日ちょっと掘り起こしたので、今初めて聴いてます。あらあら。デイヴィッド・アレンの70年ソロ名義作ですね。SOFT MACHINE脱退〜GONG結成の間に作ったもののようで。ワイアット爺、ニック・エヴァンス、ピップ・パイル、ジリ・スマイスといった順当な人脈が参加しております。初期SOFT MACHINE的なジャズロック崩れほのぼのアヴァン・カンタベリーポップからビーフハート風のミニマルジャンクブルーズもどき(ダミ声まで似てる)、そしてGONGに通じる林家ペー・ノリのユーモアトランスプログレまで、整然としないままゴタッと一緒くたにされてます。いかにも過渡期な味わいがあって楽しい。アレンa.k.a.GONGワークスの一角というよりはSOFT MACHINE関連作品として接するのが音楽的にもメンツ的にも妥当そうな感じですが、アレン宇宙の片鱗はこの頃既に垣間見ることが出来ます。何もダイハードなファンでなくともオススメ出来る盤かと。

  4月25日
収穫はなしmyspace登録してしまいました。既発音源を入れ替えつつアップしたりしていこうと思ってます、よろしくお願いします。最近手の平返したように自分の告知ばっか書いてますけどすいません。小ネタといえば、古い迷信って往々にして危険回避勧告だったりするけど「夜ツメを切ると(暗くて誤って怪我しやすいので)親の死に目に会えない」って脅しが過ぎるよなあと思ったってくらいです。

【只今のBGM:V.A.「PROJECT: ECHO」】


オリンピアK RECORDSのコンピレーション。IPU(International Pop Underground)シリーズとしてリリースされていたアナログ7インチのみの音源を集めたというもののようです。出たのは恐らく96年っぽいんですがその時期というとローファイ云々もひと段落ついて「歌ものインディロック」として冷静に聴かれるようになった頃なんでしょうか。まーしかしKは変わりませんね。総じてプロダクションは良くなってるけど、別に以前からズタズタと破綻するようなローファイバンドを集めてた訳ではないし、今も21世紀になったからといって垢抜けを意識しだした訳でもなく。THE CRABS、SOMEVELVET SIDEWALK、LOIS、MODEST MOUSE、THE SOFTIES、KARP、VERSUS、HEAVENLYなどといった看板バンド達を含む総勢21組が、セイム・オールドなKパンクをめいめいに頑張って演奏してるという。全く知らない人が聴いたら「これ全部違うバンドだったの!?」と驚きそうなくらい、どのバンドも準BEAT HAPPENINGって感じの作風ですが、すなわち全部最高ってことで納得しましょう。KARPはしかしやっぱり異端だな〜。HEAVENLYはあからさまに名曲度が高い。トータル曲数が多いし一応全部アナログオンリー音源ということで、損する感じのないナイスなコンピになってると思います。ちょっと知ってみたい人にもかなり好きな人にもオススメ。

  4月24日
収穫はなしドイモイHECATOMBおよびCEOのサイトをやっとこさ開設。あんまり色んなとこに飛ばなくてもいい簡素な作りにしときました。サンプル試聴出来ますのでよろしくお願いします。完成したCDは色んなとこ売り込みにいく気ですが、ネット上での購入もインディーズCD取り扱いサイトみたいなとこを通じて買えるようにしたいと思っておりますので、もし遠方にお住まいでご所望の方がおられましたらちょいお待ち下さい。現時点では直接メール頂けたら対応致します。

【只今のBGM:GUN「THE GUN/GUNSIGHT」】


ブリティッシュHMを10年先取りしていたTHREE MAN ARMY〜BAKER GURVITZ ARMYの前身のGUNです。68年1stと69年2ndのカップリング。まだブルーズロック/サイケ/アートロック(まだプログレというほどの盛り上がりはない頃)がもっぱら幅を利かせてたときにこの硬質リフは何なんでしょうか、NWOBHM通り越してANTHRAXとかに通じてしまうようなヘヴィでスパッとしたノリを既に備えてますよ。スゲ〜。しかも演歌の如きシブ泣きもあり、時代柄か生オケやハモンドが絡んでもう異様。キャッチーなメロとかライヴ向きのシンガロングパートみたいなのは一切意識せず、全編雰囲気として漂う「男感」のみで勝負してる感じです。そこが頭一つ抜け出なかった原因かも知れないけど、聴き飽きようのないディープさにもつながっていて、まだ演奏に肉体感が溢れていた頃のハードロックをジャズ的な耳で愉しみたいアダルトメタラーには凄くいいんじゃないでしょうか。B級と言わず聴いて下さい。単音リフ頻発の強引トリオアンサンブルってことで31KNOTSファンにもお勧め!?

  4月23日
収穫はなし。スピッツの最新シングル"春の歌"のビデオクリップをたまたまスペースシャワーで目撃。私が行った名古屋公演一日目で「今日はプロモ撮ります」と唐突に告げられたときはどうせ色んな公演地での映像をつなぎ合わせるんだろうと思ってそんなにビックリしなかったんですが、出来たものを見てみると全編100%3月5日センチュリーホールの映像のみでビックリ。ああ俺ここにいましたよ、スゲー楽しい気分でしたよ、というのを切り取って残しといてもらえたみたいで嬉しかったな〜、田村やっぱり上半身裸+袖なしダウンジャケットだったなー。もう何か音楽的に評価云々じゃなくて人道的・情緒的な感覚としてスピッツ好きになっとるわと確認してしまった。

【只今のBGM:THE JFK QUINTET「NEW JAZZ FRONTIERS FROM WASHINGTON」】


ジャズ界ではあまり聞かないDC出身の5人組。61年の録音です。これはもうDCの名前のみに釣られて買った代物でございます。4日前はカンサスだったし。さてキャノンボール・アダレイに見出されてデビューしたというこのグループ、アルバムタイトルも示すとおり自由で新しいジャズを模索していたようなんですが、内容的にはオーネット&ドン風のシュールなユニゾンをフィーチャーし、ボッサやモードにも程よく染まったりする、基本的にはブルーズが下地のちょっと変なハードバップという程度。ベーシストのウォルター・ブッカー・ジュニアはこの後キャノンボールのバンドに入ることに。OJCお決まりの裏ジャケ解説を読んでて気になったのはアルト奏者のアンドリュー・ホワイトで、「のちに一大コルトレーン収集・評論家になる」と書いてあります。何だそりゃ…と思って彼のソロを待つと、あとの人が比較的マトモなのに自分だけアウト気味のスケールを高速でフパフパフパ…と乱れ吹き、ニュアンスは軽く流麗、トーンはほのかにツプーッと鼻詰まりっぽいカドがあり、迷っているのかタメているのか判りかねる間を頻発しては時々ヒョヒ〜!といななくという、見事なまでのニセトレーンっぷりで笑えました。コルトレーン評論家としてのこの人を先に知ってた人がもしいたら是非この実演記録を聴いてもらいたいですね。買いかどうかは微妙だけど微笑ましくはある盤。

