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7月31日
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▼収穫はなし。苗場でも夜は結構しっかり寝ていたので、生活リズムを修正せな…ということもなく、いきなり平常どおりの生活に戻れております。いつの間にかスピッツのニューシングルが出ることになってるんですね、今回も地味だなー残念。2〜3作目あたりに入ってそうなカレッジノリの曲調は愛らしいものの、いかんせん人畜無害、崎ちゃんの勇ましい「ダカダカダッダカ」くらいでしか救われず。これの前に出た"ルキンフォー"での緩みっぷりといい、この「刺さなさ」がマサムネの現在形なのか。寂しいですなー。
【本日のレビュー:スピッツ「隼」】 それまでもっぱらハッとするメロディーと詞で刺してきたスピッツが、98年の「フェイクファー」で「優しい・かわいい」時代の総まとめを済ませ、仕切り直しの実験作「99EP」を経て直接的に音楽でブッ刺しにかかったのが2000年リリースのこちら。椎名林檎は出るわ、くるりに中村一義は出るわ、「日本の若者によるポップスとしてのロック」の要領がどんどん開発されていくのを見て、危機感とともに発奮してしまったんでしょうか。冒頭の超アグレッシヴな三段跳びにはかつてない汗臭さが漂う。スピッツが汗臭いなんて、えらい改革断行です。本来しっとり系になるはずの曲まで意図的にサッパリと仕上げていて、味の長さに欠ける部分があるのはやや難か。あと、あほらしい話ですが、全体のアートワークが「黒い」のが、このアルバムを振り返ったときにいまひとつ華やかな印象がない(のは私だけかも知れませんが)要因である気もします。豊かな色彩と結び付けた方がこういう音楽は映えるでしょう。とはいえ"8823"などの異色な名曲を収めることにも成功したこのアルバムのお陰で、次の「三日月ロック」では「攻めの穏やかさ」を精緻に描ききることができたのだと思います。有意義なテコ一発的1枚。
さて、そこからバンドの過去・現在と新境地を完璧に盛り合わせてしまった「三日月ロック」を作り、それとは似て非なる「過去の各時代のおいしいとこ取り+思いつきコラージュに甘んじた守り姿勢のプロフェッショナル・アルバム」の「スーベニア」に行き着いてしまい、もはや「隼」と同じテコ入れのしかたではリフレッシュにも何にもならない状況にある現在形スピッツ。これからは堅実に名曲を作り足していけるように努力するしかないのか。かつて存在しなかった(もしくは少なくとも自分達が実践したことがない)新しいものを発見・具現化しながら、なおかつそれを「今の俺らです」と言って通用させるというのは、恐ろしくタフな仕事であるわけですが、迷走しながらもそれをやってきたからこそ私はこの人達のことを真の成功者と思って惚れ込んでいるのです。もう終わったとは思いたくないですね…。次のアルバムではまた何度目かの生まれ変わりをかけて派手にあがいてもらいたいものです。
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7月27−30日
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▼フジロック2007に行って参りました。
【27日(金)】
見た人達 ・サンボマスター ・渋さ知らズオーケストラ ・畠山美由紀 with ASA-CHANG & ブルーハッツ ・STEVIE SALAS COLORCODE ・YO LA TENGO
▼色々期待したり期待しなかったりして見に行ったわけですが、一番ガッチリ来たのはYO LA TENGO。最近の曲での味の深いグルーヴ表現が特に。あとASA-CHANGのドラムは目立っていた。この日は終日カンカン照りで、人の多さ(東京の繁華街を超える)にともなう移動時の渋滞などもあって気力を消耗し、結構帰りたくなってました。
【28日(土)】
見た人達 ・ELENA JAMES AND HOT CLUB OF COWTOWN ・DUB AINU BAND ・THE ATARIS ・OMAR RODRIGUEZ LOPEZ GROUP ・BEASTIE BOYS
▼昼まで寝て、フラッと奥地に赴いて見たELENA JAMES AND HOT CLUB COWTOWNがとにかく卒倒級の凄さでした。やっぱり楽器がうまいというのはズルイ。しかしテクニックに酔い痴れるというでもなく、普段スイングやブルーグラスなんて絶対聴かなそうな大勢の観客が大ウケでした。THE ATARISはとにかくヴォーカルがいい奴だったので感動的だなあと思いつつ見る。ビースティーはアンコールであの曲もこの曲もやったかも知れないけど、自分達の準備のため泣く泣く退散。でROOKIE A GO-GOに出場させていただいたDOIMOIですが、お客さん大勢いたので楽しかったです。いつもより多めに首振ってきました。
【29日(日)】
見た人達 ・面影ラッキーホール ・DEERHOOF ・上原ひろみ ・CLAMMBON ・BATTLES
