物色日記−2007年5月

※頻出語句解説はこちら
  5月30−31日
▼いつの間にか5月も最後の日じゃないですか、本日の収穫、STIFF SLACKにてURTHONA「RANTING TEETH IN SPACIOUS NON」、SHELLAC「EXCELLENT ITALIAN GREYHOUND」、ヤマギワソフト・ナディアパーク店の叩き売りワゴンからROY HARPER「STORMCOCK」「LIFEMASK」(ともに新品700円)、JEFF BUCKLEY「LIVE IN CHICAGO」(DVD、新品1200円)。その後はもの凄いしょぼしょぼな過ごし方をしてしまった。あ〜昨日は、初めて拝見したELECTRIC EEL SHOCK最高でしたね。逆輸入のそのまた逆輸入てな感満点で楽しいったらなかったですわ。バスタード!PANICSMILEの新作はきっと大名盤なのでそのうち買わねば。それにしてもEESファンの皆様のお陰で、THE HAUNTEDやBLACK SABBATH(しかも「CROSS PURPOSES」)のTシャツを着た方々の前で演奏できたのはいい体験だったな〜。

【レビューは明日頑張ります。】

  5月29日
収穫はなし。おー明日はライブ。いつの間にか名古屋は半年振り。「ナゴヤー!久し振りー!」とか言えてしまいますな。遂にクソ下らない自虐笑と動物の発情期の話くらいしか書くことがないとは、この日記もおしまいです。なんて書いてたら微妙にシロクマ澤田君の日記とも被ってしまった。「もしかして、この日記をヤメにしたら、毎日どれだけの時間が解放されることだろか?」と何度考えたか判りませんが、続けることに意義があるみたいなので続行中です。

【本日のレビュー:ROADSIDE MONUMENT「I AM THE DAY OF CURRENT TASTE」】


ポストハードコア/マスロックの素晴らしき古典。中心人物のダグ君は現在PATROLでムキムキと頑張ってます。去年くらいにmyspaceからPATROLのTシャツ注文してPayPalで支払ったのにまだ送ってこねーよダグ君!さておき、J.ロビンス録音のこの3rd、SLINTを筋肉質にしたような陰湿ガッツスタイルからいきなり「THE OUTER LIMITS」期のVOIVODを思わす変態テイスト(BASTROやPITCHBLENDE経由かも知れませんが)が俄然濃くなり、変速展開ガクガクな上にギターリフがとにかく分厚く、いびつな巨大建造物がズゴゴゴと走ってくるかのような圧迫感にやられます。 ドンキャバのデイモンのSPEAKING CANARIESに通じるメリハリハードロッキンなリズム感覚も。で抑えの効いたパートではやっぱりCODEINとかが匂ってきますねー。こういう風変わりな和音やアルペジオってなんかいい感じだよね、てな調子でやっているようなこれ以降の若手達だと、どうも雰囲気もの感が強くなってしまって、CDで買うまで至らないことが多いんですが、オリジネイターに近い世代はやっぱりドラマ力(?)があるというか、語り口の粘っこさが違います。うーむ名盤。

  5月28日
収穫はなし。ムラムラした野良猫がたった今、近所で猛烈に鳴いてます。いっつも声ばっかり聴こえてくるけど、どんな表情してあの声あげてるんでしょうね。何かいまの文エロかったですね。

【本日のレビュー:SUFFOCATION「SUFFOCATION」】


2006年、USテクニカルブルータルデスの草分けとなったベテランバンド、復活第2弾となる通算5枚目のフルアルバム。ここへきてセルフタイトルを冠してくるとは。内容の方は更に円熟に磨きがかかり、激重・激速・極悪の中にもワビサビを心得たオトナのブルータルスタイル。スイスイスイ〜とテンポ良く流れていくだけの薄味な若手と全然違って、いちいち心に引っ掛かるキメやブレイクパートを惜しみなく投入、その世界観はもはや深遠だとか神的だとか言ってしまいたいほど。スポーツじゃなくて芸術してます。素晴らしい。若干メロディック化してるのは新機軸ですが、これも「ベテランはこうやってリフレッシュしていくのか」という感じでポジティブに聴けます。デスメタルどうかなーと思って××とか××とか買ってみたけど、超常現象の展示会みたいでちっとも音楽に聴こえなかった。という人がもしいたら、次はSUFFOCATIONをお勧めします。いつになく生々しいドラムサウンドも含めて大名盤。

  5月27日
収穫はなし。ハトのオスがメスを口説いてるとこを最近よく見ますね。首のあたりをムクッと膨らませて、あやしい足取りでタタタタとつきまとっている様子がなかなか愛らしい。大抵は「来ないでよッ!」とひたすら避けられてるところばっかり目にするんですが、今日はクチバシの先をツカツカとやってキッスーしちゃってる奴らもいました。あれは事の前だったのか後だったのか…

【本日のレビュー:THUNDERHEAD「CRIME PAYS」】


「何となく聴き返したくなった」「いつか全曲覚えるくらいにじっくり聴き込もうと思っている」というのを大切にしようと思いまして、今日はこれ。ティーンエイジャー時代から付き合っている私の心の音楽です。リック・デリンジャーとかをムチャクチャ上手く歌ってしまうNY出身荒くれヴォーカリストと、哀愁と洗練を覚えたMOTORHEADみたいなドイツ人3名が、ハノーファーで出会ってしまったというバンドの91年作です。彼らは全作品最高なのですが、洒落の効いたソングライティングの妙を堪能するならこの盤が一番。メタルか?ガレージか?ハードロックか?という80年前後頃にしか存在しなかった貴重なニュートラル感(というより「ロックとしか言えない」感じ)をごく自然に体現し、BPM160くらいで軽快に飛ばすガッツリチューンあり、刺青男の内なる悲哀をグワグワとブチまける湿り系ありで大充実の展開なのです。中でもやっぱり本編ラスト前の"Life Is Only A Goodbye"の「涙をぬぐった後の一人外周走り込み感」は、いつ聴いても「こんな名曲ないよな〜」と思ってしまいます。パワーコード一辺倒でない粋なギターワークも冴えてて、FOO FIGHTERSの最新作あたりとそう違うとも思えん。「全員買い」です。

  5月26日
ありがとうございます、管理人の所属しておりますバンドDOIMOIはこの度、FUJI ROCK FESTIVAL '07「ROOKIE A GO-GO」への出場が決定致しました。感想をうまくオーガナイズできないので箇条書きにしようかと思って、それはやめておきました。遠足気分からマネージャー的思索まで一度に襲ってくるわけですが総じて「楽しみ」と言えるのでして、普段どおり「やってきます。」以外何もないといえばないわけで、結局これはごく普通の感想ですね。ともかく常に然るべきようにやって参りますので、よろしくお願いします。