  4月22日
本日の収穫、今池P-CANにてGRYPHON「GRYPHON/MIDNIGHT MUSHRUMPS」「RED QUEEN TO GRYPHON THREE/RAINDANCE」、WES MONTGOMERY「CALIFORNIA DREAMING」、THE JFK QUINTET「NEW JAZZ FRONTIERS FROM WASHINGTON」。

【只今のBGM:GRYPHON「RED QUEEN TO GRYPHON THREE/RAINDANCE」】


古楽系プログレ(≠プログレ風トラッド)孤高の名バンドGRYPHON、カップリング2作を一度に発見したので一日にしてコンプリートしてしまいました。いやあ欲しかった。今聴いてるのは3rd「RED QUEEN TO GRYPHON THREE」です。完全メルヘンなGENESIS〜YES、ひたすらのどかなPFM、牧草地のENID、弛緩しっぱなしのHATFIELD & THE NORTH、おどけジェントルなノリはCARAVANかSTACKRIDGEか、って感じでもう最高。和む割に相当激展開です。初期は殆どアコースティック楽器のみで演奏されてましたがここではシンセやエレキギターも大量投入。プログレ畑から古楽をやってみた的なヤクザさはなく、古楽にきちんと造詣の深い人達がプログレと両刀になってしまった結果の美しいミクスチャーミュージックとして完成してるから素晴らしい。草笛みたいにブーブー鳴るクラムホルンがとにかく笑えてイイな〜。メロディックデスに同じくクラムホルンとリコーダーをブチ込んで古楽メタルを大成してみせた幻の名バンドDARK REALITYの直系の祖先ですわ。特殊な立ち位置にいるバンドだけどプログレッシャー全員にオススメしたい。

  4月21日
収穫はなし。MESHUGGAHの新譜国内盤が出たか。最近アマゾン高いよますます。

【只今のBGM:GUNFIGHTER「PRO-ELECTRIC」】


TRAINDODGEとスプリットを出していたバンドの2000年リリースのフルアルバム。一応現在までに合計3枚のアルバムを出してるようです。知らなかったけどドラムが元SEASON TO RISKなんすね!さてやってる内容はTRAINDODGE以上にグランジを地(もはや血)で行く、STONE TEMPLE PILOTSやFAITH NO MOREのゴッツイ部分やQUICKSAND、後期JAWBOXあたりの男気をきっちり受け継いだようなパワー・グランジ(?)なポストコア。これがなかなかブッ飛ばしヘヴィリフ満載でカッコイイ!のっしりした倦怠感を増したRIDDLE OF STEELてな雰囲気で。時々OSWEGOみたいなのも混じります。録音/ミックスはエド・ローズ(THE GET UP KIDS、CASKET LOTTERY、APPLESEED CAST等手掛ける)だったりしてプロダクションも上質。いやーこれは逸材でした。男らしいのドンドン聴きたい人なら黙って手に取らねば。

  4月20日
収穫はなし。CDを世に出すならバンドのサイトも作らねば、ってことでレイアウトなどを思案中。試聴ですよ試聴世の中試聴。「試聴お願いします」って人生で合計何べん言ってきたことか…

▼今日の名古屋は雨、先日取り付けた自転車の泥よけが全くもって泥をよけない。多分長さが足りてない。安物の意外(選ぶ時点での予備知識不足ゆえかも知れないがともかく)なダメさを、買って使い始めたスグ後に思い知らされたときの怒りはどこに向けていいのか判りませんね。ギガスか?なんか嘲笑われてる感じしませんか。

【只今のBGM:THE SCREAM「LET IT SCREAM」】


ポール・ギルバートやスコット・トラヴィス(JUDAS PRIEST etc.)を輩出したRACER Xの元メンバー二人、のちにMOTLEY CRUEにヴィンス・ニールの代役として加入して可哀想なことにファンから総スカンを食らうジョン・コラビ、末期LAメタルの名バンドとしてファンには重宝されているSHARK ISLANDのドラマー、という4人が集まったこのTHE SCREAM。91年リリースの唯一のフルアルバムです。何とSPITFIREからリマスターが出てました、スゴイなSPITFIRE…。さて気になる中身、これはもうモトリー、CINDERELLA、BADLANDS、DAMN YANKEES、そのへんの80年代後期(あるいはガンズ以降)のワイルド・アメリカン・ヘアメタルそのものです。器用過ぎて笑うくらい超王道。当時のアンプラグドブームを受けてアコースティックバラードもぬかりなく押さえてます。シンセのクラヴィが16分で躍るアシッドジャズ(時期違うか?)風のイントロまで出てくるともうどうにでもしての域。演奏は皆さん巧く、汚いだの何だのモトリーファンからは散々な言われようだったジョン・コラビのヴォーカルもなかなかソウルフルでカッコイイじゃないですか。もはやクオリティが高過ぎてうさん臭い、無難過ぎて不安、なんていう、統一規格上でのハイクオリティ化競争が行き詰まったLAメタル最期の様相をよく伝える内容になってる気がします。それにしても良く出来てるな。こういうの直球で好きな人にとってはもう正真正銘の裏名盤ってことでいいでしょう。あっラストにVAN HALENのカヴァー"Catch Me If You Can"入ってます、最高!

  4月19日
収穫はなし。CD自家量産に向けてジャケに関するあれこれが進む。あとは製造作業のみ。貧乏なりにイイ感じのものが出来てます。

【只今のBGM:COUNT BASIE「COUNT BASIE AND THE KANSAS CITY 7」】


66年IMPULSE!。この人のコンボアルバムって珍しいんでしょうか、そんなこともないんでしょうか。サド・ジョーンズを含む4管・7人編成。66年といえばシーンではポスト・フリー〜エレクトリックファンクスタイルへの流れが動くか動かんかという頃、そんな中このアルバムはひたすら昔気質のスウィングに拘っておるわけですが、単にベイシーのスタイルなのか意図的に設定した方針だったのか、人が多いのに音数がやたら少ない。特にピアノは殆ど弾いてないとさえ言える休符の多さ。さながらビッグバンドの演奏を遠くで小さい音で聴いてるような、抑えが効きつつ緻密極まりない不思議なアレンジです。オラオラっていう強引な押しの対極にくる慎ましい盛り上がり方がなかなか良いというか好み。パハァ〜ッと金管が張り上げるのが苦手だが古いスウィング感は好き、白熱ソロバトルよりも理知的アンサンブルの妙を楽しみたい、といった向きには最適な盤でしょう。