▼ようやくペースをつかみ、快適に過ごすために食ってばかりいました。芝生で昼寝もしたし。ここまでおおむね晴れ続きだった苗場もこの日はようやく小雨が降ったのですが、大した量ではなく、わざわざ買ったカッパが役に立つ機会が来てよかったーてなもんでした。DEERHOOFの前半を犠牲にして朝イチで見に行った面影ラッキーホールが本当に良かった…。「面影ラッキーホールが良かった」と人に言って、「それどんなん?」と尋ねられても、淫靡な歌謡曲ファンク、などと薄ーい回答しか出来ない自分が恨めしいです。間違いなく3日間で目撃した中で一番のエンターテインメントでした。DEERHOOFはショウとしてスケールアップしてましたね。3人オーケストラでした。上原ひろみはプログレメタルでしょう、大群衆がLIQUID TENSION EXPERIMENTまがいのあの凄まじい高圧縮バカバカバカテク音楽に歓声をあげる光景は異様だった。新譜を未だ買ってないBATTLESはドラムの鬼具合にやっぱりケツ蹴られました。あのおっさん凄いです。もっと遅くまで見ていくつもりだったけど、早く宿で寝たかったのでオアシスで暴飲暴食して選挙速報見て就寝しました。 ▼そして30日に帰宅。ベストアクトは面影ラッキーホール、ベストフードは「天国バーガー」としましょう。遭遇した有名人はほとんどおらず、MTVのVJ・BOO氏のみ。絡みはなし。あと面影のゲストに田口トモロヲ氏が1曲だけ出てきました。レアだったのかな。初日はとにかくツライ、もう嫌、て感じでしたが、2日目以降ほどよく雲が出て、人を避けて楽に過ごすように気をつけ始めてからは、俄然前向きに堪能することができました。基本的に「フジロックにでも行かないと見(られ)ない人を見る」という方向でいくといい感じですね。あと宿(しかもかなり近くてきれい)がとれたのは圧倒的によかった。キャンプの醍醐味もあるだろうけど、若くないときっと無理ですわ。
ということでDOIMOIメンのあと3人、同乗者の近藤クン(現THE ACT WE ACT)、お疲れさんです。ドライバーのスペース君(IS COLLAGE COLLECTIVE)、大助かりでした、ほんとありがとう。そして土曜の夜遅くに駆けつけて頂いた皆様にも尽きない感謝を。
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7月25−26日
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▼収穫はなし。新潟県湯沢地方の降水確率、金曜…30%、土曜…30%、日曜…40%。ああ長靴は常時携帯すべきなのか。という調子で、すっかり普通の客目線で一喜一憂したりワイワイと準備したりして肝心の大義を忘れかけている私です。いや、土曜は気持ちよく寝て翌朝の面影ラッキーホール(DEERHOOFとカブってとてもつらい)をニヤニヤと楽しむのだ。頑張ってきます。
【本日のレビュー:OVERKILL「W.F.O.」】 テンション上げめということで引っ張り出してきました。パワーメタル色を絶妙に残したスタイルでスラッシュメタル衰退後も生き抜いているアメリカのヴェテランスラッシャーの94年作。大名盤「THE YEARS OF DECAY」をもってのギタリスト脱退後、再出発第1弾「HORRORSCOPE」はファンからの受けがイマイチで、ポスト・ブラックアルバム現象(もしくはポスト・PANTERA現象)がひとしきり盛り上がっているところで出してきたこのアルバムでまたガッツリと復活してくれたのでした。まず耳を引くのが、あからさまにMEGADETHの「破滅へのカウントダウン」を意識したドンシャリ100%のサウンドプロダクション。ライヴではギターより目立つベースのD.D.ヴァーニの豪腕ピッキングがここぞとばかりにグリグリと鳴っております。で曲も、ストレートな疾走感を大フィーチャーして筋肉質にシェイプアップされた、コンディション万全のボクサーのような力強さで最高。ブラックアルバムほど「みんなのうた」になってはいないですが、MOTORHEAD以降変わらぬヘヴィメタルの馬力感を堪能したい向きにはたまらない内容です。"Fast Junkie""Supersonic Hate"ほか名曲多数。
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7月24日
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▼収穫はなし。フジロック荷造りと出演者情報調べに余念なし。ブヨこわいよブヨ。期日前投票は今日済ませました。Tシャツ(もちろんバンドT)迷うなーと思って、今回はヤメにしておいたATHEISTをせっかくなのでレビュー行きにします。↓
【本日のレビュー:ATHEIST「PIECE OF TIME」】 CYNICその他をとりまく初期テクニカルデス/スラッシュ人脈の中でもきわめて重要なバンドがこちらのATHEIST。テクニカル&激展開を突き詰めた2nd「UNQUESTIONABLE PRESENCE」、こともあろうにラテンミュージックを導入して孤高の極みに立った3rd「ELEMENTS」の方の評価がもっぱら高い気がしますが、直線的につっ走る場面ではハードコア顔負けの熾烈さを醸し出し、変拍子とかではないが意外にちゃんと屈折もしているこのデビュー作も、「バイタリティ溢れる青写真として」ではなく普通に名盤な気がします。まず1曲目からファストチューンでハッタリをかまさず、敢えて不穏な単音リフでテンション感を煽るミッドテンポの曲でじっくり攻めてくるあたり、並のことをやろうとしているのではない不敵さが窺えます。そして七転八倒の大名曲"Unholy War"できっちり炸裂と。VOIVODの流れというよりは、MEGADETH(というかクリス・ポーランド)や極初期SIEGES EVEN、ジェイソン・ベッカーあたりの雰囲気の「やけにワビサビの効いたミステリアス・テクニカル・スタイル」をスラッシュメタルに完全移植したような感じでしょうか。捻じ曲がってはいるがリフに歌心が必ずあるのがやっぱり、不朽の名バンドとして称えられ続ける所以でしょう。キャーキャーとキレまくったヴォーカル、おおむねランダムノイズ風だがやたら引っ掛かりのあるギターソロ、力技でバキバキと速弾くベース(故人…泣)にバタバタと無謀なフィルを絡ませるドラム、結局全てがかっこいいです。テクニカル、ハイブリッド、分裂気味がもてはやされる今だからこそ広く再評価されてもらいたい。リマスターで再発になったし。
