物色日記−2008年3月

※頻出語句解説はこちら
  3月30−31日
収穫はなし。CDの新規購入ペースがかなり落ちた近頃はなんと、一度聴いて気に入ったCDを何度か繰り返し聴いています。とてもいい気分なので、5年前の自分におすすめしたいです!今日はSHYを聴き返して満足。スカ〜〜ィダイヴェ〜ァン

【本日のレビュー:TAD「INHALER」】


先日ご紹介したばかりのTADの、今回はGIANTからリリースされている93年作を。グランジがポーン!と商業ベースに乗ってまさに絶頂期だった頃です。冒頭からいきなりHELMETとSTONE TEMPLE PILOTSの中間みたいなガッツィーリフ・デブグルーヴで飛ばしてきて、いいですね〜。このバンドはCROWBAR同様、本気でワルそうなデブがフロントを張ってるというのが大きなポイントなのです。気のせいではない独特の重量感と汗感がズッシリびっしりと。ヘヴィなリフをザワザワと鈍い音像にまとめて、ロックの肉体的なグルーヴを強調気味に聞かせるというバランスは、ANTHRAXの「SOUND OF WHITE NOISE」やALICE IN CHAINSの「DIRT」に近い線でもありますな。そのへんを追ってる人ならマストの勢いでオススメしておきます。なぜかプロデュースはJ・マスキス。

  3月29日
収穫はなし。バンドのホームページ、上部の広告バナーがみっともないなあ、この際独自ドメイン+有料レンタルサーバに手を出すか…と思い続けておりました。で今日、安そうなところを物色して、プランを選んで申込フォームに全て記入して、次のクリックで確定、という段になったところで「いや、尽くせる手はすべて尽くしたのか?」と節制の神の声。とりあえず申し込みはヤメて、広告が蚊帳の外に見えるようにレイアウトを工夫してこうなりました。次は「いつまでも『ブログ風』のHTML手作業サイト作ってないで、そこらの無料ブログを借りてきたらどうか?」と無意味の神の声が聞こえてきそうです。

【本日のレビュー:AURA NOIR「DREAMS LIKE DESERTS」】


ノルウェーブラックの頑固デュオの95年録音盤。全6曲のミニアルバムになっております。ブラックメタルのエッセンスをSODOMやPOSSESSEDあたりのスラッシュメタルの源流に還元したような豪快なブラックスラッシュ路線を既に確立。録音もアートワークも非常にチープで、その後感じさせるようなある種の高貴さはまだそれほど匂ってこないですが、リフの端々に潜むパリッと冴えたエキセントリックさには大いに満足できます。アグレッサー作のリフの方がより荘厳な響きを強調していて、一方のアポリオンはあやしいトリルを効かせながらオールドスクールスラッシュに近いノリを出しているという感じでしょうか、どちらも味わい深し。ヴォーカルは私の耳では区別できませんでした。随所で「ウ〜〜ワッ」とか「ハッハー」とか掛け声を発していて楽しそうですなー。

  3月28日
収穫はなし。YUIのニューシングルを色んなとこで耳にしますですね、やっぱりどう聴いても音程がガッチリ補正されてるようにしか思えませんが、本当はそんなに歌ヘタなのかなとちょっと悲しくなります。某事務所系に至ってはもはや機械音でしかない。CMで歌う森三中の人(野菜ジュースか何かのCMです)も気になった。で有線で聞こえてくる別に好きでもないユーミンやドリカムに「あっ人間だ」とホッとするとは、惨めな世の中だなあ。

【本日のレビュー:LUGUBRUM「DE WARE HOND」】


ベルギーが誇る真性ド変態アートブラック、LUGUBRUMの最新作です。前作レビューはこちらから。今回は遂に全4曲の大作志向になってしまいました。相変わらず部屋感満載のルーズな音作りが最高。ブックレットを開くと、山小屋にこもってのレコーディング風景の写真が載ってまして、いい感じです。右下の人、額から血出てますけど…。作風に大きな変化はないですが、やり慣れてダレることもなく、図に乗って「ハミ出ること」だけに陶酔し過ぎるようなこともせず、他に類を見ない脱力ドロドロサイケ悪霊メタルを、長尺な楽曲に見合うスケール感で見事に描写。何やら初期GURU GURUっぽい泥酔系アホインプロヴィゼーションまで飛び出します。イカス。お得意のサックスのほか今回はピアニカや空気オルガン(!)なども登場。多分当人達も「この展開、ないよなあ」とかいってニヤニヤしながらやってるんでしょうが、それでも本気の思い込みを注入してこうなっているはず。芸術作品として対峙すべき深みというものを確実にたたえております。たどたどしいついでに何でも好き勝手やっていた90〜93年頃のアングラゴシック/初期ブラックを現代の英知で再構築するならこうしかないでしょうという大傑作。CHEER-ACCIDENTと同時購入したのも何だか正解だった気がします。

 お、今ブックレット裏のクレジットを見たら「musick by Lugubrum」になってました。最高だ。

  3月27日
収穫はなし。ハナをかみすぎて(アゴラフォビック・)ノーズブリード。自分が血を見るのは別にいいとして、血が付いたハナカミを人が見て「ええっ血!?」とならないように始末するのが面倒ですよね。