  4月17−18日
完成した音源のCD自家量産に奔走。A3サイズ1枚から簡単な紙ケースを3部作る方法を編み出しました。特許ってどうやって取ったらいいですかね!本日18日の収穫アマゾン経由でカイマンから届いたTRAINDODGE「ABOUT TOMORROW'S MILEAGE」、バナナ名駅店にてCOUNT BASIE「COUNT BASIE AND THE KANSAS CITY 7」(66年IMPULSE!、7人編成コンボ作)。

【本日のレビューその1:TRAINDODGE「ABOUT TOMORROW'S MILEAGE」】


99年、6X6 RECORDSなるところから出てます。この頃はまだメタリックな整合感を前面に出すには至らず、ヴォーカルも野太くなく、ROADSIDE MONUMENT meets BOYS LIFEな新人だねークオリティ高いねで済まされそうな感じも往々にありますが、ドスッと腰にひびく重りも随所に仕込んであってなかなか侮れない出来。パタパタ軽いプロダクションにもめげず最低弦はCですから。一連のカンサス系にも通じる、ダウンチューニングでメジャーキーを匂わせるリフ作りは勝手にKING'S Xを感じてしゃーないですなあ。実はリスペクトされまくってたりせんですかなあ。さておき、その後逞しく大化けするバンドの青写真として、ファンなら持っておきたい一枚でしょう。とりあえず新作EPを待ちつつ目下の最新アルバム聴きまくって、7月の来日に備えましょう!!!!

【本日のレビューその2:RICKIE LEE JONES「POP POP」】


ポスト・ジョニ・ミッチェル世代の天然系SSW91年作。オールドアメリカン歌謡中心のカヴァーアルバムになってます。アコギを中心にドラムレスでこぢんまりまとめられたアレンジゆえ欧州的な薫り(ラテン、シャンソン、etc.)も若干。チャーリー・ヘイデンが収録曲の半分くらいで参加してて、ジョー・ヘンダーソンの名前も。私はこの人を「二階堂和美が影響を受けたシンガー」として知ったので、気分は二階堂さん版「GLING GLO」(ビョークの全曲アイルランドジャズカヴァーアルバム)です。鍋が急に沸くような不意をつく強い抑揚や子供っぽい滑舌は時々ホントよく似ますね。ジャズ気取りのオサレ・アコースティック程度であって本気のジャズオマージュではないので、スタンダードヴォーカルもの特有の時間感覚や煙った空気に不慣れな人でもスンナリ楽しめそうです。いい雰囲気だねえで流すも良し、少女声がアンニュイに歌い込む妙を噛み締めるも良し、安く見かけたなら買っておけば間違いはない盤。

  4月15−16日
▼とうとうキレてしまった、血を見た。あの、下降中でゾル気味のときって多分消化液が強いまま外に出てきちゃうんでしょうね。一週間ぐらいずっと調子悪くて、恐らくその強酸性ゾルに傷め続けられたせいで14日深夜遂に、厠の勤めを済ませてふと後ろを確認したら若干量の血糊らしきものが。オーノー俺も地主か、不動産屋もといホニャホニャ大黒堂の世話にならねばいかんか…と間違った観念をしかけましたが、否こんなもの一時的な外傷の筈と思い直して2日間静観してたら案の定治まってくれました。何にしても本物の血を見ると物凄い身に迫るものがありますね。関係ないけど15日夜にテレビで放送していた「幸福の黄色いハンカチ」見てしまいました。高倉健スゴイなあ。本日16日は何も買わず15日の収穫はサウンドベイ金山にてHUM「YOU'D PREFER AN ASTRONAUT」「DOWNWARD IS HEAVENWARD」、GUNFIGHTER「PRO-ELECTRIC」(TRAINDODGEとスプリットを出していたバンドの2000年フル)、MATT WARD「END OF AMNESIA」(DAKOTA SUITEもリリースするGLITTERHOUSEから)、MELVINS「MELVINS」「GLUEY PORCH TREATMENTS」、ACID KING / MYSTIC KREWEOF CLEARLIGHT「SPLIT EP」(MAN'S RUIN!ACID KINGは元MELVINS!)、MANISHEVITZ「PRIVATE LINES EP」(JAGJAGUWAR)。

【本日のレビューその1:MANISHEVITZ「PRIVATE LINES EP」】


ジュリー・ドワロンもリリースしている田舎系天然フォーク/スローコア専門レーベル・JAGJAGUWARの中では突出したポップさを誇るMANISHEVITZの2002年EP。毎度の如くジャケがパッと楽しい感じです。ビートルズやビーチボーイズ影響下の60年代サイケポップからネジを数本抜き取ったような奇特(な割に地味)なバランス感覚で、BEACHWOOD SPARKSみたいな良く出来た回顧ダイジェストバンドともまた訳が違う。うーん地味だ地味なんだ。しかし気になるこの求心力はもはやJAGJAGUWARパワーのみによるものなのか?イヤやっぱり時々YO LA TENGOくらい凄いんじゃないかと思わせる瞬間がある気もしますよ。鍵盤の鳴らし方にかなりプログレの香りが漂ってたり、管楽器を和やかに配すオーケストレーションがPLUSHを思わせたりもするし、どうにも隅に置けないです。どうしたらいいんだと思い続けながら多分いつまでも売りには出せなさそうな気配。

【本日のレビューその2:ACID KING / MYSTIC KREWE OF CLEARLIGHT「SPLIT EP」】


倒産につき入手がドンドン困難になっていくはずのMAN'S RUINもの。一瞬MELVINSにいたロリ嬢を含むACID KINGと、EYEHATEGODのギタリストのサイドプロジェクトであるMYSTIC KREWE OF CLEARLIGHT(現在はCLEARLIGHTと短く改めた模様)の2001年リリースのスプリットです。ACID KINGは重度のストーナーそのもの。ここまでコアにやるともうサバスに似るのは当たり前の世界ですな。ロリ嬢のダメ感漂うヴォーカルもオジーとダブる。正統派である時点で没個性は免れないという定めゆえ、ストーナーも機能化競争の音楽かあと再認識した次第。ちゃんちゃか尻軽なレトロックレプリカごっこには色気を見せずひたすら真摯に石化せんとしてるあたりは好感です。一方のMKOCは男気サザンロック化したCATHEDRAL、あるいはレイドバックしつつワイルドなCORROSION OF CONFORMITYてな感じでなかなか。普段はインストバンドらしいのですがここではゲストシンガーが歌ってまして、これが結構カッコイイ。うなるハモンドもまたよい。ロックにハモンドはいいですね。インプロセッションパートではPINK FLOYD+ASH RA TEMPELの様相で盛り上がります。両者毛色は異なりますが、ストーナーたるものの陰鬱に向かうサイドと陽気に向かうサイドを同時に見せるナイスな組み合わせになってると思います。