▼あ本日の収穫、バナナ名駅店にてDVDでJUDAS PRIEST「ELECTRIC EYE」(ビデオクリップ集+「PRIEST...LIVE!」の映像版+BBCでのライブ映像)。

【本日のレビュー:WHITESNAKE「LIVE...IN THE HEART OF THE CITY」】


80年と78年のハマースミス・オデオンでのライブ音源を収めたアルバムです。何といってもジャケがいい。ダブルネックのSGを構えるバーニー・マースデンの笑顔、あやしい帽子を被って後方に鎮座するイアン・ペイス、勿論デイヴ・ムスティンばりにクチビルを四角に開いたデビ・カバも。ガチガチになりきらないハードロックが改めてブルーズ帰りを志向しかけたようなこの頃の音楽性こそ彼らの本領ですな。散々言われてることですが、代表曲"Fool For Your Loving"なんかはスティーヴ・ヴァイ時代のリメイクより断然風情に勝ります。名人ミッキー・ムーディが添えてくる小技もイアン・ペースのクルクル転げるドラムも、ほんと上品に酔わせてくれます。そしてマーティン・バーチの録音は素晴らしい。特に後半の78年の音源。"Lie Down, Stay Down"で快活に躍る左右のギターがこの上なく生々しくて最高。ラストは11分近くにも及ぶ"Mistreated"で大サービスのシメということで、買わねばと思った人は生きてるうちに買って下さい。

  5月25日
▼こんばんは。大学時代の専攻は経営学科でございましたが、きっと今、教材として授業で取り上げられていることだろうと思っている製品は「ファブリーズ」や「ビオレ」です。

 いずれの品も、「漠然と何でもニオイを取る」「漠然と子供の肌にやさしい」という、ありそうでなかった潜在需要を徹底的に狙い撃ちして、具体的なシチュエーションごとの使用パターンを、テレビCMを通してかなりピンポイントに、マメにネタを変えつつ継続的に提示。余りにしつこくてわかりやすいので、遂に消費者は「ファブリーズする」「ビオレママになる」などのように、目的と商品名がダイレクトに結びつく新たな思考言語(≒行動のいち選択肢)を自らの中に育て上げることとなり、それが不動の排他的ブランド力となるという、ニッチ戦略のやり口を体現した例として最適かと思います。

 これ実は「人心とはいかにちょろいものか」の例じゃん。と今日はちょっと立ち止まってみたのでした。ファブリーズもビオレもその実効性を身をもって確認したことはないですが、自覚のないまま商売に騙されたりはしないように重々用心したいもんですよね。そんな時世、商売の中にも確かな良心を忘れぬプロフェッショナルな生き様で気を吐くモンテールが大好きです。メロンの次は何かな。収穫はなし

【本日のレビュー:WARTIME「FAST FOOD FOR THOUGHT」】


深く聴き込んでいない門外漢にゃ何がそんなに悪いのかわかりませんが、「コイツが入ってBLACK FLAGは腐った」と真剣なハードコアリスナーからはめっぽう悪者扱いのヘンリー・ロリンズが、一瞬だけやっていたユニットの唯一のリリースがこれです。90年CHRYSALIS。レッチリやFISHBONEあたりから波及していったと思われる80年代後半の「あくまでロックが足場の無責任ミクスチャー・ブーム」に、何とこの人も乗っかっていたのですね。しかしこれがムチャクチャかっこいいんですわ。ボギボギに歪んだ上にワウみたいなのまで掛かったベースがひたすら単身でリフを刻み、いかにも不健康な16シャッフルに乗せて悪辣なアジテイションが炸裂しまくる、ジャンクなハードコア・ヒップホップです。INFECTIOUS GROOVESや、もっと先取ってKORNみたいなのをもろ想起させつつ、UNSANEやそれこそ昨日ご紹介したBARKMARKETと同列にも聴こえるという驚きの内容。初期APHEX TWINのような気恥ずかしさをポジティヴに楽しむことが出来ればきっと心に残る名盤となることでしょう。曲ごとの違いというものがほぼ見当たらないのが難といえば難ですが、全4曲なので「飽きたか?」と思った頃には終わってくれます。未開封200円でゲットできたのは最高だったなー。是非安値で探しましょう。

  5月24日
収穫はなし。案の定熱でダウンして、一日中BARKMARKETばっかり聴いてました。

【本日のレビュー:BARKMARKET「VEGAS THROAT」】


92年リリースのメジャーデビュー作です。プロダクションこそ軽いものの、96年の金字塔「L RON」と比べても全く差のない世界観が既に大成されておりますですね。80年代アングラ・ジャンク・ハードコアが往々にして孕むアーシー感と、LED ZEPPELINの生き写しともいうべきセクスィ〜な揺らめきとが一つになった音楽性で、オールドロック礼賛傾向が濃厚だったグランジブームの機運と奇跡的に乗り合わせてしまった、90年代前半の偉大すぎる遺産です。ロックの色気というものをここまで強烈にわしづかみしてしまった人達もそういないんではないでしょうか。楽曲然とした部分のつくりだけでなく、音響面(特にノイズの飼い慣らし方)において非常に強い拘りが感じられ、色んな人の音源を聴いてこのスタイルが出来上がったというより、耳と直感で叩き出してしまったという雰囲気です。それゆえ10年以上経った今でも「他ならぬBARKMARKETの音」として振り返りたくなる完成度をもつわけですね。現在どれもこれも入手困難というのはおかしい!DEF AMERICANはとっとと全作品再発するか、どこか良心的なレーベルがコンプリートBOXでも作っていただきたい。辛うじてこの盤は(ジャケのしょぼさ故か)時々中古でも見かけるので、出会ったら即ゲットで。

  5月23日
収穫はなし。姉→母とうつってきた風邪に遂に潜入完了されまして、普段より少しあったかくなっている筆者です。横になったらすぐ寝れる。そんな最中、途中で落ちたらアホそのものなので触れるのを控えていた「フジロック2007 "ROOKIE A GO-GO"の一次選考(50/1500組)にDOIMOI通過」の件を、既にちょいちょいと話題にしていただいているようなので、パリッと鮮やかに要約していただいたフリーマガジン「SCHOP」ブログの該当ページをリンクさせて頂きます。特に中段「そんなDOIMOIの5月・6月のライブ情報です。」以下必読!お取り置きはこちらまで!そして最終結果は、公の発表日である27日に、責任をもってお伝え致します。