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7月23日
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7月22日
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▼収穫はなし。登山用品店で雨用ポンチョをゲット。店員に「どこか行かれるんですか?」と尋ねられ、身分をわきまえて「フジロックに…」とだけ答えておきました。ここへきて慌てて色々と要りそうなものを買い込んでおりますが、長時間の移動用に小さめのビーズクッション、これはお勧めです。
…ついでなので暴走させて下さい。私は昔、夜勤のバイトをしておりまして、「休憩時間にいかに社員のおじ様方より早く寝つくか」という日々の死活問題から(遅れをとるとイビキ・歯軋り地獄で酷い目に遭う)、主に寝姿勢に関して、落ち着かない場所でもすぐに寝つくための条件というのを自分なりに考えてみたことがあります。
で、ダントツに重要なのは「どの筋肉にも力を入れない」ということでした。「力を入れて支える」という意識的運動が覚醒状態を持続させます。特に首が最もシビア。枕がないと、頭は球体ですので、点による支持ではどうしても不安程度が増し、首に力が入ってしまいます。また硬い床や車のシートで寝ようとするときは、特に「なかなか寝れねーなあ〜」などとイライラし始めると、背中のアーチの下にできる空間が「収まってない感」のもとになってしまって、変に力も入るし、横を向いたりやっぱり戻ったりとモゾモゾ姿勢を模索し続ける羽目になりがちです。平らなところに寝る場合、仮に毛布が1枚だけあったら、上に被るよりも下に敷く方に使ったほうが快適でしょう。被るのは(気温によっては)上着等で充分。そして車のシートで座ったまま寝たい場合、羽毛や綿よりも遥かに自在に変形して背骨をがっちりホールドしてくれるビーズクッションが最高なのです。寝ないにせよ長時間カンヅメで移動するならば、あれば絶対楽。
あと、気温が低いときは、手先足先を冷やさないのと同時に、背中(とその周りのフトンないしそれに準ずるもの)を早く温かくするのがかなり重要。掛け布団にあまり贅沢できない状況であれば、効率よく熱がたまる仰向け姿勢が断然オススメです。両耳があいてしまうため周囲の物音が気になりやすいですが、そこは衣服などを使ってやんわり塞げばOK。
はい満足しました。
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7月21日
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7月19−20日
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▼収穫はなし。雨具を物色していたら、こんなん出ました。絶対便利そうだけどものすごい視線を集めそう(特に顔のへん)。うーむ悩ましい。つまりこんなことに葛藤しなければいけない状況が去れば問題はないのです。梅雨前線よ君はもうよくやった、ユーアーファイアード!!
【本日のレビューその1:SOULS AT ZERO「SOULS AT ZERO」】 日々ますますマニアックですみません。今日は懐かしマイナースラッシュの筆頭格のひとつ・WRATHCHILD AMERICAの残党によるこのバンドを。93年の1stフルです。見事PANTERAとBIOHAZARDに飲み込まれた、笑える「モダン・ヘヴィ・サウンド」。ANNIHILATORの3代目シンガーみたいなヴォーカルがなかなかガッツリかっこよく、鉄板っぽいギターのふくよかな歪みも味わい深いので、音響的にはけっこう楽しめます。音楽的内容としてはやっぱり、今となっては晒し者以外の何者でもないですな。何のエラーを出すこともなく、首尾よく一時的な流行に乗っかることに成功すると、10年後の目からの評価はこうなるという好例。みんな気をつけよう。とはいえ私にとっては青春そのものな音なので、たまたま行ったライブ会場でこんなのが出てきたら全力で応援しそうです。
【本日のレビューその2:TORQUE「TORQUE」】 せっかくなので同系の1枚を。WRATHCHILD AMERICA改めSOULS AT ZEROのみならず、DEATH ANGELはTHE ORGANIZATIONに、LAAZ ROCKITはGACKに、そしてVIO-LENCEの残党(ギターとベース)はこのTORQUEに変身し、いずれもオールドファンをいろんな意味で泣かせてきました。さてこれは96年に唯一リリースしたアルバム。VIO-LENCEのあの煙のような高速タムロールも、イントネーションのおかしい高音アジテイションもここでは聴けませんが、「オフィサァ〜〜〜ッ、ナイッッス!!」と同じ声色の合いの手シャウトが結構入っていて、ファンはそれで充分泣けます。大筋の音楽性は例の如くPANTERAから閃きを除去したようなヘヴィスラッシュ。しかし相当気迫のこもったヘヴィ具合で、シュミーア不在時代のDESTRUCTIONくらいの充実度は余裕であります。中盤以降随所で炸裂する高速2ビートチューンも最高。元相方がMACHINE HEADでチャラチャラと成功しちゃってる間に、よく気を吐いていてくれたものです。マキシマムザホルモンとか案外こんなんじゃないか?と思ったりもします。今更オススメかも知れない1枚。
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7月18日