【本日のレビュー:TWO「VOYERS」】


とりあえず素性には触れず中身のリポートだけ書いていきましょう。98年、トレント・レズナー(NIN)のNOTHINGリリース。ジャケに写るハゲ・ヒゲ・隈取り・マユゲ半分の男は見るからにハードゲイに違いない。で当時絶好調だったMARILYN MANSON似のスタイルを踏襲したサイバー・ゴシック・インダストリアルが延々と展開される。ベタなりに、ベタ中のベタをくっきり描いた楽曲が非常にキャッチーな仕上がりになっていて、意外と質が高いというか、全然まともに楽しめます。しゃがれ系ともヨレ系ともつかない妖しい声質だが表現者としての堂々たるものを感じさせるヴォーカルの存在が何より大きい。これはごく順当な「A SMALL DEADLY SPACE」の進化形ということでまっとうに評価されたらいいじゃないですか、いやいいですよロブ・ハルフォードのやることは…ということで英国の鋼鉄神JUDAS PRIEST脱退後のロブ(vo.)が、PANTERA系のモダン(当時)・ヘヴィ・スタイルを標榜した新バンドFIGHTを経て、遂にリアルゲイゆえのクネクネしたオーラを全面的に花咲かせたのがこのTWOだったのでした。FIGHTでも「時流にまんまと呑まれながら異常なほどシンプルなリフと歌メロを思い付く」という得意技を発揮していたロブですから("Into The Pit"の単純さとか本当に驚く、けどカッコイイ)、もっぱら酷評が多かったこのアルバムも実は悪くないんじゃないかと思っていたのです。「サイバー風」の語意が既に古過ぎるという点を除けば、ロブのノドを信じるあなたの耳を裏切りません。例の超音波スクリームは出ないが問題なし。FIGHTがイケた人はスルーしないように。

  3月26日
本日の収穫、米アマゾンのマーケットプレイスで購入のTAD「INHALER」(93年)、HMV通販で購入のRIVERDOGS「RIVERDOGS + ON AIR」、CHEER-ACCIDENT「WHAT SEQUEL?」、LUGUBRUM「DE WARE HOND」、それと書籍になりますが本秀康の「レコスケくん COMPLETE EDITION」。オマケのポストカードはレコスケフィギュアの写真でした。

【本日のレビュー:CHEER-ACCIDENT「WHAT SEQUEL?」】


もういいかなーと思いつつ買ってしまった、米インディロック界が誇る現代プログレ王の目下の最新作。過去のアルバムのレビューもこちらから。今回はいきなり重厚長大ロマンス変拍子路線をピタリとやめて、ピーター・ゲイブリエルGENTLE GIANT彷彿型の、コンパクトであやしくて少々アホっぽい歌ものへとシフト。この懐の異常な大きさの意味がわからない。生ピアノや管楽器を積極的にフィーチャーするホワッとした音作りは相変わらずで、PLUSHを頂点とする手作り系インディSSWが好きな人の耳にもスッと訴求することでしょう。煮崩れきった歌心は普通に素晴らしい。一方、随所に紛れる変則拍子やポリリズム。カンタベリー風の「キモ和やか」「冷笑かわいい」なフレーズの応酬。何かの間違いかと不安に陥る音響工作。常人の表情の断片を装って芯がどこまでも捻れているド変態とはこのこと。ANEKDOTENGUAPOファンにオススメする方向でまとめようかと思いましたが、ハッキリ言ってこっちの方が数段恐ろしい音楽でした。うううむ怪作、プログレッシヴ…。

  3月24−25日
25日の収穫、オークションで購入のALCHEMIST「SPIRITECH」。まあ花粉に尽きます。せっかく最近、早寝早起きが習慣になりそうだったのに、ハナがつまってると頭がボーッとして、早寝しても普通起きに終わってしまうのが悔しいです。以上でした。

【本日のレビュー:ALCHEMIST「SPIRITECH」】


異色のオージー・サイケ・デスメタラーの97年リリース3作目。この次からはRELAPSEに移ってます。私は1・2作目を持ってまして、GONG風のビヨンビヨン中近東サウンドを直線的なデスメタルに強制挿入するムチャクチャな作風に感銘を受け、このアルバムも聴いてみたいと探していたのでした。それまでに比べるとグッと売り物的安心感が増したつくりになっていて、SEPULTURAの「ROOTS」に感化されてるような部分も多々ありつつ、個性的なスペイシー趣味のアピールもきっちりやってくれます。アホ軟体とゴリゴリ豪腕が一体で向かってくる不思議。ヴォーカルの声質も含め、10年後(つまり今)のMASTODONを彷彿とさせるところもあります。地味にスゴイ人達ではないですか。これを含むRELAPSE移籍前の3枚は既に入手困難になっているようですが、現在は2枚組にコンパイルした初期ベストみたいなのがリリースされていて、そこで何曲か聴くことができるようです。気になった方はそちらをどうぞ。

  3月22−23日
▼22日はライブ、23日は何もなし。ライブを見て帰った人の手元に何か残るものがあるといいのではという話に昨日なって、フライヤーを刷るといっても載せる情報は「CD発売中」くらいしかないので、くだらないステッカーでも自主生産するかあと思って、試しに図案を考えてみたりしてました。かなりナメた出来になっていい感じです。A4の用紙1枚から何部取れるかにこだわって小さくなり過ぎて、手にしたそばからスポスポと落とされそうだな〜。

▼中学生の頃は「ヒゲは毎日剃ったら濃くなってしまう」と信じて、よく一週間分くらいタメて(まだ薄かったですから…)ピンセットで抜いてました。たまたま一昨日・昨日とあごヒゲを剃ってなくて、今日おもむろにそれが気になり、敢えてヒゲ剃りを取りに行くまでもなかったので、試しに金属製のクリップ(こちらに写っているものです)の余りで引っこ抜いてみたところ、ボッスボスと一度に大量に、しかも楽ちんに抜けました。おすすめ!!