▼私事ですが(全部私事ですが)姉が女の子産みました。

【本日のレビュー:MESHUGGAH「NOTHING」】


今や最も来日が望まれる異次元アートメタルの旗手・MESHUGGAHの4作目の、リミックス&一部差し替えが行われた新装版。全部なのか限定盤のみなのか、手元にある品はスリップケースに入った2枚組です。1枚目の内容自体は過去にレビュー済み。リミックス所感のみ書きますと、ビフォー→「ギターの中域を極度にカットして低音もあまり前に出ず、ドラムを中心とした拡がり重視の音場」、アフター→「ギター・ベースがぐびぐびとめり込んで来る硬質な壁サウンド」といったところでしょう。アフターの方が俄然、トリッキーなポリリズム(およびそれを支える常軌を逸したタイトさ)が直接ボディに効いてくる感じです。どっちを買えば良いかと言われれば、「ファンなら両方」としか言いようがありません。初めての方は、ドラムを軸に聴きたいか、リフを軸に聴きたいかで選んで、ゆくゆくは両方買って下さい。

 で2枚目の方はというと、ライブ映像およびビデオクリップを収めたDVDとなっております。まずライブの方は、カットの切り替えが頻繁すぎて全く各人の動きっぷりに集中できず、ただの雰囲気もののようになってしまっているのが至極残念。しかしヴォーカルのイェンスが非常に的確に頭を振っていたり(見てるこっちは全然パターンが解読できなくてイライラする…!)、弦楽器3人の上体全部を90度近く揺らすヘッドバンギングがワイルド過ぎたりと、おおーこんなんかこんなんか、という現場の様子は伝わります。というかこれだけアグレッシヴなパフォーマンスをしながら完璧な演奏で通しているのが驚異的。少しの狂いも許されないコンポジションなだけに、妥協なく突き詰めれば確かにこうなるんでしょうな。最近の曲はほんと、現代音楽としても通用しそうです。後半収録のビデオクリップの方はというと、WINDOWS MEDIA PLAYERで音声ファイルを再生したときに自動的に流れるような、この空間どこまで行くの〜?みたいなCG映像。派手に踊るイェンスの姿をフィーチャーした"Rational Gaze"はちょっと前のiPodのCMみたいです。全員が各自のエア・楽器をビタッと熱演する"New Millennium Cyanide Christ"は「RARETRAX」にも収録済みでしたが、やっぱり笑えます。3分過ぎのブレイクからソロに入る瞬間が最高。ということでこちらも「ファンならば何故買わない?」という内容でした。

  5月22日
本日の収穫、ヤマギワソフト・ナディアパーク店にてPSYCHIC WARRIOR「PSYCHIC WARRIOR」(エルトン・ディーン新ユニット、未開封500円にて)、PARADISE「LIGHT THE FIRE」(ex.LOVERBOY、未開封500円にて)、WARTIME「FAST FOOD FOR THOUGHT」(ヘンリー・ロリンズ、未開封200円)、あとRELAPSEから通販で購入のBURNT BY THE SUN「THE PERFECT IS THE ENEMY OF THE GOD」、MESHUGGAH「NOTHING」(リミックス、2枚組仕様)、SUFFOCATION「SUFFOCATION」。フレッシュなレビューネタを仕入れたのであと数日は助かります。切れたらマイナーメタルで。

【本日のレビュー:BURNT BY THE SUN「THE PERFECT IS THE ENEMY OF THE GOD」】


元HUMAN REMAINS〜DISCORDANCE AXISのデイヴ・ウィッテ(ds.)率いるオーヴァーインテンス・スキゾ・コア・シット!こちらは2003年にリリースしていたフルアルバム。オーソドックスなニュースクール〜ファストコアスタイルを踏襲しただけのような場面でも充分サイコに聞こえてしまうのはもはやこちらの先入観ゆえか?いや、実際何かが匂うんだと思います。末期にはユニークなケイオティック路線を極めたDISCORDANCE AXISから一旦リセットして、ここではリフ一発の強度を徹底的に鍛え上げたような筋肉質の仕上がりに。そのスジ独特の噛み分けポイントをたしなんでいなくても、向こうからグワッと食ってかかって来られるような音なので、変な言い方をすれば「PANTERAばりにキャッチー」です。こうやってエクストリーム・ミュージック界での錬金術の成果が少しずつ一般開放されていくのですね。どうも親日家っぽいのでとっとと来日してもらいたいです。

  5月21日
収穫はなし。昨日の日記、なんと肝心の画像のアップロードが失敗していたことに、今日の夜になって気がつきました。今は対処済みでちゃんとオチてますので、昨日あーあと思った方はいま一度ご確認ください。スニーカーきたねーっすよね…。

【本日のレビュー:BUDGIE「IN FOR THE KILL」】


METALLICAにカヴァーされたことで名前だけ有名なB級ブリティッシュロックバンド・BUDGIEの74年作です。すっかりメタル新時代の洗礼を通過した82年作は過去に紹介してありました。この頃はこの頃でDEEP PURPLEやURIAH HEEPがプロト・メタルを提示し、JUDAS PRIESTもデビュー済みというタイミングですので、もうそれなりにガチガチきてます。単なる「ツェッペリンの硬化版」に収まらないガッツィーなハードロックを、思い込みいっぱいに体現するグレイトな内容。まさにIRON MAIDEN前夜といった奥ゆかしい温度感がマニアにゃたまりません。特にA面ラストを仰々しく締めくくる大曲"Zoom Club"なんぞは全時代通じてのメタルの名曲にカウントされてもいい。いやーBUDGIE、聴くべきでしたね。頑張ってコンプリートしたいと思います。

  5月19−20日
▼大学時代、バンドサークルで、結婚式の二次会で使うような演奏スペースありの飲み屋みたいな所で年に2回くらい、飲み食いしながら適当にコピーバンドを組んでライブをするという恒例内輪イベントがありまして、その店が来月に閉店となってしまうということで、19日はOBが結集してのフェアウェルパーティー(?)が行われたのでした。自分の入部当初は凄い変な先輩ばっかりだったと思っていて、そう思い続けるうちに、記憶の中だけでそのイメージが余分に熟成していたのではないか…という疑いがあったのですが、実物の皆さんに再会したらやっぱり変態揃いでした。恵まれた環境で育ったものだなあ。と感慨しきり。着ていったDIOのTシャツに(「うわー凄い絵のメタルTだね」とかではなく)ちゃんと「DIOだね」と的確なツッコミをもらえるありがたさよ。

▼まったく話変わりますが、交差点付近の歩道上によくあるポール、あそこに人知れず技術革新がもたらされていたことを今日知りました。

やわらかくなってる!