  4月14日
収穫はなし。気温が上がってきて基礎代謝量が減るのか、近頃腹があんまり減らんことないですか。

【只今のBGM:ENON「LOST MARBLES AND EXPLODED EVIDENCE」】


7"のみの音源やコンピ提供曲などを集めた編集盤。相変わらずシアトリカル・オモチャ・ポップパンク趣味のジョンと淫靡ゴス・ダンス・ソウル(?)なトーコさんの作風がパッカリ分かれてます。いやあトーコさんは逸材だと思いますなあ。少々鼻につくが何ともムードのある声をして、こういう曲を自分で作って、ベース弾きながらタンクトップで歌う在ブルックリン日本人女性なんざ他におりませんよ。BLONDE REDHEADなんかと比べると良い意味で深遠な感じがないのがいいですね、聴くにも気楽で。シングルは結構色んなレーベルから出してるみたいなんですが、TROUBLEMANリリースのものなんかは往年のBRAINIAC節全開の変態系だったりします。やっぱトーコさんがしっとり歌う紛い物R&Bみたいのがいいなあ。全然レビューになってませんがもとより寄せ集め盤なので仕方ありません、ひとまず普通のスタジオフルもしくはTHE LAPSEかBRAINIACを先に聴いてみて下さい。充実の品ではあるがファン向け。

  4月13日
収穫はなし。作業半ばで再録したり一部お蔵入りにしたりしながら1年半以上作りかけのままになっていた個人音源数曲を、丸一日かけて全部ミックス。既に完成済みだった1曲とあわせて計6曲でもうEP一枚出来あがりってことにしました。CEO久々の新作、タイトルは「IS LEARNING TO SPEAK」で。あと有り難くも6月にライヴが決まった、私がドラムの売り出し中バンドDOIMOI(サイトはまだありません)も4曲入りデモが出来てまして、そっちも同じく近日中に出回らせる気まんまんです。CD-Rの委託販売みたいな形で頑張って放流しようと思ってますので、ひとつよろしくお願いします。そう私バンドマンなんですわ。

【只今のBGM:CEO「IS LEARNING TO SPEAK」】


反則の未発表自作音源レビューですいません、現在曲順&音量レベル調整の確認中なので。FOLK IMPLOSIONに心酔し、PINBACKはこっそりチラ見し、OWENの隣人気取りな、カントリーマアムの如きアメリカン・ホームメイド・テイストのSSWアルバムになっております。私はルー先生になりたいのでこれでいいんです。健気さは感じて頂ける出来かと思います。パッケージまで全部完成した折には是非おひとつ。

  4月12日
本日の収穫アマゾンから到着のCOPELAND「IN MOTION」、KING'S X「BLACK LIKE SUNDAY」。最近高いですねアマゾン。頑張れよ円。

【只今のBGM:COPELAND「IN MOTION」】


新作を新品で買ってしまいました。このジャケとタイトルは去年出てたカヴァー集EPの続きですね。JIMMY EAT WORLDよりもメインストリーム対応型でMINERAL〜THE GLORIA RECORDばりにふつふつと煮え返る激甘メロも備えた、産業エモの理想形を今回も突き詰めていっております。いやー意外と好きなんですわ。デビュー作は本当に全編ドロドロの愛を囁くような内容でしたが、今回は若干幅を広げてラフなロック感(って書くと頭悪そうですけど…)も守備範囲内に。最近のスピッツがDEATH CAB FOR CUTIEに本格的に感化されたような、SUNNY DAY REAL ESTATEがウンと人懐こくポップになってしまったようなそんな雰囲気。順当に一皮剥けたともいえるし、方向性がばらけたせいでショック度は若干下がった気も。クオリティは全然相変わらずです。エモエモしくしたい一心じゃなく曲がちゃんとしてるからとにかく好感なんであります。ウィトニー・ヒューストンとかが歌うような曲をギターバンドでやってるような。裏声っぽいソフトなハイトーンで優しく歌い込むこのシンガー氏の存在も大きいでしょう。私は弾き語りの4曲入りアコースティックEPがカップリングになった限定盤を入手したのですが、そっちを聴くと歌心依存度の高さがよりハッキリします。さあさあ派手にブレイクして買いづらくなる前に是非。この際DANGER DANGERやFIREHOUSEファンにもオススメ。

  4月11日
▼行ってきましたSUFFOCATION!とNAPALM DEATH。低分解能な轟音が得意のクラブクアトロにて。当日券を買って開演予定30分前の18時半に会場入り…いない。人がいな過ぎる。勿論無人ではありませんが、フロア最前の柵にもたれかかって臨戦体制なツワモノは本当に5・6人で、あとは遠巻きにたらーっとしてるのが20人弱くらい。マジかと。Tシャツを買ったり早々とドリンクをもらったりして時間を潰し、結局15分押しくらいでSUFFOCATION登場。ヴォーカル氏はスキンに近い五分刈りで筋肉隆々の頼れる男。ギター右のテランスは相変わらずのドレッド!最新作から加入のギター左・ギーはインドアメタラー風の人のよさを醸し出し、久々に出戻ったドラム氏はこれまたマッスルな黒人ドレッド。新加入のベース氏はストラップを無茶苦茶長くしてベースをほとんど垂直に構える、モミアゲブロンドってとこも含めてちょっとザック・ワイルド風の人でした。

▼演奏はもうひっくり返るほど上手い!本気でCDでやってることを再現してます。単音弾きが多いせいかギターリフがクリアに聞こえたのがまず驚き。この手のバンドのライヴに行って「リフがカッコイイ」と思えるってだけで奇跡的です。勢いでドガーッと誤魔化すことなく超速16分を完璧に刻むギター二人、それに指弾きでついていくベース!ドラムは左利きなのか何なのか、左ハット+右スネアも左スネア+右ライドも両方使いこなすタコ系。クラッシュ絡みのキメなんかどっちの腕がどっち向きに飛んでるのか判らんくらいの自由自在っぷりです。ヴォーカル氏の低いデスヴォイスは凄く声量があり、彼は何といってもアクションが独特。てのひらを手刀のように構えるのが基本で、インストパートにキメがあればそれをビッビッとシンクロさせて振り、ブラストや高速ツーバスに入るとアンタッチャブルの「いやいやいや…」を高速でやったような動きで応じる(ずっとやってたけどちょっと笑えた)。これが複雑極まりない楽曲の構造上のツボを判りやすく客に示してくれて実に良かったんです。一瞬でもブレイクがあれば客が声をあげやすいようにフロアを煽る仕草をし、ソロがあればその人を指差し、MCでも「今から1stの曲をやるぜ(註:一応メタルMC風の口調ってことで)、クソでっかいオールドスクールなサークルモッシュ見せてみろよー!」みたいな兄貴風の喝入れバッチリ。デスメタルで楽器弾かない専任ヴォーカルなんてデス声出りゃ誰でも変わんないんじゃないのー?みたいな甘っちょろい偏見をガバッと覆すカッコイイフロントマンでした。