【本日のレビュー:CECUL TAYLOR QUARTET「LOOKING AHEAD!」】


未だ存命のフリージャズピアニスト、セシル・テイラーの58年の録音です。ヴィブラフォン入りのカルテットで、クールジャズとスクラップになりきらないフリージャズの中間のような内容になってます。液状化済みのフリーらしいフリーもいいですが、リズムに沿って演奏するバンドアンサンブルの体裁を残してこそ引き立つ「踏み外しながら歌っている」感もなかなか。このアルバムはとにかくヴィブラフォンの醒めた音色が全体の印象に強く作用していて、管楽器不在ゆえ空間がベターッと埋まる瞬間がなく、パラパラと小石をこぼすように抽象的な像を作っていくような雰囲気(セシル氏単体の演奏に絞ってみても然り)が何とも涼しい。ないようであるっぽい調性感の軸の醸し出し方がクールダンディ。曲とか展開とか鬱陶しいけどプカプカうるさいのはもっと気に障るわーという時にはこれどうぞ。

  3月21日
収穫はなし。夕飯のついでに女子フィギュアの後半をじっくり見てしまいました。自信満々ノーミスで滑りきった中野が4位、出端から壁にぶつかるほどの転倒をかました浅田が1位、こりゃ興味深いことだなあと、デスメタルに重ね合わせて考えておりました。スケートに関しては今のジャンプが何回転何だったかも判らない素人の私ではありますが(「ではあります」を変な文脈で頻発する上、妙に飾り立てようとするもののサッパリ意味不明な詩的表現を嬉しそうに繰り出す男性解説者が最低でしたね今日は)、超常の次元上でしか表現できない芸術性というものがあって、かつそれはどこまで行っても(技術展や思い込みの発露の類ではなく)芸術でなければいけないという、ギリギリでしのぎを削る感じが正にデスメタル/グラインド。数ポイントの差がどこにあるのか、一般人ではしばしば理解しかねますが、DYING FETUSとORIGINを噛み分けるような人がきっと審査員をやっているのでしょう。一流の世界てのは何かしら面白いことがあります。

【本日のレビュー:ANGELCORPSE「THE INEXORABLE」】


今日くらい、そろそろ昨日の収穫に手につけてメタル以外にしよう…と思っていましたが日記本文からの流れでヤメ。SLAYER〜MORBID ANGELラインの正統な継承者、USブルータルデスメタルの(元)若手最高峰ANGELCORPSEの3作目です。若手といっても既に8年前の作品ですが(年月は早い…)。性急な展開や変則拍子も程よく盛り込みながら、クキクキと曲がり過ぎないリフで流れよくカッ飛ばす、痛快で邪悪極まりないデスラッシュサウンドが堪能できます。何といっても安定していてキレの良過ぎるブラストビートが最高。アスリート的な割り切った効率追求感があまり表に出ないように感じるのは、リフの放つ強烈な邪気ゆえか。技巧と怨念が激しくケツを蹴りあって成り立つ高頂の音楽であります。燃えるなー。

  3月20日
本日の収穫、今日からバーゲンのサウンドベイにて、まずは金山でV.A.「DEATH ...IS JUST THE BEGINNING」(NUCLEAR BLASTコンピシリーズ第1弾!)、AURA NOIR「DREAMS LIKE DESERTS」、TWO「VOYEURS」、上前津では小田和正「K.ODA」、CECIL TAYLOR「LOOKING AHEAD!」。少数精鋭ヨシヨシ。しかし今日は天候不順で公共交通機関を利用したので、それでこの枚数では、バーゲンの値引き分のお得感が薄れますな。そこで「もっと買わねば!」となっていたのが昔の私。「買えば出費、買わねば倹約、収納スペースもう限界」と語呂よく言い聞かせられる大人になりました。

【本日のレビュー:V.A.「DEATH ...IS JUST THE BEGINNING」】


AMORPHISやMESHUGGAHを抱えるドイツの大手エクストリームメタルレーベル、NUCLEAR BLASTが90年にリリースしたコンピレーションです。その後通し番号でシリーズ化したものの第1弾。全20組の収録アーティストのうち、DISMEMBER、ATROCITY(独)、あとはせいぜいBENEDICTIONやMASTERあたりが知られる程度で、その他は物凄くカルト的かあるいはその後長続きしていないバンドがほとんど。なだけに、当時のシーンの生々しい空気が感じられるというものです。で感じ取ったものとしては、ハードコアの気風を感じさせるバンドが意外に多いということ。ハードコアとメタルが渾然一体としながら漠然と過激化に向かっていた80年代中盤からのクロスオーヴァームーヴメントの延長で、人間離れした咆哮も習得して(多分ここがデスメタル以前と以後を分けるわかりやすいラインなのではと思います、ブラストビート云々よりも)、ゴタゴタしたままとりあえず「デスメタル」ということになって、メタルらしい整合性その他はあとからついてきたのかなという。攻撃性の質がハッタリっぽく、とにかく構造解体ヤッター!という衝動達成の悦びで充満。いち表現手法として表現内容を高めるために運用されるのはもう少し先の話か。この段階で早々と「新たに獲得した際限なき攻撃性」より「ついでに発見した未踏の無法地帯」に視点を移したユーロアングラゴシック/ドゥームの連中はやっぱり偉かったんだなあと思います。