【レビューはまた明日。】

  5月18日
収穫はなし。今日のおすすめは森永「とろふわ抹茶プリン」です。同「カスタード」や「ロイヤルミルクティー」と比べても抜群にいいです。

【本日のレビューその1:VINNIE VINCENT INVASION「ALL SYSTEMS GO」】


82〜84年という短期間だけKISSに加入し、歴史的な「メイク落とし」の瞬間にも立ち会ったギタリスト、ヴィニー・ヴィンセントがやっていたプロジェクトの88年2ndです。ヴォーカルは後にSLAUGHTERを結成するマーク・スローターが全面参加。ベーシストも同じくSLAUGHTERに行く人みたいです。雑誌の「80年代の定番メタルアルバム」みたいな特集で時々見かける品で、手元にある盤も2003年の24ビットリマスターだったりします。未だメタルファンからの評価は手厚いようで。内容の方はといえば、「PYROMANIA」の頃のDEF LEPPARD、RATTやMOTLEY CRUE等々のスタイルを丸々流用した、いわゆるヘア・メタルの王道中の王道。88年というタイミングで先達をよく研究しているだけあって、さすがに鉄壁の完成度を誇りますが、何もかもがソツな過ぎて、わざわざ存在する意味がわかりません。「80年代のメタル熱よもう一度」とかいってこういうアルバムを勧める人は、これと全く同じのをあと1000枚聴いても幸せなんでしょうか?せめて無駄にゴージャスなシンセが入っていたり、ドラムが時々みっともなくモタったり、えくぼ的なポイントが欲しかった。まだ80年代メタルの道に分け入っていない人が、その何たるかを知るには恰好のサンプルだと思いますが、私としては「いつまでもこんなことやってたからメタルはダメになったんだよ。」と虚しくなる教材でした。あ、SLAUGHTERファンだけは多分必携ですね。ジョー・エリオット+トム・キーファーて感じの無理矢理なハイトーン炸裂しております。あと、これで青春を過ごしたという方すいません。リアルタイム愛に勝るものなしです。

 余談ですが、裏ジャケのメンバー写真を見て、「ギャル男」との意外な共通点に気付きました。知らず知らず時代は廻るものですね〜。

【本日のレビューその2:STENTORIAN「GENTLE PUSH TO PARADISE」】


打って変わってこちらは100%エクボなオランダ産マイナーデスメタラー。ひでージャケだなーと思いつつ、もしやという期待もかすかに抱いて試聴だけしてみたら、これが意外に面白かったのです。だいたい無名レーベルの通し番号001番の作品というものは、「これを出したくて…」という重みが込められたユニークな作品であることが期待できるわけですよ。でこのバンドは、96年当時蔓延していた(むしろピーク終了気味だった)インダストリアル・メタルのカクカクした感触をフィーチャーし、ドッシリとスローダウンした、METALLICAでいえば"Sad But True"や"Leper Messiah"みたいな曲ばっかり集めたようなマッシヴ・メタルになってます。切り込んでくるメロディがかなり屈折したもので、迷惑系変態ゴシック好きの私にはど真ん中!「BLUT」でがっつりスローダウンしたATROCITYといい、グレゴリオ聖歌を取り入れてしまったORPHANAGEといい(半分MESHUGGAHのパクリだったけど)、90年代中盤はこういうキャッチーなりズムであやしいことをするデスメタルのいち流派が形成されつつあったのに、残念ながら大きなうねりにはなりませんでしたね。あーこの、余韻をひく、(確信的に)形の悪いデザイン。最高だ。DISPLEASED配給でJACOBIBERGという聞いたこともないレーベルから出てますが、多分今や入手は困難でしょう。もし中古で見かけたらスッと拾ってあげて下さい。

  5月17日
収穫はなし。相変わらずスウィープの練習に励んでしまっています。使うときねーよ、と自分にツッコミつつも…。しかし隣り合わないフレットめがけて高速で指先を飛ばす訓練になるので、比較的言うことをきかない薬指がいい加減なところを押さえてしまうなどのミスが減る気がします。とりあえずイングヴェイの"Liar"のソロ導入部のお城を、20代のうちになんとか陥落したいところです。

【本日のレビュー:COWS「WHORN」】


うーんシブイ。AMPHETAMINE REPTILEの隠れ名バンドCOWSの96年作。以前のレビューでも書いていたとおり、ここのベーシストはその後MELVINS〜TOMAHAWKのメンバーになっています。内ジャケのクレジットでも4人中一番上に名前がありますから中心人物だったんでしょう。内容は相変わらず80年代後半のTOUCH AND GOリリース諸作を思わせる酩酊ブルージー・ジャンク・パンク。だらしないNOMEANSNOなんて例えがシックリ来ますでしょうか。プロダクションが向上してドボッとヘヴィな音に仕上がっているため、TRAINDODGEばりのヘヴィネスも効いてます。唐突に絡む管楽器がまた最高。「めっぽうデロデロしているけど下手にそそのかすとムチャクチャ喧嘩の強そうな酔っ払い」みたいなこの怠慢かつ濃厚なグルーヴ、一朝一夕で仕込めるもんじゃないですね。憧れます。

  5月16日
本日の収穫、サウンドベイ上前津にてDEAD CHILD「DEAD CHILD」、COWS「WHORN」(AMREP!96年作)、FLOTSAM AND JETSAM「DRIFT」。あとの2枚は525円にて。上等そうなロードバイクにまたがった知らない男性が、すれ違いざまに「しょっぼい街乗りちゃん、お先に」と言わんばかりの変なチラ見とともに後ろから追い越していって、出れば逆走になる車道にも颯爽と躍り出て(法規違反)、赤信号につかまっているところにあっさり追いついてやった時は「へッ」て思います。以上、今日は卑小な感じでいってみました。

【本日のレビュー:DEAD CHILD「DEAD CHILD」】


元SLINT〜TORTOISE他々の生けるルイヴィル伝説男、デイヴィッド・パホが、こともあろうに新たに立ち上げてしまったメタルバンドのデビューEPです。いつの間にか出てたんですね〜。SHOPPING NEWSのメンバーとなったトッド・クックもいます。さて音の方ですが、実に晴れやかでないNWOBHM〜初期スラッシュサウンドが基調。おーマニアック!ダウンチューニングのエグさを前面に出して、HIGH ON FIREがSAMSON(こちら参照)化したかのような、実にシブいところを突いてます。ヴォーカルは80年代アメリカによくいた怪しいハイトーン系で、それもあってか時々AGENT STEELすら脳裏をよぎる。しかし録音はインディロック然とした部屋鳴りそのまんま系だし、NWOBHMの破天荒なエネルギーはそもそもパンク由来の成分も多いことだしで、非メタラーが受け容れやすい形でメタルの特殊性(ガチガチキメによる音圧、狂ったように大仰なヴォーカリゼイション、etc.)をうまくフィーチャーしているのがさすがです。AC/DCのTシャツのように可哀相な消費のされ方をするかも知れませんが、それをきっかけにアングラメタルのクールさに触れてみようという人が多少でも現れてくれればいいんじゃないでしょうか。WOLFとかを分かっていただけるシブメタラーにも普通にお勧めです。それにしてもラストの曲はまんま"Into The Void"(BLACK SABBATH)だけどいいのかね。