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▼収穫はなし。今月はいよいよレビューCDのメタル率が100%に近いですね。さすがにここまでやるものどうかと思うので、今日も畳み掛けます。
あれ、昨日の日記アップし忘れてる…。昨日は粋なジャーマンスラッシャーASSASSINをご紹介しましたので併せてご覧下さい。
【本日のレビューその1:VENI DOMINE「MATERIAL SANCTUARY」】 「ジェフ・テイト似が歌う北欧様式美」といって紹介されてマニアが飛びつき、ほどなく中古盤屋の叩き売りコーナーに溢れ返ってしまった可哀想なバンドVENI DOMINE。最初から正しく「かなりジェフ・テイトみたいだけどもう少し力ないシンガーがSOLITUDE AETURNUSやCANDLEMASSに入ったみたいなシンフォ・ドゥーム」といっておけば、好き者達だけに愛され続けて「そのスジの名バンド」としても名声もあっただろうに。いや実際素晴らしいですよこれは。"Suite Sister Mary"みたいな曲ばっかりやるやたらドゥーミーなKAMELOT、なんて聴き方もあるでしょう。付け焼刃のネオクラ趣味ではない、かなり高度な和声展開が冴えてます。ちょっとORPHANAGE(グレゴリオ聖歌を導入したオランダの変り種ヘヴィゴシックバンド)みたいな雰囲気も。とにかく全曲遅いですが、もうそういうものとして聴けばひたすら心地よいばかり。むしろ今だからこそ許されるエクストリームさ具合かも知れません。FEAR OF GODとか、CANDLEMASSの残党による幻のユニット・ABSTRACT ALGEBRAとか、90年代初頭の普通声パワーメタルとゴシック/ドゥームのナチュラルなクロスオーヴァー現象は、ムーヴメントになりきらずに立ち消えになってしまったのが本当に残念です。
【本日のレビューその2:ORPHANAGE「OBLIVION」】 ということで↑の文中にも登場したオランダのORPHANAGEのデビュー作を。MESHUGGAHの「NONE」から影響大な硬質ポリリズムリフを土台とし、男女混声コーラスやアトモスフェリックなシンセも大量に盛りつけて、非常に押しの強いグルーヴとCELTIC FROST〜THERIONチルドレン的なゴシック風アレンジを共存させた、パワー派サイバー・ゴシックとでもいうべきユニークな音楽性です。とにかくリズムがハキハキしていて咆哮ガテラル声も力強いので、この手の何でもあり系アングラデスメタラーの一群の中ではダントツに垢抜けています。メロディの方向もベタでつまらん泣きではなく神秘的で高潔なのがよい。SADISTあたりと並んで頑張って、こういう「メタル然としたベタドラマに走らない新種ゴシック」がひとつの流れになるかと思いきや、ムーヴメントになりきらずに立ち消えになってしまったのが本当に…。ただこのバンド、少なくともこの時期は、ヘヴィグルーヴ・サイドにおいてあまりにMESHUGGAHの発明を丸飲みし過ぎているのがちょっといやらしい。個性を活かせばいい器なのにここが残念なんです。8曲目"Sea Of Dreams"が"Humiliated"そのものであることについて、彼ら自身も文句はないでしょう。3作目くらいまで出たあたりでこの頃の神秘ゴシック風味がかなり希薄になってしまって、なーんだと思って追うのをやめてしまいましたが、今どうなってるんでしょう。
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7月17日
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▼本日の収穫、ディスクヘヴンにて新品でASSASSIN「THE UPCOMING TERROR」(MARQUEE RECORDSなるブラジルのレーベルからボーナス大量追加オフィシャルリイシュー)、中古でSOULS AT ZERO「SOULS AT ZERO」「A TASTE FOR THE PERVERSE」(ex.WRATHCHILD AMERICA!)、VENI DOMINE「MATERIAL SANCTUARY」。このへんの、いつでも捨て値で落ちている印象だった90年代前半〜中盤の日陰盤たちが、気がつきゃどんどん姿を見かけなくなっていることに一人勝手に焦りを感じています。
【本日のレビュー:ASSASSIN「THE UPCOMING TERROR」】 大名曲"Baka"で有名な80年代ジャーマン激激激スラッシャーの幻の1stがまたリイシューです。本当はオリジナル盤が欲しかったのですが、セルフプロデュースのデモ音源が計11曲と、更にライブ音源10曲も追加した2枚組とあらば、まー買うしかないですね。まず本編の方、リリースは86年。パワーメタル的どん臭い展開もちょっと残しつつ、KREATOR、HOLY MOSES、TANKARDあたりに直結する狂気の超早回しレイジング・スラッシュ!一拍鳴りきらないうちに次の拍が押し寄せてくるかのような恐るべき突進力。演奏はひたすら荒々しいようでいて、意外にギターリフのキレは良かったりします。HOLY TERRORとも近いですな。ザビーネ・クラッセンの男版みたいなしゃがれ絶叫ヴォーカルがまた最高。
そしてデモ音源の方は、アナログ感溢れる荒々しい一発録り(一応マルチマイク録音ではあるっぽいので極端なブラックメタルのようなラジカセ音質ではないです)でこれまた異常にカッコイイ。アルバムの方ではパカーッと開放的に飛ばしているのに、こっちはPOSSESSEDのような病性が立ちこめております。これがスラッシュメタルの何たるかか。と言いたくなるほどの気迫と説得力。ハードコア畑の人にも勿論大推薦です。というか凡百のカーボンコピー・スラッシュコアが全部アホらしくなるほどのカッコ良さではないでしょうか。ライブは結構どうしようもない音質ですが(低音がまったくない上にニセリヴァーブで色づけされている)、彼らがいかほどの「スラッシュ・バカ」であったかは十二分に伝わります。こりゃー「全員買い」です、それしかないです。よろしくお願いします。