  3月18−19日
18日の収穫はオークションにて購入のTAD「SALT LICK / GOD'S BALLS」、で本日19の収穫はアマゾンマーケットプレイスから到着のTAD「INFRARED RIDING HOOD」。詳しくはレビューにて。他に書くこともないのでしつこく今週末のライブの宣伝でもしておきましょう、22日土曜に大須ELL SIZEにてDOIMOI出演致します。どうぞよろしく!!詳細こちらで。ご予約はこちら。先月の日記に登場した立派なキャビも出動いたします。さてと明日はサウンドベイのバーゲンか。雨イヤ〜。

【本日のレビュー:TAD「INFRARED RIDING HOOD」】


先日YOUTUBE漁りをしているときに偶然、大昔MTVで見てうわー何じゃこれは…と思ったバンドがこの人達だったことが判り、慌てて買える物を探して注文しまくったのでした。もともとSUBPOP所属でNIRVANAとも交流があった(TAD+カート氏でTADの曲を演奏している映像が複数見つかりました)重量級グランジャーの95年作。EAST WESTからのリリースで、これが一応のラスト作なんですが、彼らのMYSPACEを見ると「お蔵入りになってる最後のレコーディングをリリースしてくれるレーベルを募集中」みたいなことが書いてあります。最後の古株がようやくメジャーに拾われた頃にはグランジブームも下火で…という哀しすぎる顛末を送ったのですね。

 内容は意外にメタリック&スラッジーでして、UNSANE、CROWBAR、解散前末期〜再結成後HELMETの中間点とでもいうような感じ。そんなカッコいいバンドおるんかい、とおっしゃる方には「います」と言えるカッコ良さです。邪悪なダウンチューニングリフは文句なく強烈なのに、サビで親切なメロディに持ち込んでしまいがちなのはメジャーを意識してのことなんでしょうか、そこだけが少々残念なような、いかにも(アングラバンド達がメジャー資本に翻弄された時代としての)グランジ現象的だと思えばそれも味なような。時々ほんの〜りJAWBOXも彷彿とさせるか?まあ仮に何だかなあと思ったとしてもそれが帳消しになるくらい、ガツンと来るところはガツンと来ます。BARKMARKETとかが最高すぎて、グランジの裾野にはもっとこういう系統のバンドがいるはず…と想像しながらもそれが誰なのか探し出す糸口を探れずにいた方々には、先日のGRUNTRUCKともども大推薦のバンドです。米アマゾンに捨て値でいっぱい出てるので、即注文どうぞ。ゴリゴリ一辺倒で結構という人には1枚前の「INHALER」を先に入手することをお勧めします。私も現在到着待ちです。

  3月17日
収穫はなし。昨日ご紹介のLINE6「TONEPORT GX」を使ったデモ音源を作成してみました。

・デモ1…ブルータルグラインド調
(MARSHALL風アンプ+MESA BOOGIE風アンプ使用、JACKSON Soloist+TC ELECTRONIC VPD-1)

・デモ2…オールドスクール調
(HIWATT風アンプ+ORANGE風アンプ使用、GIBSON Les Paul Deluxe)

 ベースも同じく何やら風のベーアン・シミュレータ使用です(ベースアンプには疎いので元ネタが判りませんでした)。ドラムの音源をちゃんとして、トータルコンプをがっつり掛ければ、アラが目立たない程度にはなるという感じでしょうか。ちなみにこの2曲、着想からミックスダウンまで30分ちょいで済ませましたが、こういうデスメタルジングルを作るっていう職業どこかにないですかね。「HEAVY METAL SYNDICATE」のCM前後とかで使ってくれんかな〜、1曲3Kくらいで。

【本日のレビュー:DISINCARNATE「DREAMS OF THE CARRION KIND」】


OBITUARYその他、初期フロリダデスの名バンドを渡り歩いたギタリストのジェイムズ・マーフィーが自ら率いたバンドの唯一のリリース。93年ROADRUNNERから。いつの間にかレア盤と化してて、再発されたときには大喜びで迎えられていたようですが、リリース当初の日本の雑誌の反応はそんなに良くなかったように記憶してます。改めて聴き返してみると、それもそのはずというシブ好みな内容でした。あやしくねじれたリフの音使いは「SLAYERの延長」に位置しないデスメタル特有のもので、SUFFOCATIONでもそう感じましたがほんと現代音楽っぽいなーと思います。そこに頻繁なテンポチェンジが絡み、「HUMAN」の頃のDEATHを更に黒塗りにしたかのような、あるいはMY DYING BRIDEをアメリカナイズ(?)したみたいなムード。技巧性をわざとらしく前面に出し過ぎず、あくまで表現の歪み・ねじれに厭世音楽デスメタルの可能性を追究した野心的な内容です。なのにオッ名盤!というほどの印象を簡単に与えてくれないのは多分プロダクションに問題があって、変にコーラス成分が乗ってぼやけたバッキングギター(デスメタルで好まれるこもり系とも若干異なる)の音量がドラムのアタック感を損なうほどに大きく、全体がドロドロにぬかるんだ地面みたいになってるせいで、せっかくの楽曲の起伏がメリハリのない音像に覆い隠されて伝わりづらくなってる気が。まーまだ93年というとこういう極端な音楽のエンジニアリングの雛形が確立されてない頃なので、これも味だと思ってこそなんでしょうかね。ともかく音楽的内容は玄人好みでカッチョイイです。