▼選曲はデビューEP「HUMAN WASTE」から最新作「SOULS TO DENY」まで結構まんべんなかったようです。中でも高校時代に買った3rdの1曲目を飾るタイトルトラック"Pierced From Within"はイントロの殺人的キメも完璧にやりこなしていて感動モンでした。これを生で見る日が来ようとは…。SUFFOCATIONの楽曲はブラストをあまり長引かせずスローダウンする展開が多くて、血気盛んな頃はなんか煮え切らねーなぁ〜と思ってたこともあったのですが、こうして現場を目の当たりにしてみるとその寸止め・引き・タメの類が実に官能的なんですね。暴走ストローク一直線ではないギターリフの色んな触感に苛まれて、テンポ変わりまくりでノリにくくはあるんだけど物凄く気持ち良かったなあという感想です。わびさびのある大人のブルータルデス、何曲も続けて聴いても轟音に感覚が麻痺してこない押し引きの妙。15年のキャリアがありつつ未だにリスペクトの絶えない理由もそこじゃないでしょうか。テクニックをこういう風に使うというのは素晴らしい。

▼最後は「DESPISE THE SUN」からの曲をやって終了。アンコールを要求しかけてみるものの容赦なくセッティングの人が。あれよあれよという間にドラムセットなどが片付けられ、あとに控えるNAPALM DEATHの準備。DOJO Vol.7で見たからなぁ…とフロア後ろの柵にもたれてるうちに軽く居眠りし、気がついたらもうステージが始まろうとしてるではないですか。寝起きで全くテンション上がりきらず、端っこの方で大人しく観戦することに(SUFFOCATIONの時はちょっとモッシュに参加したりもしてました)。バーニー・グリーンウェイ(Vo.)の動きがダサい。コントをやってるビートたけしのようではないか。だばだばとガニ股で走り回るのだけでもヤメてほしい。ミッチ・ハリス(G.)はやっぱシブくてマッドでかっこいい。人間巨木ことシェーン・エンバリー(B.)は水平マイナス30度くらいの向きに伸びる激天然ウェイビーヘアのてっぺんがハゲててもう凄いことに。あとこの人はピッキングがやばい。驚くくらいデブなのにそろばん名人のような手さばきでスパスパスパ!と動く動く。ギターと手の振りがシンクロしてないように見えた場面があったのは恐らく、ギターがオルタネイトで済ませてるとこを全部ダウンで弾いてたんでしょう。普通逆だろ…多分腕の筋肉は尋常じゃなくなってるはず。ドラムのダニー・ヘレーラは相変わらず淡々と安定してて、ブラストになるとスネアの音量がちょっと小さい。SUFFOCATIONが変則的な刃形のノコギリだとしたらNAPALM DEATHは石包丁だな、なんて失礼な感想も浮かびました。それをいぶし銀と呼び替えればいいんです。そもそも今も昔もポリティカル・グラインドの人達ですから、SUFFOCATIONとは毛色が違い過ぎるんだよとツアー発表当初から思っとったのだ。MALEVOLENT CREATIONとかなら良かった。正直言ってこういうブラストのストップ&ゴーは、詳細の聞き取れないライヴ会場で見るとDISGUSTもDEAD INFECTIONもNAPALM DEATHもそう変わらん気がします。あとのエキサイトメントは各人の狂人っぷりに依存するわけだけど、そこへきてバーニーは今やあれだからなあ。グラインド界の笑点として君臨するもよしか。アンコールはお決まりの"Nazi Punks Fuck Off"〜"Siege Of Power"コースをまっとうして終了。

▼今回はクアトロってことで写真はなしです。撮っても咎められなさそうな空気ではあったんだけど、カメラ構えてる人なんて誰もいなかったので。SUFFOCATIONカッコ良かったですよ〜画ヅラ的にも。本日の収穫は会場到着前に寄ったバナナレコード・パルコ店にてRICKIE LEE JONES「POP POP」、THE SCREAM「LET IT SCREAM」(ジョン・コラビ!)、BOB DYLAN & THE BAND「THE BAEMENT TAPES」、AS ONE「IN WITH THEIR ARPS, AND MOOGS, AND JAZZ AND THINGS」(97年)。

【只今のBGM:SUFFOCATION「PIERCED FROM WITHIN」】


ということで95年3rd。SLAYERのイーヴルな響きとANTHRAXのズシズシ深く刺さるクランチを両方継承し、OBITUARYやENTOMBEDよりも低く這い回る、ハードコアとクロスしない純メタルなテクニカル・ブルータルデスの雛型をデビュー早々に完成させ、それを更に暗澹としたものに進化させてみせたこの盤はそりゃもうディープ極まりない大傑作です。MORRISOUNDにてスコット・バーンズ録音というUSデス黄金律を遵守して音像的にも独特のズモズモとした陰険なものに仕上がりました。どこまで極端になれるかを競うかのような最近のエクストリームミュージック事情なんぞどこ吹く風で、この人達は曲ごとにある種の詩情のようなものを大事にしてるフシがあっていいですね。30歳や40歳過ぎても大事にしたい盤。

  4月10日
収穫はなし。休日ということで今日もいわゆる花見名所らしき場所にいくつか出向いたんですが、満開の桜も色んなとこのを見過ぎるとさすがに有り難みがいささか薄まるもんです。咲くか咲くか、アー咲いた!咲きだすと意外とすぐ満開になるな〜、ていう一連のダイナミズムこそが醍醐味の半分なんじゃないかと。MOTORHEAD、VENOMと順を踏んでこそ当時の衝撃の意味が判るMETALLICAの1stみたいな。孤立した事象としての満開の桜はどこのを見てもだいたい同じ、ならば花見は人手で整備された量勝負の「名所」よりも普段通りかかる近所の公園でやるのがベストじゃないかと思います。