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7月16日
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▼名古屋市民の我々などはただ一度の東海地震をいつ来るかと恐れているというのに、生きてるうちに(まさか3年以内に)2度も大震災に見舞われるとは思いませんよね…。新潟にお住まいの皆様は大丈夫でしょうか、そしてフジ・ロック・フェスティバルは催行されるのでしょうか??湯沢町観光協会からは一応OKのお墨付きが出てるようですが、まだ判りませんね。無事催行されるのであれば、きっと設置されるであろう募金箱にひらっと寸志を落としてこようと思っています。何とか一番良い方向に収まってもらいたいものです。収穫はなし。
※その後fujirockers.orgにて、今のところ開催中止はないと判断してよさそうな発表がありました。
【本日のレビュー:FASTWAY「WASTWAY/ALL FIRED UP」】 このCD、昔このサイトに日記とは別にあったレビューコーナーでもご紹介したことがありましたが、あろうことかLOUDPARKの追加発表に名前があったので再ピックアップです。トリオだった初期MOTORHEADでギターを弾いていたファスト・エディ・クラークを中心に結成されたバンドの83年1stと翌年2ndのカップリング・リマスター。内容はツェッペリンのストレートなロック・サイドを安請け合いしてNWOBHM気運に乗っけてしまったかのような、チープなドライヴ感溢れる古典的ハードロックです。変にプラントっぽいヴォーカルと時々ボンゾっぽくもあるドラムに惑わされそうになりながらも、本家の喧嘩上等な重量級グルーヴには及ぶべくもなく、まあ「ハロー、イエー!カモーン!」みたいな軽薄&痛快なノリが別物としてカッコイイからいいか。いやかなりカッコイイよな。と入り組んだ楽しみ方をしてしまう音です。時々THIN LIZZYみたいだったりもするし、どっちかといえばKIXやCINDERELLAみたいな人達に近い。つまり若気の至りでカッ飛ばすから気持ちいい音楽であって、現在の彼らが果たしてポジティヴな種類の「ヴェテランたる風格・貫禄」をまとっているかは否かは甚だ疑問なのですが…。それよりこれ、特に1stの方、いちレコードとして特筆すべきは「自然なガレージ風アンビエンスを収めた極上のサウンドプロダクション」であります。プロデューサー/エンジニアにはジミヘン、ZEP、KISSその他の大物を手掛けたエディ・クレイマーの名が。80年代のロック作品の録音の中でも上位につけるであろう素晴らしさですので、そのへんも含めてロックを心で感じられるオトナなリスナーにお勧め。
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7月15日
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▼収穫はなし。練習スタジオにある自販機でつい買う「ポッカ フルーツゼリー マンゴー」。たまに売り切れてます、人気です。
【本日のレビュー:AREA「CAUTION RADIATION AREA」】 アレアはだいたい揃ってると思いこんでましたが、そういえばまだこの2nd(74年)を持ってなかったんでした。デメトリオの方ばっかり取り上げているのでたまには本家を。言わずと知れたイタリアンプログレの異端中の異端バンド、インターナショナル・ポップ・グループでございます。冒頭から勢いのある曲が並び、バルカンジャズロック/ノイズコラージュ/フリーインプロがもつれ合いながらA面はドダーッ!と突貫。クリムゾンやMAGMA、ART BEARSみたいな雰囲気ともクロスしつつ、どうしようもなくAREAそのもの。デメトリオの声芸ももちろん炸裂。謎の笛歌い、マイク・パットン同然のウォール・オブ・絶叫、etc.とひととおりのことはやってくれてます。ラストは「ジャーマンロック風」の域を軽く超越した現代音楽まがいのエレクトロノイズで不穏にシメ。あ〜っ、最高じゃないですか。曲ごとの彫りの深さという点では詰めが甘いのかも知れませんが、大した問題ではありません。ここまで全編アグレッシヴに快走してるプログレ作品はそうそうないんじゃないでしょうか。
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7月14日
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▼本日の収穫、バーゲン初日のサウンドベイ金山にてAREA「CAUTION RADIATION AREA」、LEGAL BUTCHERY「KEY TO PARADISE」、以上。CD買わないで済む人間になってきました。いいねいいね。そして夜はDOIMOIのラジオ収録なるものがあり、ヴォーカル二村と久屋大通のZIP FM社屋へ行って参りました。異空間だった。今月21日土曜の24時からの番組で放送されるらしいので、名古屋在住の皆様、聞かないほうが…。いや、聞いてください。私自身は、ちゃんと対峙できる自信がないので誰か録音しといて下さい。