  3月14−16日
14日の収穫LINE6のギター専用オーディオインターフェイス「TONEPORT GX」。

 PCに直で録音するために購入。同梱されてくるアンプシミュレータソフトは、どう頑張ってもデジタル感みなぎる音にしかなりませんが(特にハイゲインは全然無理)、実物の歪みペダルを通してから繋げば何とかなるという感じです。とりあえず小さいのがいい(木星人はサイズ参照用)。やけに太いUSBケーブルがついてきて信号の遅延はほとんど気にならず、電源ケーブルや電池が不要なのも手軽。週末が暇な社会人は8Kくらいスッと出して買えばいい、といいたいところですが、音を鳴らすだけならいいとして、録音となると、入力デバイスを選択できて、演奏中の音声も既に録音された音源の再生も遅延なくモニターできるソフトが必要になります。フリーであるんでしょうかね。CUBASE LEはそのあたり、不可能ではないけど面倒でした。

 そしてもう一つ15日の収穫…出世したら買うと心に誓っていたINCASE SLIM BAG!!

 先に買ってしまったからには出世しないといけません。うーむ。写真で見るとわかりづらいですが、ただの黒〜グレーではなく薄ら緑がかってます。セミハードというよりも、ハードケースがクッションで包まれているというくらいの堅牢性。ノートPC用のポケットとかが無駄に付いてるお陰で、エフェクタはほとんど入りません。ボードに入れて別口で持ち運べってことなんでしょう。重量は多分このガッシリした作りを思えば軽い方なんでしょうか、決してうわー羽根みたい!という軽さではありませんが、背中に当たる部分にやけに親切な加工がされてる(凹凸のお陰で点支持っぽくなってドッシリ感が低減する)ので快適に背負えました。ともかくケースに見合う演奏をするようにせねば。

【本日のレビュー:TY TABOR「MOONFLOWER LANE」】


大昔にもこの欄に登場したかどうか、忘れましたが、じっくり聴き返したくなったので。KING'S Xのギタリストのが98年に発表したソロ2作目。最近はソロ・関連プロジェクト・本家ともどもやたらハイテンションな作風でいくことが多くて、90年代らしいくぐもり感や揺れ感のあるこの頃の音の方が落ち着くのです。パワーポップからパワーを取り除いたような(?)硬質なようで愛らしいメロディセンスをSOUNDGARDENその他のグランジ風アンサンブルに乗せてくるという、うんとポップになったSHINERみたいな内容で、やっぱり素晴らしい。過剰な親切も、変に思い詰めた気合もない、薄口だが決して水で薄めたような薄さではない歌ものロックを聴きたいというときに、KING'S X関係は本当にいい。あらゆるベタを知り尽くしているがゆえの「ずらし」が効いたコード進行やらリフワークやら、すごいと分かっていても改めてハッとする場面がしばしば。一方で普段ヴォーカルを分け合っているダグ・ピニックは、「シンプルなリフ」と「シンプルな歌メロ」の新しい組み合わせがまだあったか、と目からウロコ系の一撃を何打でも繰り出してくれるグルーヴ・アニマルな人なので、あわせてチェックをオススメします。

  3月13日
収穫はなし。DOIMOIのライブも近いですが(→詳細)、4月21日にDARK SOLでKDハポンに出させてもらうことになりまして、どういう風にやろうか思案中。あっ昨日書いた荷物はまだ届きませんでした。最近早寝が流行ってるので今日はこのまま寝ます。

  3月12日
本日の収穫、ディスクヘヴンにて中古でGRUNTRUCK「INSIDE YOURS」「PUSH」。あっ今日と昨日のレビューは全然無関係なようでシアトルつながりですね。んで昨日と一昨日のレビューはただのメタルつながりに見えますが、QPRIMEつながりでした。面倒なので多分明日には何もつながりません。そろそろCD UNIVERSEへの注文分が届くといいなー、MESHUGGAH新譜などなど。

【本日のレビュー:GRUNTRUCK「PUSH」】


ここのシンガーがSOUNDGARDENのメンバーと一緒に活動していたことがあるという人だそうで、その彼が最近亡くなったというニュースで存在を知ったバンドです。というか前々から中古盤で見かけて名前は知っていたものの、その件で正体をつかんだという。でこれは92年にROADRUNNERからリリースの2nd。いい感じにグランジしております、SOUNDGARDENのツェッペリン色をPENTAGRAMに差し替えたかのようなカルト陰鬱グルーヴロック。ヴォーカルの声質や歌い方も心なしかクリス・コーネルを思わせるフシがありますねえ。ほどよくズルズルしながらもさすがROADRUNNERという硬質感があり、グランジブームの中にいたその他大勢と違って誰かのフォロワーに収まっているという雰囲気が全然ありません。同時に91年のデビュー作も買いましたが、こっちの2枚目の方がより覚醒してる感じでツカミやすい出来でしょう。ジョン・ブッシュ在籍時のANTHRAX、CLUTCHMOLLY MCGUIREあたりとひっくるめてただのパワー・ロックとして聴かれればいいと思います。かっこいい。