【只今のBGM:COLOSSEUM II「STRANGE NEW FLESH」】


ゲイリー・ムーアの経歴を語ると必ず出る名前がこのCOLOSSEUM II。COLOSSEUM〜TEMPESTのジョン・ハイズマン(Ds.)と彼が中心となって結成されたバンドです。76年のこの1stでは専任ヴォーカルつきの5人編成で、キーボードはドン・エイリー(RAINBOW、オジーバンド他)、ベースはニール・マーレイ(WHITESNAKE〜BLACK SABBATH他)。激手数ドラムが半ば単身暴走するプログレテイストのフュージョン〜ジャズロックをやってるということで、ARTI E MESTIERIの2ndとヤン・ハマー関連(SPECTRUM、「WIRED」「BLOW BY BLOW」期ジェフ・ベックなど)の中間みたいな感じです。あるいは"The Solid Time Of Change"ばっかりやってるYESか。超絶技巧バトルの中にあってヴォーカル氏は影が薄いのかと思いきやどっこい、レイ・ギラン(BADLANDS、PHENOMENA、SUN RED SUN他…濃いぜ)みたいなスパッとキレるブルージーハイトーンでかなり良い!この人が抜けたあとの2nd・3rdこそバンドの本分であるっていう意見もあるようですが、ヴィニー・ヴィンセントがいたVICIOUS RUMORSの1stもあれはあれなりに良かった、的なノリで私は肯定派に一票。確かにギターがいまひとつ主役張らない感はありますがね。ゲイリー・ムーア云々はむしろ気にせず、プログレッシャーもしくはメタル畑在住のフュージョン愛好家に普通にオススメです。

  4月9日
本日の収穫、サウンドベイ上前津にてMIA DOI TODD「COME OUT OF YOUR MINE」、SPOKANE「MEASUREMENT」(JAGJAGUWAR!)、CENTRAL FALLS「LOVE AND EASY LIVING」(ex.TOWN AND COUNTRY)、COLOSSEUM II「STRANGE NEW FLESH」。あと鶴舞公園でSUSHI CABARET CLUB「BEAUTY BUILT ON FLAWS」。これ何かというと、市内随一の宴会系花見名所・鶴舞公園ではこの時期の土日に祭りっぽい催事が行われていて、その一環で今日はたまたまこの人達が演奏してたのです。何だ何だこのブルース・スプリングスティーンみたいなのは、と思って近づいたらメンバー一同(ギター以外)リアル外国人!で酔っ払い相手にMCも英語!今の国内オーヴァーグラウンドのどこに収まるというのか甚だ疑問な20年前そのままの音楽性にキュンキュン来ながら、いや〜アメリカ最高ですとか思いながら、リアクションを形にするという意味もあって思わずCD(自主制作盤)一枚買ってしまったという運びです。そしたらオビに「すべてのUKロック好きの人へ」と書いてあってショックでした。そうなのか。だってスミスとか知らんもん!とりあえずバンドのオフィシャルサイトを。物販の手伝いをしてた日本人は「今年ブレイクさせますから!!」と言っていたがどうなるか。AOR寄りのメロハー好きなメタラー諸氏には結構オススメの逸材だと思いますよ。

【只今のBGM:MIA DOI TODD「COME OUT OF YOUR MINE」】


FOLK IMPLOSIONファンには"Chained To The Moon"でお馴染み、今年PLUG RESEARCHから新作もリリースしたミア嬢のCOMMUNIONリリース99年作。日系の血が入ってる人らしくジャケにハンコ風の書体で「美亜」と書かれてます。てことは美亜・土井・トッドさん?メジャーCOLUMBIAから出たミッチェル・フルームプロデュース作はCAT POWERがFOLK IMPLOSION化したような雰囲気で素晴らしい出来のものでした。こちらは全編アコースティック弾き語りで、二階堂和美を音大声楽科仕込みのクラシカルな発声にしてしまったような趣き。最小限かつ充分なギターをバックに声だけが時間を引っ張るようなあの感覚です。曲の断片を味わうべきか乱雑さに驚くべきか戸惑うようなローファイ一発のインパクト勝負には出ず、歌い手さんが裸一貫で堂々自己紹介!的な内容。いきなり何のよりどころもなく部屋で一人で対峙するには少々寂しくもあるかも知れないので、ヘッドフォンで聴いて狭い会場での生演奏をじっくり想像するか、もっと込み入ったアレンジの施された近年作を先に聴いて彼女の世界観の詳細をまず知っておくかすると良いかも。それにしてもユニークな声です。ルーファス・ウェインライトと並べられたりしてないのかな。

  4月8日
▼久々に本日の収穫、STIFF SLACKにてSTELLA LINK「MYSTIC JAGUAR...ATTACK!!!」、RIDDLE OF STEEL「GOT THIS FEELIN'」。道を尋ねられたと思ったらアンケートで、アンケートだと思ったら押し売りで、聞けば「指輪のついたネックレス(ダイヤつき)を男性が買って身につけておく。誰かと婚約した際には『思い出と気持ちの詰まった品』としてその指輪を外し相手に婚約指輪として渡す」というコンセプトらしく、イヤそんな商業的意図のもとで提供される枠組みに乗せられたところで所詮「バレンタインデーの手作りチョコ製造キット」のようなものであって真のDIY的手間暇とは認めません、アンケートに答えたからって名前も住所も教えません、頑張ってね、と正面から完全論破して帰ってきてやった。「お兄さんより仕事頑張りますから!」などと訳の判らないセリフで見送られたから多分コッチが勝ったんでしょう。

【只今のBGM:RIDDLE OF STEEL「GOT THIS FEELIN'」】


アルバムタイトルもジャケもロッキン!名盤であることが宿命づけられたかのような作品を出してきましたRIDDLE OF STEEL。フルレングスではこれが2ndになります。1stフルで上手いなと思っていた超絶手数系の前任ドラマーが抜けてTRAINDODGEの人に代わったらしく、雰囲気も変わってゴッツリストレートで猛々しい重量グルーヴが持ち込まれてます。ギターの小技でカンサス流スペイシー表現も随所に。初期FOO FIGHTERS、NO KNIFE、BLUETIP、「ANGEL RAT」〜「THE OUTER LIMITS」期のVOIVOD、MEDICATIONS(声が似てる)の間をいくようなグレイト必殺パンチ!ガッツ系といってもKEROSENE454みたいなのとは趣が違ってササクレ立った陰気さはなく、筋肉美というか何というかとにかくポジティヴな快感に溢れてるのがポイント。最近のANTHRAXとか「SKUNKWORKS」時代のブルース・ディッキンソンあたりが正に隣人という感じです。これは男なら買っときましょう。嬉しいくらいにカッコイイです、全員激マスト!