【本日のレビュー:LEGAL BUTCHERY「KEY TO PARADISE」】 96年ベルギー、SHIVER RECORDS配給の自主リリース。またこういう今や絶対入手不可、かつ誰も必要とするわけないのを紹介してもしょうがないんですが…。バンド名はCARCASS系ゴアグラかと思わせますが、アートワークから妙にしっかりした世界観を感じ取り、また曲名もちょっと変わった雰囲気だったので(これ重要!!「ありきたりな語彙でよくあるタイトルばっかりつける辺境デスメタルは大概無個性でショボイ」の法則)、買ってみたら当たりでした。激展開で結構アグレッシヴだった極初期MY DYING BRIDE似の変則ゴシックスラッシュに、末期ATHEISTのような不敵なツカミの良さと技巧性…演奏自体はヘタなんだけど「いまテクニカルなことやりました」というフレーズ作り、を加味したようなステキな変態くんです。美しい筋書きも何もなく、いたずらにうにょうにょと展開を重ねていく様などは、かなりナンセンスで現代アート的な佇まいすら。脱臼系マスロックがお好きな向きにもアピールするでしょう。にしても96年でこの洗練されてなさは凄い。やっぱ変態デスメタルはユーロアンダーグラウンド。
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7月13日
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▼収穫はなし。わざわざ雨の中、またこの女に呼び止められる。振り切ろうとしても「違うんです、お兄さ〜ん」とクドクド食い下がってくるので、「4回目ですよアンタ」と返してやったら、「うあふぁふぁふぁ、ありがとうございます覚えていて下さって」と豪快に笑われました。死んでも「ッンだょ、クソ!」とか吐き捨ててしまわないように教育されていることだけは偉いですね。次があったら、「うるせーブス!」と言ったらどうなるか?それは無理。度胸的に。
【明日からサウンドベイのバーゲンです。】
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7月12日
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▼収穫はなし。ライブがけっこう決まってきてますのでよろしくお願いします。トップ画像の下のオマケの1文、最初は「THE THREE MAN ARMY OF NAGOYA」、4人になってからは「NAGOYA'S RECOMMENDED BLISTERING-HARDROCK QUARTET」(もちろんNRBQ)、そんで現在は「タイプするときはDOIとMOIの間に空白を入れないように―VOIVODと同じ要領で綴って下さい」になっていることにお気付きでしょうか。知るわけないですわな。
【本日のレビューその1:WWIII「WWIII」】 元DIOのジミー・ベイン&ヴィニー・アピス、そして後にDIOに引き抜かれるギタリストのトレイシー・G(参加作はこちら)らがやっていたバンドの1枚限りのアルバム(2003年に復活作あり)。リリースは90年。FIGHTでのロブとデイヴィッド・ウェイン(METAL CHURCH)の中間のようなパワー系しゃがれヴォーカルを聴かすこのマンディ・ライオンというシンガー、ジョージ・リンチのソロなんかにも参加してるみたいです。ビッグなリズム感覚は80年代メインストリームメタルを基調としながら、ヘヴィというより刺すようなエキセントリックさの冴えるギターが印象的な、それこそ「STRANGE HIGHWAYS」やFIGHTの「WAR OF WORDS」をほんのり先取りしたような不思議スタイル。飛び道具エフェクトも駆使するトレイシーの変態センスは相当凄いです。スティーヴ・ヴァイの如き「どうしてもそうなってしまう」感。ロニーが引き抜きたくなったのもわかるけど、このまま頑張って独自の道を拓いて欲しくもあった気がします。頓挫してしまった幻のプリ・90年代サウンドとして、消えずに記憶されていってもらいたいですなあ。
【本日のレビューその2:BRUCE DICKINSON「BALLS TO PICASSO」】 ↑のような試みの完成形といえるもののひとつがこれなのではと思って、今日も「その2」にもつれ込みました。トレイシー・Gの次はロイ・Z。IRON MAIDENを脱退したブルース・ディッキンソンがTRIBE OF GYPSYSと合流して作ったソロアルバム2作目が94年のこれです。ギターのロイ・Zはオールドメタル愛を謳歌する一方、モダンなヘヴィセンスやオルタナ的なざっくりしたアプローチをよくよくわかっている人で、この作品では特にブルースのキャラに合わせてどっしりガッツィーにキメてきた感があります。筋骨隆々かつやたらヒロイックなSANTANAミーツSOUNDGARDENという、他にちょっと例を見ないスタイル。メタリックな符号をほとんど使わずしてメタル耳のツボを狙い撃ちする見事な玄人技。こぢんまり系のアンビエンスを効かせたナチュラルなプロダクションも最高。メタラー以外の人にもアピールするのではなかろうかとも思いますが、ブルースの歌はこのとおりなので、何ともわかりません。広い心を持ったブルース・ファンならば生涯感動の1枚になること間違いなしです。名曲多し。友人M田くんはこれ持ってるだろうか?あっ何かやっぱりWWIIIと全然関係なかったです。
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7月11日
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▼収穫はなし。こうも雨が多いと地下鉄を利用する機会が増えるわけですが、最近の名古屋市の地下鉄の、電車が入ってくるアナウンスの前の妙なジングルみたいなやつ(もはやチャイムの域ではない長さと複雑さ)にまったく納得がいきません。あっ!スピッツのオフィシャルサイトがリニューアルされている!!