  5月15日
本日の収穫、バナナ名駅店にてMSG「PERFECT TIMING」、STENTORIAN「GENTLE PUSH TO PARADISE」。

【本日のレビューその1:MSG「PERFECT TIMING」】


「SCORPIONS」〜「UFO」を経て80年代から自身のグループを率いたドイツ人ギタリストの「マイケル・シェンカー」、といえばメタラーじゃなくてもご存知の名前でしょう。いきなり余談ですが、この人は「MICHAEL SCHENKER GROUP」というアルバムを1枚と、更に「M.S.G.」というアルバムを何と2枚作っているという、アルバムタイトルに非常に無頓着な男なのです。非省略表記と頭文字表記で1枚ずつならまだしも、全く同じ「M.S.G.」をどうして2枚も作れたのかといえば、ここにメタラーだけが知っている補足トリビアが潜んでいるわけですね〜。すなわち2枚目の「M.S.G.」は、ロビン・マッコーリーというシンガーを迎えた後に作られたので「McAULEY-SCHENKER GROUP」の略なのです。

 ということで本日ご紹介するこちらの盤は、ファンからは何故か評価が低いマッコーリー=シェンカー体制の第1弾となったアルバムでございます。87年リリース。前任シンガーのゲイリー・バーデンも大概不甲斐ない歌い手だったんですが、まあ音楽的にかなり大衆化されているのがいけないんでしょうね。マイケルは失踪したり、ライブを中座して帰ったりと、繊細なハートの持ち主であるがゆえに奇行に及ぶことがしばしばあり、そんな彼の「鬼気迫る泣きソロ」が全開になるのをファンはいつも待ってるわけです。飼い慣らされたマイケルなんて全然ダメだと言いたい気持ちもわかります。しかしGRAND PRIXでも輝かしい偉業を持つロビン・マッコーリーのヴォーカルは全然悪くないし、DOKKENとSURVIVORの中間のような楽曲も普通にツブ揃いで、80年代ハードロックのいち名盤との評価を得て然るべき内容だと思いますがどうでしょう。BURRN!は中途半端なメロハーの新人を有り難がる前に、マイケルのソングライティングの才能がまっとうに開花したこの作品を正しく評してくれんかなー。特に後半7〜9曲目の泣き系チューン畳み掛けは壮絶!LIONSHEARTの1stあたりと同等の扱いは受けるべき。

 う〜む、メタラーじゃない人に読みやすいように書き始めたつもりが結局コアな方向でまとまってしまった。続きます。

【本日のレビューその2:STATETROOPER「2002」】


さてこちらは、初期MSGの看板シンガーを努めながらも、いまいち情けないヴォーカリゼイションで「歌さえこの人じゃなければ…」みたいに言われてしまう哀しい人ゲイリー・バーデンです。バンド脱退後に短期間だけ活動していたバンドの唯一のリリースに未発表のライブ音源を追加した盤で、タイトルは単に再発年を表しているのみですね。最近またちゃんとリマスターになったとか。確かにラジオのエアチェック並にひどい音ではあります(もともとかも知れませんが)。音楽的には先述の「PERFECT TIMING」とそう大差のない、キラキラシンセ満載のアメリカナイズド・メロディアス・ハードロックになっています。こちらの方が更にニセVAN HALENノリが強くてインチキ臭い。全曲メジャーキーで攻めるSHY、あるいはイモさ倍増のTERRAPLANEといった具合で、常軌を逸した赤面80年代モードにはもはや好感が持てます。というか大好きです。コマーシャルな成功を収める気まんまんのNWOBHMがお好きな方とか、超前向きな音楽ばっかり超好きという方にはとてもオススメ。あ〜"Armed And Ready"のライヴ音源が入っている…何とも言えませんですな。

  5月14日
収穫はなし。「なか卯」店内で流れているなか卯のテーマが、少し前から新録バージョンになってますよね。以前は「なか卯で、ン…ン…ンン…」と、まるで伏字の如く曖昧に歌われていた部分が、現行のものではバッチリハッキリしちゃってるわけですが、あれ深夜にフラッと食べに行きたい人には景気良過ぎてツライんじゃないかなーと思います。旧バージョンのユルさがよかった。

▼ライブ1件増えましたのでご報告です。トリオになってから一度も拝んでないURTHONAと昨年4月以来、葉っぱの裏側シスターズも去年の鶴ロック以来の共演でございます。

・6月27日 (水)
会場:名古屋 鶴舞KDハポン
時間:19:00開場 / 19:30開演
出演:URTHONA / 葉っぱの裏側シスターズ / DOIMOI
チケット:前売り・当日とも 1,500円

 あと今月末のこちらも引き続きよろしくお願いします!!

・5月30日 (水)
会場:名古屋 新栄クラブロックンロール
時間:18:00開場 / 18:30開演
出演:PANICSMILE / ELECTRIC EEL SHOCK / DOIMOI / ビビビビ / BOOKHOPE
チケット:前売り 2,000円 / 当日 2,500円(別途1D 500円)

 月報以下の存在と化しつつあるDOIMOIのホームページ、誰も見てないと思いますが、楽しい近況報告が時々書き込まれていますのでこちらもご覧下さい。

【本日のレビュー:RAGE「END OF ALL DAYS」】


いきなりですがドイツのRAGEです。4人編成での96年作。かなり屈折したセンスを発揮してバンドをジャーマンメタルの異端へと仕立て上げたマンニ・シュミット在籍時の作品も良かったですが、90年代型ヘヴィネス(というよりボールドネス)と開き直りの叙情メロを身に付けて、IN FLAMESが蒔いた種の行く末を予見したかのような(というか「WHORACLE」が97年だから先を行っていたともいえる)時流相応の開放型パワーメタルを聴かせたこの頃のRAGEはシュッとしてましたな〜。DARKSEEDみたいなオルタナ風エッヂありのパワー・ゴシック・スタイルにも通じつつ(「SPELLCRAFT」が97年だったからこちらもRAGEが先か)。あまりムチムチとメタリックになり過ぎてないギターサウンドも良い。収録曲が多過ぎてどれが名曲といった印象に欠けるのがイマイチな点ですが、冒頭の見事なワンツーフィニッシュをはじめ、だいたい全部名曲だと思います。きょうびの自家中毒メロスピにはついていけんわというシブ好みの御仁にオススメ…するまでもなく既に所有していらっしゃることでしょう。メロディックメタルは本当はきっとかっこいいはずだからいつかは聴いてみたい、という心の広い非メタラーにもお勧め。