  3月11日
収穫はなし。近頃イヌがおお流行りですね、白いイヌ。ソフトバンクのお父さんに続いてワオンくん(イオン)、犬泉くん(キリン)、ローカルだとサガッシーなんてのもいます。皆ズルイんだよ…

【本日のレビュー:QUEENRYCHE「EMPIRE」】


空前の大ヒットとなってしまった90年作。昔はサッパリ良さが分からなかったのですが、緊迫のプログレッシヴメタルを究めた「RAGE FOR ORDER」および「OPERATION: MINDCRIME」の余韻を引き継ぎながらもいい感じに煮崩れしてるのがいいんでないか?と最近思って、ひっさびさに引っ張り出して再検証。やっぱりどう聴いても「普通にいい歌」の集積とは思えないものの、もっとツンツンしていた昔の路線と基本的には変わらないパーツを注意深く巧妙に組み合わせて、結果的にとてもキャッチーになるようにしているという、技の利かせ方なり、ひと山経ての「ポスト何々感」なりといったものに味の深さが出てるのかな〜という気がしました。音楽性の変遷をリアルタイムで体験してこそという部分もあるんでしょうね。"Della Brown"とかオシャレだなー、スコット・ロッケンフィールド(ds.)はオシャレだなー。やけにピカピカした冒頭曲はさておいて、決して本降りにならないが雲だけは厚い一日中の小雨…みたいな中盤以降のドンヨリする空気は、もっぱら問題作呼ばわりだった次作「PROMISED LAND」との隔たりも別に感じません。ともかくバンドのキャラクターを絶妙に保守したままで大衆的な成功を狙える音に仕立ててきたという点で、決して生ぬるくはない、チャレンジングなアルバムであると認識が改まった次第です。こういう敢えてエキセントリックぶろうとしない挑戦性てのは、芸術としては好ましいですな。長く深く楽しめる。あと、ここに多くを集約しようとするのマズイとはいえアコースティックバラードの"Silent Lucidity"はやっぱりタイムレスな名曲でした。何が悪いってジャケが悪い。

  3月10日
収穫はなし。バンドの歴史で何故にあのアルバム1枚だけ長尺の曲が多かったり、やたらと静かなアルペジオが割って入ったりするんだろうと疑問だったMETAL CHURCHの「BLESSING IN DISGUISE」(89年)を10年振りくらいに聴き返したら、なーんだ全面的にMETALLICAの「...AND JUSTICE FOR ALL」(88年)の影響じゃんと一発理解で終了したのが今日の出来事。

 こういうのって、スッキリはするけど、良かったのか悪かったのか微妙な事だなとも思います。この影響のことに気付いてからは二度と「BLESSING〜」をまっさらな耳では聴けない。かといって気付かなければ謎は謎として残って解決しない。損なのか?得なのか?音楽はありのままに楽しむのが幸福か?やっぱりダマされないようにダマされないようにと賢くなっていくべきか?「JUSTICE〜」からの影響が明白だとして、「BLESSING〜」の良さはどこに行くのか、聴く価値なしなのか?などなど。

 基本的にこのサイトではダマされないようにする方を推奨してきたわけですが、うーむやっぱり、溢れる愛で他人に同化したり、微笑ましいまでに時代の空気を匂わせるようなケースはまだしも、済んだものを繰り返してそれを知らない大衆相手に「俺のも〜ん!」としたり顔で言いたげな奴らは心情的に許せないのと、あとジョークやオマージュを獲り逃がすのも勿体ないので、「こんなもん良いとか思って損した」などということにならない程度の防衛術は欲しいんでしょうかなあ。「君が好きっていうソレはまあ、アレだけどね。」みたいな感じになり過ぎないようにしたい。「アレも意外とあなたの好きなソレみたいなもんなのでは?」という楽しみの提案、これは何倍も楽しい。

【本日のレビュー:METALLICA「...AND JUSTICE FOR ALL」】


(日記本文からの続き)METAL CHURCHがMETALLICAに大きく感化される時期があったというのは実は納得のいく背景があって、両バンドは同じELEKTRAのレーベルメイトであったとともに、METAL CHURCHのギタリストのジョン・マーシャルは、ジェイムズ・ヘットフィールドが手に怪我をした時の代役奏者としてツアーを廻ったこともあったのであります。