【本日のレビューその1:WITHOUT WARNING「BELIEVE」】 一昨日のTALISMANつながりで、ゼロ・コーポレーションを背負って立つはずだった若手プログレメタルバンドのこの2ndを。デビュー作冒頭曲はBURRN!誌によるラジオ番組「HEAVY METAL SYNDICATE」のオープニングにも使われていました。大胆なダウンチューニング(といってもD止まり)とほどよくキャッチーさを残す曲展開とで、難しくなり過ぎない爽やかプログレメタルの新境地を提示し一部で話題になっていたように記憶しています。
この2ndでは、「70年代ハードロックのようなオーガニックなヴァイブ」「時代性に即応するヘヴィネス」を大々的に導入してファンをアッと言わせた、DREAM THEATERの3作目「AWAKE」によーく感化されておりますね。「エッそんなのあり?じゃ俺も!」という素早すぎるタイミングでトレンドに追従してしまったアルバムというのはしかし、浅い思い込みによる意外なエラー(無論そここそが聴きどころ)をはじき出してくれることが往々にしてあるもので、このアルバムもそんなんだっけなーと思って聴き返してみたんですが、別に何のことはない、「AWAKE」の影響下にスッポリ収まってそれ以上の何でもない出来でした。なーんだ。無理に荒んだFIREHOUSEみたいなヴォーカルがちょっと珍しくて面白いくらいか。それよりも、ANTHRAX初期作など80年代スラッシュメタルの重要作品を数多く手掛けたアレックス・ペリアルスが録音をやっていて(勿論PYRAMID STUDIOにて!)、しかも何故かRAVENのロブ・"ワッコ"・ハンターがバッキングヴォーカルで参加しているという変なおまけつき。そこに惹かれる人が買ってみりゃいいです。クオリティは高いので似てるのが気にならない人は楽しめると思います。
ということでそのうち「AWAKE」の方を取り上げませんとな。思えばあれは強烈な影響力を誇ったアルバムでした。
【本日のレビューその2:MASQUERADE「SURFACE OF PAIN」】 こうなったらゼロ祭りで。やっぱこれです!!解散したてのTNTの生き写しとしてスウェーデンから颯爽とバトンタッチしにやって来た、超絶ハツラツ・キュンキュン・メロハーバンドだったはずの彼らが、94年のこの2作目でまさかのヘヴィ化。しかしガッツィーに力のこもるリフに対してメロディの豊かさは依然失われず、非常に数少ない「グランジ感化組の成功者」として高く評価され、来日もしてました。ヨラン・エドマンを逞しくしたような典型的北欧ハイトーンの熱唱をあくまで軸に、ALICE IN CHAINSを軽〜くプログレメタル化したような、やけにメロディアスになったガンズをMEGADETHの整合感で調理したような、しかし着想のもとは外にあっても答えは内から見つけ出した感のある、HM/HR界で前にも後にも例のないユニークなスタイルへと行き着いております。メタルギターを上手く対象化して非常に効果的なアプローチをするこのギタリストもかなりの才人。いやー未だに憧れる、心の名盤です。末端のイディオムは随分と異なるものですが、ヘヴィネスと屈折性とメロディの絶妙な組み合いっぷりからくるエキサイトメントは、SHINERあたりとも互角なのではと思っています。ゼロは既に倒産済みできっと東芝から再発もされてないので、ほんとこれ、見かけたら買って下さい。史上最優秀なTNTチルドレンサウンドが冴え渡る1stの方もいずれご紹介したいところ。いいバンドだったけど3rdはてんでダメだったんだよな…。
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7月10日
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▼収穫はなし。近頃助かっているちょっとした変化は、「DOVEがマイナーチェンジして泡立ちが俄然良くなったこと」です。この「お題→報告」パターンも大概やりすぎの感がありますが、そろそろどっかから5万3千円もらえませんかね。
【本日のレビュー:ENTOMBED「LEFT HAND PATH」】 メタルというのは元来、ロックをある特定方向に洗練した極北でもあるわけで、ガチガチリフだの暑苦しいキメだのといった記号的要素より先に、たぎるグルーヴに「うっおロック!」と熱くなってしまうバンドも多々います。スウェーデンからデスメタルバンドとして登場したこのENTOMBEDもそのひとつ。グッとスケールの大きい世界観を提示した3作目「WOLVERINE BLUES」はまたの機会にご紹介するとして、今日はこのデビュー作の気分なのでこれを。
89年暮れには録音されていたというこのアルバム、イギリスの定格外迷惑音楽の名門・EARACHEの初期リリースとしても目立つ存在です。CELTIC FROSTの1st冒頭曲を思わせるSEを幕開けに、突撃重量級デスラッシュが発進するわけですが、SLAYERほかのスラッシュメタル色に混じって、ビートの質には伝統的なUKハードコアやもっと古いガレージ色も入っている気がします。とにかく空間が爆裂する激音楽を突き詰めた結果なんでしょう。死や破滅などのネガティヴな内容を歌っているはずにも関わらず、垂れ込めるような暗さは不思議と感じず、かなり強引な言い方をすれば、NUMBER GIRLやブルーハーツと同等の「瞬発力のあるトゲトゲしさ」が主役であるように思います。その後ドラマーの二ッケ・アンダーセンが脱退後、哀愁混じりの北欧激ロック系の旗手となったTHE HELLACOPTERSを立ち上げたことを思えば、あながち見当違いでもないんじゃないでしょうか?まあそんな論客的ムダグチはどうあれ、手刀で薪を叩き割るような豪腕サウンドを一度体験してみて下さいということです。
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7月9日
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▼収穫はなし。ひと段落。「イチロー」や「卓球の愛ちゃん」と同質の安心感を「ギャル曽根」に覚えるこの頃です。
【本日のレビュー:TALISMAN「GENESIS」】 大物に手をつける前のゼロ・コーポレーションの数少ない看板バンド。この一行だけでもう涙が止まらないマニアもいることでしょう。マルセル・ヤコブ&ジェフ・スコット・ソートという、初期イングヴェイの脇を固めた二人が中心となっているユニットです。これは93年の2nd。影は薄いがよく弾くギタリストのフレドリック・オーケソンは、一時期クリス・アモットの代わりにARCH ENEMYにいたんですね。つゆ知らず。