  5月13日
収穫はなし。どこに行ってもツバメがビュンビュン飛んでますねー。腹が白いのでかわいい。

【本日のレビュー:JACULA「ANNO DEMONI」】


20年早かったオカルティック・チェンバー・暗黒ゴシックとしてマニアに重宝されているかどうかわかりませんが、とにかくそんな伝説のイタリア発プログレユニットJACULAの発掘音源集です。74〜78年に録音された5曲を収録。正式なフルアルバムとして唯一残されている「TARDO PEDE IN MAGIAM VERSUS」では、打楽器を排し、ほぼオルガンと女性ヴォーカルのみによって印象づけられるようなスタイルだったのが、シンセやドラム(といっても不気味な鼓動のようなバスドラと軽いパーカッションのみ)のフィーチャー度を大幅に上げ、まあ胡散臭さも増しつつ、かなりわかりやすくなっています。プログレ界においてはほとんど比べるものがなく、ELENDやAMBER ASYLUM、MONUMENTUM、ESOTERICなど90年代以降のドゥーム/ゴシックのノリ。変に陽気なシャッフルビートにダミ声ヴォーカルが乗るラストの"Soul Satan"は完全に蛇足でしたが…。アングラなユーロゴシックをこよなく愛する向きには、これが欧州人の血なのだと知る意味でもかなりオススメ。むしろ品行方正なプログレッシャーには圏外なのではと思われます。ご購入の際は無論「TARDO PEDE〜」とともにお願いします。

  5月12日
収穫はなし。見返してみると今月は、これまでに増して日記が薄いですな〜。それもそのはずという感じの生活なので仕方ないですが。いや、例えイベントに恵まれていようともその仔細を逐一開陳するような真似はしませんですな。思考が解放される時間帯はだいたいバンドの新曲作りのことくらいしか考えないので、外界の出来事に対して感受性が低くなってるんでしょう。それと、環境問題が深刻過ぎて、今の生活上のあらゆる些細な諸問題はどれもこれもいずれ「あんなこと言って、カワイイ悩みだったよね」と言えるようになってしまう気がして、今のうちから何事も醒めた目で見てしまいます。この前もスゴイ風強かったしなあ。夏に向けて節水節電…と思いながら、いま自室のPCおよびオーディオ機材周りでタップ何口使ってることやら。

【本日のレビュー:FORBIDDEN「GREEN」】


随分前にも「久々に聴いた」といってレビューに登場させた気がしますが、サイト内検索でヒットしてくれなかったので気にせずもう一度(気のせいかもしれない)。USスラッシュ第三世代の旗手といわれたバンドの96年のラスト作です。スパスパと爽快にスラッシュしていたのは2ndまでで、これの前作にあたる3rd「DISTORTION」ではオルタナ的な屈折感をプログレッシヴな手触りに変えて導入し、メタル然とした佇まいを上手く残した快作に仕上げていました。あれを一概に「PANTERAやSEPULTURAになびいた」と揶揄した向きはアホだ。そして更なる強靭な進化を遂げたこの4作目ですよ。前回久々に聴いて以来またかなり久々に聴いてますが、こんなにカッコよかったとは!!NEVERMOREばりに絶望的なヘヴィネスと、それを味わい深いものに彩るダークなメロディセンス、そして90年代的な鋭角重量リフの数々。グダグダせず突進力があります。そしてこのバンドは何といってもヴォーカルがいい。ガッチリパワーデブが猛り上げる極太ハイトーン・アジテイションはほんと最高。いやー10年前の作品なのにまったく古びてませんね。最近のMASTODONとかSYSTEM OF THE DOWNとかBURNT BY THE SUNとか、そのへんの人達と比べても同等のセンスとスケール感を持っている気がします。なんとなくまあいいか〜とスルーしてた方々、すぐ買って下さい!

  5月11日
▼朝晩すっかり冷え込む季節になりました。収穫はなし

【本日のレビュー:HUMBLE PIE「ON TO VICTORY」】


80年作です。パリッとアメリカナイズされた72年の「SMOKIN'」は最高でしたが、こんな時期の音源はあんまり取り沙汰されるのを見ないですね。変に80年代かぶれになってたらいいなあ〜と期待して買ったら、そんなことはなくて普通にロッド・スチュアートみたいな感じでした。気になる点といえばギターにコーラスが掛かってたりするのと、やけにゴスペル風女性クワイアが多いくらい。それよりスティーヴ・マリオットの絶唱がやっぱりカッチョイイですわ。無理に高域で歌うフィル・コリンズが酒とタバコでレミー(・キルミスター/MOTORHEAD)級に喉を潰してしまったような、ガッスガスのハスキートーンでもって、強烈なソウルフィーリングを吐き出す名演の嵐。ジャニス・ジョプリンすらなぎ倒しそうなバラード"My Lover's Prayer"などなど聴き所多いです。一応1曲だけレゲエにかぶれてみたような曲も入ってて、微笑ましいだけかと思ったらこれも普通に歌がいい。最後までテンションの落ちない名盤です。

  5月10日
本日の収穫、サウンドベイ金山にてTRIOSK「THE HEADLIGHT SERENADE」、HUMBLE PIE「ON TO VICTORY」、JACULA「ANNO DEMONI」、VINNIE VINCENT INVASION「ALL SYSTEMS GO」。この歳になってスウィープピッキングの練習に励んでしまっています。まずはTESTAMENTの"Eerie Inhabitant"イントロを攻略中。

【本日のレビュー:TRIOSK「THE HEADLIGHT SERENADE」】


単独音源リリース前にヤン・イェリネックと共演していたりしたオーストラリアのインストトリオの06年作。多分これが2枚目なんでしょうか、デビュー作は過去に紹介済みです。簡単に言えばSAVATH+SAVALASを生っぽくしたような、非常にエレクトロニカ然としたポストロック・ジャズをやってます。その手の音は最近全然惹かれてませんでしたが、これは良い。お座なりさがなくて肉感的で、ポストロック的アプローチをジャズサイドから攻めているジム・ブラック周辺系の人達とも全然張り合える完成度。そしてメロディの瑞々しさですよ。「和み」と称して誰でも何となく作れそうな安いやつではない。ピアノの細かいミニマルフレーズ(ライヒ風)がなし崩しに転調していく4曲目とか、GENESISの"幻惑のブロードウェイ"を思わせてイイなあ。そう、生ピアノが多いのもいいところ。シンセや電子音も絡んでますが、多分これライブではちゃんと3人で再現するんでしょうな〜。というか3月に日本来てたんですね。東京・福岡・山口て。確かに名古屋で人入らなそうだけど…。好評だったなら是非再度来ていただきたい。個人的にはTORTOISEやTIED+TICKLED TRIOよりも好みです。