  4月7日
収穫はなし。今日あたりピークだろうってことで人並みに桜のよく咲いてるとこを通りかかってみたんですが、夕方という時間帯もあって大集結していた散歩中の犬ちゃん達に目移りして仕方ありませんでした。全員畑正憲ばりにワシャワシャしてーと思いながら。

【只今のBGM:FIGHT「A SMALL DEADLY SPACE」】


未だかつてこのアルバムを良いと言う人に会ったことがありません。いや、FIGHTは2(+1)枚とも最高なんです!!1stではポストスローダウン・スラッシュメタルを誤読したロブの真性メタルゴッドぶりが全くもって消えきらない、収録曲の半分くらいは「PAINKILLER」の続編としてプリースト名義で出しても問題のないようなことをやっておりました。いろいろ詰め合わせの「MUTATIONS」を経てのこの2ndは、ソングライティングの段階からロブ以外のメンバーが参加して、若い感性からしか出てこないエキセントリックなヘヴィリフが大量に楽しめる上、そこに乗るロブの歌メロは乱暴なまでにストレート&キャッチー。しかも低くうめいてばっかりじゃなく例のハイトーンも割とよく出てきます。PANTERAが「COWBOYS FROM HELL」以降メロディックな要素を削らずにへヴィ化に成功したとしたらこうなっていたかも知れないというような、特別なキャパを持ち合わせた内容になっていると思うんですが、いかがでしょうか?当時のそこらの百凡のヘヴィリフバンドにこんな思い切ったことをやる奴はいなかった気がしますよ。ロブの喉のキャラクターと年齢を超越した気迫がそのまま作品の良さにつながってるという点で、当時よく言われた「わざわざロブが今更やらなければいけない音楽ではない」という評価の逆だったと思っております。スコット・トラヴィス(Ds.)はカッコイイし。500円で買えますから全員どうぞ。

  4月6日
収穫はなし。今月に入って何も買ってないから初めて見る人にはこれ意味判んないですね。あの〜、釣りの浮きを集めてます。嘘ばっかつこう。俺の言うことは半分が嘘で半分が出任せと酒井康は言った。SUFFOCATION/NAPALM DEATH日本ツアーの名古屋公演がもう来週月曜です!Breeding the spawn!!!!

【只今のBGM:JAN JELINEK「AVEC THE EXPOSURES LANOUVELLE PAUVRETE」】


2003年~SCAPE。フロアに連れ出さないインドア・クリックハウス〜エレクトロニカですな。ジャズを自然に噛み砕いた音の配置/分担センスと和声感覚を背骨の髄にもって、~SCAPEらしいポスト・ダブな音響処理やTARWATERに通じるあやしいヴォーカルも盛り込んだ、都市時間的な音象作品です。ベッドルームあるいはカーステ、ウォークマン向けのパーソナル・リスニング・オリエンテッドな仕上がり。別名義GRAMMでも「PERSONAL ROCK」というアルバムをリリースしてますから、そういうコンセプトを持った人なんでしょうか。変わらないようで変わり、引っ掛かるようで流れ、意外とコシの強いビート感は譲らず、和み過ぎず泣き過ぎず寡黙でもない、快い距離感のもとで対峙(というより同席に近い)出来るような作り込みがされてるのが非常にヨロシイです。TRIOSKとの競演盤も良かったしこの人凄いな。

  4月5日
収穫はなし。サクラ散るよとか花びら舞い散るとか本当うっさいなーと思いながら、今日は何分咲きかいなと通りすがりの校門や公園の桜を人並みにチェックもします。強制的な多幸感についてはその意義を考えて変に疑ったり抗ったりしないことにしてます。カロヤカに折り合いをつけていくしかない。"Dancing Queen"のイントロはもうしょうがないじゃないですか。

【只今のBGM:CAPTAIN BEEFHEART「SHINY BEAST(BAT CHAIN PULLER)」】


昨日から微妙に関係あるラインでいきましょう。79年VIRGIN。1年後の「DOC AT THE RADAR STATION」が完全ポストパンク/ニューウェイブ指向の内容だったからこれも大差ないだろうと思っていたら、意外にも全然!フォークブルーズやソウルファンク〜フュージョン、あるいは直球でプログレっぽいものを主な下地として、捻じ曲がった整然性でもって緊張感の高い混沌を創出するザッパ的手法が全開。ハーモロディック的アッパー闇鍋感は暴れ過ぎないように飼い慣らされてる感じです。隊長のノドはあれでしかあり得ないので結局どう聴いても隊長印なんですけど。次作への変貌の片鱗も随所で窺われるものの、1年差でこうも性格の違う、しかも名盤と呼べるアルバムを2枚完成させるのかと、もはや超常の域の才気に愕然。変態度は言うに及ばずキメキメ度がひときわ高いので、プログレッシャーには「TROUT MASK REPLICA」よりとっつきやすいんじゃないでしょうか。FRIEND/ENEMYやMAKE BELIEVEファンは当然必聴。

  4月4日
収穫はなし。思うところも別になし。

【只今のBGM:NEWS FROM BABEL「WORK RESUMED ON THE TOWER/LETTERS HOME」】


しりとりレビューになってます。HENRY COW組のクリス・カトラー、リンゼイ・クーパー、ダグマー・クラウゼに、ハープその他担当のジーナ・パーキンス(最近BJORKと絡んだりもしてますね)を加えた4人グループ。現代音楽とジャズロック/プログレの交差点にいたHENRY COWの肉体と隠れアヴァン知能犯諧謔ポップのSLAPP HAPPYの声の合体の末に派生したART BEARS、のほぼ後身がこのバンド、と一応無理矢理な説明をしておきましょう。キリのよい拍子にのって小節から小節へと進む西洋楽典的時間感覚を逸脱した現代音楽ベースの展開から、時にハードコアパンク寸前のところまで守備範囲に収め、そこに乗るダグマーの歌声でもって有無を言わさず情緒性と実験性の両立が達成されていたART BEARSの音楽を割とダイレクトに引き継ぎながら、より分裂症っぷりがハードになった進化型に姿を変えていてレコメン・オリジンの血筋の空恐ろしさを思い知らされます。しかしダグマーは1stのみで脱退、カップリング収録後半の2ndでは代わりに何とワイアット爺がほぼ全面参加!作曲の段階から彼の声を意識したのか、幾らかほっこりと牧歌的な作風に。サムラ〜AKSAK MABOUL的ユーモアも顔を出してなかなかハイテンションです。わかりやすいところ(ハッピー/カウ「DESPERATE STRAIGHTS」とかグリーヴス/ブレグヴァド/ハーマン「KEW RHONE」とか)から順を踏んで来ないとちょっと濃過ぎるかも知れませんが、平常心で楽しめる境地に至った後の悦楽は保証します。90年代以降のロックシーンに存在する前衛性に実はさほどの真新しさがないことも判るはず。