内容的には80年代WHITESNAKEとジョン・ノーラムのソロワークの中間のような、シュッとスタイリッシュで程よく泣く往年のメインストリーム・ハードロックです。打ち込みのドラムでもまったく萎えないほどの潔癖感・人造感。楽曲的にはさほどメタルっぽさがなく、今だったらMTMやFRONTIERSから出てそうな雰囲気ですね。ソロ時はフラッシーに頑張るギター、ただのクリーンのカッティングが驚くほどファンキー度マイナスで笑えます。マルセル・ヤコブはやっぱり随所でボイボイムヨムヨと動きすぎ。ほんのちょっとしたブリッジにタッピングのオブリなんぞ入れんでよろしい(いいけど)。こいつはイングヴェイと同類だからイングヴェイ・バンドをクビになったのか。ジェフはまあジェフで、安定はしてて適度に細い、まさに北欧声という存在感。マルセルの異常なハリキリを除けば、トータルの仕上がりとしては人畜無害すぎて特にコメントなし。GOTTHARDでも聴いて超人的なヴォーカルに感動したり、本家ジョン・ノーラムの熱血高温ソロを堪能した方がよほど実りがある気もします。問題作扱いだった「HUMANUMAL」とかの方がきっと無茶な冒険をしてて面白かったりするんでしょう。まあジェフ・スコット・ソートの声で洗練されたメロディアスハードをいくらでも聴きたい人向け。それでも個人的にはTAKARAの方がオススメですが。
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7月8日
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▼収穫はなし。たった今もミックス中(26:30)。3曲くらい仮バージョンが完成しそうです。あーこの前買ったCD聴きたいな。
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7月6−7日
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▼収穫はなし。未だ落ち着かないミキシング作業ですが、一度手をつけるともう大概寝るしかねーなという時間まで集中してしまうので、今日は先に日記を書いておくことにしました。そうと決めた日にかぎって別に書くこともないです。あ七夕なのか。
【本日のレビュー:BERNARD SZAJNER「SOME DEATHS TAKE FOREVER」】 フランスのシンセ/エレクトロニック・ミュージックの人の80年の作品。MAGMAのクラウス・ブラスキス(Vo.)とベルナール・パガノッティ(B.)が参加とあって買ってみました。執拗に続くシーケンスに人力演奏のウワモノが適宜乗っかる、過渡期のマニュエル・グートシェンクや「INTERFACE」〜「STAND BY」の頃のHELDON、メビウス/プランク/マニさんの「ZERO SET」などがゴッチャになったような作風です。MAGMA風味も影響しての異常な息苦しさ・暗黒さはほとんどサイバーゴシックの域。さすがフランス人はこういうの得意です。世界観はそれなりにしっかりしてるのに、どこかで聴いたような手法の盛り合わせになってるのが残念といえば残念ですかな。80年はこういう時代だったのねと納得することもできますが。ジョン・マッケンタイアあたりがリミックスに近いリマスターを施してシカゴのイケてるレーベルから再発すれば、そのへんの信奉者がドッと沸きそうな雰囲気もあります。半人半機械なバランスはまさにポストロック。そんなものは80年からあったっつー話ですね。
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7月5日
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▼収穫はなし。連日連夜ミキシングに試行錯誤しております。全然関係ないですが、モスバーガーのスープごはん、あれはいいですね。
【本日のレビュー:ABSU「THE SUN OF TIPHARETH」】 アメリカはダラスから、遥かフィヨルドの地に憧れてしまったブラックメタル風バンドの94年作。立派な装飾ロゴをこしらえて、フランスのOSMOSEからリリースしています。半魚人戦士のジャケはどことなくヴァイキング風、音はどちらかというと初期MARDUKのようなスウェディッシュ風と、僻地(ブラックメタル的には)ゆえ情報が錯綜している様が面白い。いいのです田舎者はこうやって妄想パワーを発動してくれた方が。曲はどれも長尺で、いきなり鈍い3拍子で11分超の大作から…このへんはMANOWARの影響?ちょっとBAL-SAGOTHに通じなくもないアングラ・エピックな佇まいもありますね。ドラマティックであることを真正面に楽しめるような雰囲気ではないですが、不完全系辺境デスメタル好きにはこの上なく楽しめます。風邪でノドを潰した老婆が全財産の入ったカバンをひったくられたような軽めの絶叫もなかなかグッド。安く見かけてラッキーでした。
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7月4日
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▼はたと「出掛けるときテレビの電源消してきたっけ?」であるとか、「今、メール書いて、送信ボタン押したっけ、書き上げたーと思って送信する前にさっそく関係ないページ開いてなかったっけ?」であるとか不安になることありませんか?HOTMAILって「送信済みフォルダにコピーを保存」を選択しないと送信履歴が残らないんで心配ですよね!本日の収穫、穴場・原MUSIC FREAKにてSTEELHEART「STEELHEART」、ABSU「THE SUN OF TIPHARETH」、TALISMAN「GENESIS」、MORK GRYING「TUSEN AR HAR GATT...」、EMINENZ「EXORIAL」(LETHAL RECORDS)、JANITOR JOE「BIG METAL BIRDS」(AMREP)。久々に興奮しました。「品行方正なメタラーの要らないCDの掃き溜め」みたいなB級・C級中心の品揃え(聴いたら本当に要らなかったのもありましたが)、バーゲン品同然の格安値付けも最高。定期的にチェックせねば。
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7月3日
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▼収穫はなし。昨日に同じ。だんだん迷走し始めました。いま崖から何かひとこと叫んでいいよと言われたら、「マルチバンドコンプレッサー!」にします。
【言葉にできない名盤シリーズ:JAWBOX「JAWBOX」】
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7月1−2日
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▼収穫はなし。3曲の歌録りののちミキシングを続行しています。参考音源はBURNT BY THE SUN。
【BURNT BY THE SUN「THE PERFECT IS THE ENEMY OF GOD」のレビューはこちら。】
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