  5月9日
収穫はなし。高いなーと思って買うのを先延ばしにしていたMESHUGGAHの「NOTHING」リミックス盤を、RELAPSEのマーチャンダイジングページで凄く普通の値段で見つけたので即カートイン!先月名古屋のNO REMORSEに入荷していたRELAPSEのロゴ入りメッシュキャップや他のCD数枚とともに注文完了。黒いキャップてのは逆に熱中症を誘発しそうですなー。海外サイトで買い物をするとき、面倒くさくてうっかり1ドル=100円とかで概算しそうになりますが(私だけでしょうか)、こういうところをブックマークしておくと冷静さが保たれます。省略されてる単位がGBP(グレート・ブリテン・ポンド)だったりして酷い目に遭ったこともありましたわ。

【本日のレビュー:BELLINI「SNOWING SUN」】


DON CABALLERO解散後、ドラマーのデイモンがUZEDAのギターヴォーカルらとやっていた短命ユニットの1作目(次作はドラマー代わってます)。購入当初はあまりパッとした記憶がなくて、生デイモンを目撃した今改めて聴いたらどうだろうかと思って出してきました。基本的にはこの「猛り狂う女アルビニ」なジョヴァンナ嬢のリフなりヴォーカル(というかアジテイションの域)なりが主軸にあって、ある程度楽曲然とした佇まいをなしているため、ドンキャバのスリルとは全く異質であることを解っておくべきでした。ヘタウマ寸前の自由度でギョリギョリとうなりをあげるギターと暴虐爆音ドラムのせめぎあいは、(多くのレビューで見受けられたように)なるほどツェッペリン的な構図にも思えつつ、あそこまで濃密な鼓舞しあい・ケンカ売りあいはなくて個人技×人数といった仕上がり。ただでさえメロディというものがないジョヴァンニ嬢のスタイルに、絨毯爆撃なデイモンの手数ドラムが乗ってくると、余りに漠然とし過ぎてしまってイカンのかなと思います。それにジョヴァンニ嬢は結局アルビニやジェフ・ミュラーの影があり過ぎる。これならSHELLACやJUNE OF 44を45回転で聴けばいいか…と我に返る場面もしばしば。ライブでも見りゃ「最高だった!」と言ってたはずですが。ともかく重度のアルビニスト向けの品でしょう。純血に近い方ではあるので安心して買えます。

  5月8日
収穫はなし。注文してあったシールド一式が到着、そろそろ録音を始められます。あと3曲くらい2・3日でポポポッと増えんかなあ。CDを買うことに慎重になってきたのと同様に、新しく曲を作るのにもやたら用心深くなります。世の中そんなに崇めるべき神様ばっかりいないし、芸術を成し遂げるのはタフな作業。しょうもないマイナーメタルにだけ依然心を許すのは、自分もその内輪の一員だから。ということで決着をつけています。

【本日のレビュー:TENEBRA「TENEBRA」】


最近買ったしょうもないマイナーメタルの最もたる1枚。ロゴと表ジャケはD級デスメタル、裏ジャケのレイアウトは何を思ってかALICE IN CHAINSの「DIRT」そのまんま(どうしてもそこが気になって買ってしまいました)、音は「RELEASE FROM AGONY」の頃のDESTRUCTIONやFORBIDDEN、あるいはKREATORの「RENEWAL」に近い感触を思わせる屈折スラッシュ、というドイツのバンドです。94年にD&Sというマイナーレーベルからのリリース。キョリキョリと刻まれる狂気の高音リフはなかなかの質とアイディアに恵まれていながら、スカスカのプロダクションと、ザビーネ・クラッセン(HOLY MOSES)をダメなゴロツキにしたようなだらしないヴォーカルによって、隠れ名盤と呼ばれるのに歯止めがかかっています。タイミング的にも94年にこれではちょっとインパクトに欠ける。こういうバンドにいた人達はいま何やってんでしょうなあ〜。

  5月7日
▼今日も収穫はなし。こういう時は宣伝だ。DOIMOIライブありますよ。

・5月30日 (水)
会場:名古屋 新栄クラブロックンロール
時間:18:00開場 / 18:30開演
出演:PANICSMILE / ELECTRIC EEL SHOCK / DOIMOI / ビビビビ / BOOKHOPE
チケット:前売り 2,000円 / 当日 2,500円(別途1D 500円)

 そして翌月末にももう1件ほぼ決まりです。更に新曲投入して頑張りますので、どっちでも(どっちもでも!)遊びに来て下さいまし。新曲はどんどん血迷ってます。あらゆるイベントで浮くことを目標にしよう。

【本日のレビュー:MR. BUNGLE「DISCO VOLANTE」】


今日は何かオゲーと来るCDを聴こうと思って、久々に出してきました。マイク・パットンがFAITH NO MOREと並行してやっていた奈落系ミクスチャーユニットの95年作です。マイク・パットンはどうも、俺あんなのもこんなのも造詣あるぜ。的な空気が鼻につくことが多いですが、声がデメトリオ・ストラトスに似ているのがズルイ。このバンドはむしろ、まっとうなアヴァンジャズのベーシストとしてリーダー作を出していたりもするトレヴァー・ダンと、デスメタルリフをカオティックに解体再構築するトレイ・スプルーアンス、この二人のいずれかに主導権が移譲された時こそ燃えます。文脈性の混乱というものがごく普通の出来事になりつつあるきょうび、それよりも端々の音象がもつ殺傷力のほうをストレートに評価しようじゃないですか。思わせ振りなXBXRX、ボアダムスにリミックスされたHELLA、TZADIKに引っ越して凶暴化したART BEARSなんて形容も可能。メタルコーナーに安値でありますのでどうぞ。