 でこちらのアルバム。前作「MASTER OF PUPPETS」にともなう欧州ツアーの移動中に事故死したクリフ・バートンは、バンドの中では一番音楽を知っていて、他のメンバーに作曲のことを教えるような存在であったと言われていただけに、彼を欠いてどうなるものかと動向が見守られた作品でした。大筋で前作の延長線上に展開される重厚長大アート・スラッシュ路線を強化しながら、絶望感を朦朧とした物悲しさに昇華するようなクリフ独特のメロディ感覚が消え去り、また同時に数曲を除いてスピード・チューンをほとんど排し、強烈に冷徹なエッヂだけが残ったような無慈悲な音に仕上がっております。「コントロールされたスピードからくる圧倒的な攻撃性」から更に踏み込んで「『鳴り』で与える鋭利な感触とプレッシャー」の音楽へと変化したといいますか。90年代ヘヴィ派の布石ですね。特にこのトコトコと軽いスネアにローエンドを極端に強調したギターサウンドを組み合わせたドライなプロダクションは、当時は賛否両論を呼びつつも物凄いインパクトがあり、その後のMEGADETHやPRONGなどの音作りにも多大な影響を与えているように思います。ヘヴィメタル界で最もギターがゴキゴキと鳴った初めての瞬間でしょう、ANTHRAXを差し置いても。複雑な拍子展開とのマッチングもすこぶる良し。あのMESHUGGAHの結成当初のコンセプトが「『...AND JUSTICE FOR ALL』の続きをやる」だったそうです。

 数百のリフで膨れ上がる大作指向を極めたあとは、その鍛錬の成果をもとに「ブラックアルバム」こと90年の「METALLICA」でシンプル・イズ・ヘヴィの新境地を拓き、アングラヒーローが遂に世界を制してしまうのでした。ということでこれは80年代スラッシュの最上形でもって80年代スラッシュを終焉に導いたという、まあ歴史的意義の大きい一枚です。ラスト前に収められているクリフ遺作のインスト"To Live Is To Die"だけが何とも生温かい光を放つんですな〜。

  3月8−9日
収穫はなし。先日大改訂した「頻出語句解説」、その後地味に加筆してギター関係名古屋関係の項目が追加されてます。「人が分かってないかもしれない自分だけの当たり前」と「全員の当たり前」の境界がどこなのか非常に迷った末、余分があっても不足はないようにしときました。

▼読みどおり、サウンドベイ春のバーゲンは今月20日(木・祝)からでした。で、その2日後の土曜に我々のライブもあります!こちらから詳細ご確認ください。土曜もまだバーゲン期間中ですので、週末休みに名古屋行ってCD漁って、夜にDOIMOI見て、日曜にゆったり帰ったらいいじゃないですか。宿は借りず居酒屋で何とかするというのなら付き合います。新ドラマー礼一君になってからご覧いただいてない人も多いはず。チケットご予約はこちらへいつでもどうぞ。

【本日のレビュー:COPELAND「EAT, SLEEP, REPEAT」】


今や滅多に聴かないセルアウト系美メロエモの中では抜群の冴えと良心を誇るCOPELAND、好きなので最新作も買ってしまいました(1年以上前に出たやつを中古でですが)。彼らはとにかく「それっぽい」ものに溺れず、しっかりと質量感のあるメロディを歌い上げてくれるのが良いところ。3作目となるこちらのアルバムはというと、アレンジに関してはま〜〜見事にRADIOHEAD化。すっかり呑まれたというくらいに染まってます。しかも不確かげにふよぉ〜っと囁くヴォーカリゼイションまで微妙にトム・ヨーク似に聞こえそうになるわけですが、魂までは売ってませんですね。冷淡さや絶望で包み込むことなく、天然素材の肌触りをした実に温かい歌心を届けてくれます。他人の方法論を拝借しても異なる情景を描けるというのはやっぱり彼らの手腕。いいじゃないですかこりゃ、後期GLORIA RECORDが好きな人なんかは勿論のこと、SUPERCHUNKファンでも聴けると思いますよ。

 それにしても、こういうバンドをこういう方向に挑発することになったRADIOHEADてのは、(私の手元には資料として残しておいた「OK COMPUTER」以外もうありませんが)きょうびのオーヴァーグラウンド・ロック・シーンにおいては強大な存在なんだなあ〜と間接的に確認した次第。

  3月7日
本日の収穫、ひさびさのバナナ大須店でCOPELAND「EAT, SLEEP, REPEAT」、更にサウンドベイにハシゴしてMARSHALL LAW「POWER GAME」、ROBBY VALENTINE「THE MAGICI NFINITY」(外盤に買い替え)。行けば行ったで何か買ってしまうな〜中古CD屋。しかしこれでもTRIUMPHのリマスターが2枚もあったのを涙をのんで見送ったり、頑張ってガマンしたのです。最近得意なのは「あるミュージシャンの特定のアルバムだけを溺愛しても、それですぐ他の全作品を集めにかかったりしない」です。