  4月3日
収穫はなし。その昔NUCLEAR ASSAULTの曲でhang the popeと繰り返したダン・リルカの心境やいかに。

【只今のBGM:JOAN OF ARC「IN RAPE FANTASY AND TERROR SEX WE TRUST」】


昨日の続きということで再結成後のJOAN OF ARCを。2003年の復帰第1弾「SO MUCH STAYING ALIVE AND LOVELESSNESS」から殆ど間を置かずにリリースされてしまったためあんまり話題にならんかった気がしますが14曲入りのれっきとしたフルアルバムです。内容はやっぱり「SO MUCH〜」の双子的な、酔拳≒前衛・アメリカン・フリーミュージック。フォークもブルーズも音響ノイズも全部断片化してガタガタに貼り合わせた新世代のクラウトロックですわこれは。ReRから出てても何ら不思議はないが変態アメリカン専門PERISHABLEからのリリースも正しいっすね。ここまで暴虐の限りを尽くしておきながら最終的には歌ものということにしてしまうティム・キンセラはホント無茶苦茶な才能です。しかもいつもどおり順列組み合わせ的な平坦なメロディをなぞってるだけで。エレクトロニカやフリージャズまで手を伸ばした痛快な大名盤最新作「JOAN OF ARC, DICK CHENEY, MARK TWAIN...」に比べるとややシブめの仕上がりとなっておりますけども、ティム兄は変態ならば変態なだけ良いというファンには全く問題なし。むしろポスト何々とは言わずに、質の高い形骸より最新型の新鮮を求める現役プログレッシャー諸氏にこそ聴いて頂きたい。超お下劣なUSフォーク版OPUS AVANTRA、笑い上戸のスッ転びNEWS FROM BABEL、そんなとこで。

  4月2日
収穫はなし。昨日書いたことは全部本当でした。「いくつかは本当で、いくつかは嘘」がウソ。それぞれに関して補足する余地はゴマンとあるんですが、キリがないのでまとめて割愛。

【只今のBGM:THE ROLLING STONES「BLACK AND BLUE」】


76年作。最近初めて買ったストーンズのCDでございます。まずズバズバとワイルドな構図のジャケがいいですね、イデオロギー解体に向かうパンク以降の価値観を先取りしとるようです。このジャケと年代だけを見込んで買ってみたんですが、内容も(初心者な自分にとって)当たりでした。ソウルファンク、レゲエ、ウエストコーストバラードなどを尻軽に拝借しまくったスカスカサウンドは正に不良、ヤンキー。凄いアメリカナイズされてますね。圧倒的なカリスマ性を不動の軸としつつその時々のアツイ音楽からの感化を新しいロックへの代謝に変えていくこのフットワークが、マイルスに例えられたりするのは既によくあることでしょうか。こっちの方がもっとノリ一発で全部決めてる感じですけども。ともかく世間で言われてるストーンズ像が端的に表れた作品で良かったです。単純にカッコイイですし。なんか変に気張るヘタウマヴォーカルと人を食ったアンサンブル構築がたまに再結成後のJOAN OF ARCを思わせもする気がしますよ。

  4月1日
▼サイズ30cmの靴も履く(1)。鉄道の踏み切りを初めて渡ったのは高校2年のとき(2)。HELLAのザックと手の大きさがほぼ同じだった(3)。改名前までのTM NETWORKのスタジオフルアルバムおよびミニアルバムは全部持っている(4)。今25歳で、バナナレコード歴10年(5)。ドン小西を見た(6)。ジローラモを見た(7)。BURRN!の広瀬和生は2回見た(8)。二重跳びも逆上がりも出来ない(9)。川島なお美は姉の高校の先輩(10)。ラジオ体操第2はだいたい耳コピ済み(11)。バンドで初めて人前で演奏した曲は"Livin' On A Prayer"(12)。BURRN!編集部によるラジオ番組「HEAVY METAL SYNDICATE」にかつて存在した『宛て先ミュージック』というコーナーでオリジナル作品が全国にオンエアされたことがある(13)。収穫はなし(14)。いくつかは本当で、いくつかは嘘です。おめでとう4月1日。全部あてた人には特製・犬イラストポストカードでも進呈致しましょうか。

【只今のBGM:DEF LEPPARD「PYROMANIA」】


毎年この日は「foolは"バカ"に非ず、他動詞"騙す"なり」とツッコミたい瞬間が度々あり、ついでにあの「フ、フ、フ、フーレ〜ン」を思い出してしょうがないので、何年か振りに聴いてしまいます。といってもほとんど全分全秒記憶してるなあ〜。10代前半とかで聴いたCDってこういう風ですよね。さて83年、ジョン・"マット"・ランジによるプロデュースで世に放たれたこのHM/HRアンセム、当時のアメリカ人の嗜好からいって"Rock Rock"〜"Photograph"という冒頭の流れは完璧以外の何者でもなかったんでしょうな。しかしその後にブリティッシュな泣きとアメリカナイズされた爽やかさをソバメシの如く一度に味わえるアップテンポの大名曲"Stagefright"が続くのがこの盤のいいところ。昔は凄くフラッシーに聞こえたフィル・コリンの速弾きは今聴くと意外と普通だけど。更にPARADISE LOSTばりに暗い"Too Late For Love"、アタマ4曲が完璧なら名盤と呼ぶに充分です。そうこの時期のDEF LEPPARDはまだ初期の暗い湿り気が色濃く残ってるのがポイント!エレドラ導入、マット・ランジによるコーラスワーク/オーヴァーダブなど、後にバンドのトレードマークとなる新要素が沢山盛り込まれてはいるものの、楽曲的には完全US指向でいった「HYSTERIA」と実は天地の差であって、むしろ双子の片割れとすべきは大傑作2nd「HIGH'N'DRY」の方であると。不穏な緊張感漂うアルペジオに、3度を多用するメロディックで神経質なリフ、これ正にQUEENRYCHEの系譜の原点じゃないですか。派手&バブリーなヴィジュアルイメージでぼかされちゃってますけど。件の"Foolin'"なんか本当に「OPERATION:MINDCRIME」に入ってても全然おかしくない出来なのに何故(BURRN!の編集者は)誰も指摘しない?プログレだなんて嘘、全盛期QUEENSRYCHEは変拍子を覚えた初期DEF LEPPARDである!ホラ"Rock Of Ages"のシンセ感なんかそのまんま「RAGE FOR ORDER」の世界観っすよ。それでもQUEENSRYCHEがあんなにQUEENSRYCHE然としているのはひとえにジェフ・テイトのアクの強さゆえですな。ああどんどん関係ない方向に行ってしまう、とにかくこのアルバムで明るいのはトップ2曲と"Action! Not Words"だけであって残りの大半には80年代硬質HMの燦然たる雛型が隠されている、ってことで歴史的意義付けを新たにしませんか。メタル入門希望の方は聴いといた方がいい作品です。

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