  5月6日
収穫はなしや。おお収穫はなしや。

【本日のレビュー:VICTOR「VICTOR」】


昨日からの続きで、RUSHのギタリストのアレックス・ライフソンが96年にリリースしたソロ作をご紹介。RUSHの3人の中からピンで取り出して、誰が一番RUSHサウンドを体現しているかといったら、この人だと思います。なので内容もおおむね「ROLL THE BONES」〜「COUNTERPARTS」の頃の本家の一卵性双生児といったところ。「ひねくれOK、ヨゴレOK」で90年代を解放したグランジのテクスチャーに共鳴したベテラン職人が、アイディアとセンスでそれを更に音楽的に研磨したかのような、「ダイナミック・ストライク外し・ロック」が地味に展開されております。ただゲディ・リーのメロディメイキングのセンスが不在のため、雰囲気は良くても覚えて好きになるような曲は少ないというバランス。というか、割とどっちでもいいような曲もけっこうありますが…。この盤を既にお持ちの方なら、白眉は3曲目"Start Today"に決定ということで異論はないでしょう。ロバート・プラントを完全に誤解した激ビブラート・ハイトーンを炸裂させていた若かりし頃のゲディ・リーに死ぬほどソックリな女性シンガーが超豪快に歌い上げており、とにかくその捨て身っぷりと恐るべき肺活量にはいつ聴いても戦慄が走ります。これ1曲のために500円出しても決して高くはないですから、バーゲン棚で発見の際は拾ってあげて下さい。

  5月4−5日
▼公園や山林に行くと必ずある「犬のフンは飼い主が始末しましょう」的な看板の絵柄って、大抵飼い主じゃなくて犬自身がフン袋を持ってますよね。笑顔で。収穫はなし

【本日のレビュー:RUSH「FEEDBACK」】


カナダのベテラン現役RUSHです。つい最近新作が出たようなんですが、未入手なので代わりにこれを。こちらは2004年にバンド30周年を記念して発表された全編カヴァーアルバム。"Summertime Blues"に始まり、THE WHOやらBUFFALO SPRINGFIELDやら、彼らがキッズ時代に影響を受けてコピーしたようなバンドの曲が並んでおります。ファンゆえの思い込みのせいかどうか分かりませんが、「COUNTERPARTS」以降のRUSHは、クラシックロックのヴァイブレーションをオルタナ的な空気読めてる感で語りなおすのが非常に巧みだなーというのをここでも再確認しました。単純に音作りの問題なのか。とにかくギターのアレックス・ライフソンの、屏風絵の如く「言葉のある背景画」としての饒舌なバッキングギターが毎度さすがです。聴き終えたあとでカヴァーの出典元じゃなくてRUSH自身のオリジナルアルバムを聴き返したくなるという見事な出来。ということで近日中にアレックスのソロユニット・VICTORがこの欄に登場することでしょう。新作も買わないと。

  5月3日
▼本日は、名古屋のゴールデンウィークの風物詩・鶴舞ロックフェスティバル1日目に足を運んできました。出演者は当日まで秘匿という異例の計らいにも関わらず、今まで私が見た中(4回だけですけど)で最高の人出だったように思います。無料イベントなだけに、金払って見に行くからにはモト取れるんだろーな、ではなく、行けばみんないそうだしとりあえず行ってみて、面白い知らないバンドがいればいいよね。というのどかな雰囲気が毎度いいですなあ。今年のナンバーワン・カリスマアイドルは、友人夫婦の闊達な長男と、スティーブジャクソンのヒジリさんの実家の犬が同立で。

【本日のレビュー:SAXON「STRONG ARM OF THE LAW」】


IRON MAIDENなどと同じNWOBHM初期世代のバンドながら、今となってはいまいち存在感にハクがない、「愛すべき永遠のB級バンド」SAXONの80年作。MOTORHEAD型の荒々しいスピード感にJUDAS PRIESTのようなヒロイックな泣きも組み入れた、当時の「バイカーズ・ロック」の王道中の王道であります。新世代と呼べる枠に収まりながらにして、先駆隊から半歩遅れて自分達自身では新しいことはなにもやらないというヌルさが、結局今聴いても「こういう時代だったんだね〜」以外の感慨が持てない要因な気がします。新しい音楽が新しいのは本当に一瞬だ。(本場ではないという)ロケーション上のディスアドバンテージを思い込みパワーで乗り切ったMANOWARやRIOTのように必死ではないし。単純に私の感受性に作用するフックがないだけか?カタカナで一文字違いのSAMSONの方は、大した曲はやってないけどブルース・ブルースことブルース・ディッキンソンが冴えてるので好きです。

  5月2日
収穫はなし。来日話が立ち消えになりかけたHEAVEN AND HELL、めでたくLOUDPARKで来てくれるそうですね。LOUDPARKか…大阪か…。Tシャツ高いっす、30ドルはボッタクリだろー。ロニーはやっぱり集金魔なのかも知れん。献上しますけどね。

 しかし知らん間にRUSHの新作は出てるし、「ワイルドマウンテン」4巻は買いそびれてるうちにどこの書店に行っても置いてないし(そのうちネットで買います)、他にも見過ごしている重要な情報があったら教えて下さい。

【本日のレビュー:ROXY BLUE「WANT SOME?」】


ウーン、またしょーもないのを買ってしまいました。500円だったので良しですが。92年GEFFEN。半尻見えてるブロンドねーちゃんを侍らせた星条旗ファッションの男が「もっと要るか?」と手招き、その袖口から覗く腕には緑色のウロコ、彼はダーティなレプタイルのようです。このジャケ、何故か国内盤ではブックレット内のメンバー写真と差し替えられてましたが、何がマズかったんでしょうか。ともあれ音の方、これは多くを語る前に曲名をいくつか書き出してみましょう。"Too Hot To Handle"、"Times Are Changin'"、"It's So Easy"、"Luv On Me"…。ああ見えますね、聴こえますね、WARRANTやFIREHOUSEやDANGER DANGERが。セバスチャン・バックを更にチャラチャラボーイにしたようなヴォーカルと、まあこのジャケとで幾分か損をしてる感じですが、完成度は高くて結構良質なフックもあります。特にメロディックで快活な爽やか系チューンが冴える。バランス的にはRATTの「DETONATOR」みたいな線に近いでしょうか。まー誰がやっても一緒ですね。ということで80年代末以降のソフィスティケイテッド・ヘアメタル・フェチ諸氏は安心してお買い求め下さい。

  5月1日
収穫はなし。特に書くべきことがないと、ないなーないなーと思いながらブックマーク巡回を繰り返して、沢山書くことがある日よりもダラダラ夜更かししてしまうので最低です。この内容でレビューまでハショるのもどうかと思いますが今日は寝ます。

最新に戻る 他の月の分を見る
 
トップページ サイト入り口へ
情報と音源公開 制作活動
管理人のことなども このサイトに関して
リンク 冒険
いつも独り言 掲示板(hosted by Rocket BBS)
サイト内検索(google) 不完全
since 07/04/2002    copyright (c) Sugiyama
inserted by FC2 system