【本日のレビュー:MARSHALL LAW「POWER GAME」】


今日ぐらいそろそろガチガチメタルじゃないやつにしようと思ってたんですが、昨日のMETAL CHURCHに続けるのにうってつけな品を捕獲してしまったのでこれでいきます。METAL CHURCH〜VICIOUS RUMORSラインの弱スラッシュ性パワーメタルバンドの確か93年くらいのアルバム。中学生男子が喜びそうなこのジャケを雑誌で見てまんまと喜ぶ中学生当時の私でした。15年越しにようやく中身が聴けるとはもう感慨しきり。テンポを落とし気味にして、拳握り締め系のクサメロよりも硬質でガッツィー&ダークなリフで押す、これぞという感じのパワーメタル。ヴォーカルの声質もあってかなりVICIOUS RUMORSを彷彿とさせるほか、RAGEやSAVATAGE風のひねくれ方もしていてシブい。こりゃーいいじゃないですか。イギリスのバンドには珍しい音楽性です。トーンの深さとテクニックを両立する巧みなリードギターも良し。泣きメロにもスピードにも走らずにこの味わいを出すとは、パワーと鋭角性の描写がよほどスゴイってことですな。で「ウンウン、もっぱら奮い立つぜ」と思って聴き進んでいくと、中盤に仕込まれたタイトルトラックがQUEENSRYCHE系の悲哀をフィーチャーしたキラーチューンで一気にクラッとくるという。ジャケの雰囲気とは裏腹に大人を酔わす匙加減が効いてます。なかなか中古盤屋でも出くわさない(特に輸入盤)アルバムでしたが、2007年にリイシューされてるようです。あるうちに買っときましょう。

  3月6日
収穫はなし。「最近何々づいて久々に何々聴いてます」「今度は何々づいて久々に何々を引っ張り出しました」というご報告ばかり続いてますが、要は新しく何か買うより、持ってたものを久々に聴く悦びが勝りつつあるという感じです。過去の自分の頑張りによってライブラリーなら自宅に豊富にあるのです。今日はKING'S X聴いてやっぱりダグ・ピニックの方が好きだなあと確認。量や種類が少なくても(無論多くてもいいですが)何かの物のことが好きで、それが自分に入ってくるというか自分の中に持つという感覚を大事にしたいなーというこの頃の心境。おおお数年前とは別人の言うことだ。

【本日のレビュー:METAL CHURCH「THE HUMAN FACTOR」】


今日もおもむろに。80年代USメタルを代表する(その後も活動してましたが)バンドの91年作。前任シンガーのデイヴィッド・ウェインがいた頃はもっとドスドスとマッチョな感じで、マイク・ハウに交代しての前作「BLESSING IN DISGUISE」はやけに長尺な曲が多くて何となしに煮え切らない出来で、そこから一気にJUDAS PRIEST風にシェイプアップしたこのアルバムは彼らのキャリアの中でももっぱら決定盤呼ばわりです。私、ヴォーカルは前任者派のつもりでしたが、この人もディー・スナイダーを伸びやかでシリアスにした感じで逸材ですねえ。で楽曲の方、基本的にアメリカのこういう方々はあんまりメロディがキャッチーでないというか、泣きの要素よりもノリの部分でメタルを謳歌するフシがあって、このバンドを別の作品で最初に聴いたときは「うーんメロディはどこだ?」などと思ったものですが(高校生当時)、このアルバムに限っては、拳を奮い立たせてくれる感じの勇壮なメロディというものもボチボチ聴けるのです。オープニングからの「いいねえこのアルバム」という高揚感を一気に頂点までキックする3曲目のキラーチューン"The Final Word"あたりで顕著。一方で初期彷彿型のゴリ押しシブめチューン"In Due Time"とかも良い。んで末尾3曲にかけてがまた、別の最高なアルバムがここからまた始まったかと思うような充実度とパンチ力。ダレる曲もそれなりに挟みながら最初と最後に問答無用の長いピークをもってきて「うーん全編素晴らしいアルバムだった」との後味で終わらせるというこの構成はいいなあ。ということで普通に名盤を名盤としてご紹介しました。METAL CHURCHって名前がかっこいいですよね。

  3月5日
収穫はなし。昨日の鍋を更に雑炊にして食べました。この頃プログレづいてるからなあと思って、プログレ棚にしまわれたっきり全然聴いてなかったマイナー盤を2・3枚聴いてみたらやっぱり全然つまんなかったりしました。健全健全。もうちょっと所有枚数減らせそう。

【本日のレビュー:KREATOR「EXTREME AGGRESSION」】


で特に脈絡はなくKREATOR。ブラックメタルはやっぱりユーロスラッシュの影響が濃いのかなあ、と数日前おもむろに脳内で回想したのを実際確かめようと思ってたんでした。こちらは89年作、リリースはこともあろうにCBS/EPICということで、既にかなり堂に入った完成度を見せている頃です。しかしリフの殺傷性は弱まるどころか実に順当に洗練されていて、ツブが大きく聴き応えのある出来。ドイツらしい馬力感が乗ってて良いキレしてます。裏声混じりにビャウビャウと吐き捨てるミレ・ペトロッツァのクレイジーなヴォーカルは、最初聴いたときは「何だこの太くない声、迫力ねーなあ…」と思ったものですが(高校生当時)、今となってはブラックメタル系の「下劣すぎること自体が攻撃性」なヴォーカルスタイルの源流として、深みやありがたみを感じます。いかにもメタルワールドという大仰なイントロやSE、もの悲しげなアルペジオ…みたいな展開もそんなになく、ひたすらスタスタザクザクと切り進んでくれるので、「レイジング・スラッシュコア!」みたいな文句に胸を熱くできるパンク畑の人にもオススメ。80'sスラッシュらしからぬシブいジャケもいいなあ。

  3月4日
収穫はなし。夕飯の寄せ鍋を食べ過ぎて腹いっぱい。おわーり。

【本日のレビュー:KANSAS「POINTOF KNOW RETURN」】


何故かここ数日、自分内でプログレが来てるのです。こちらはアメリカを代表するプログレグループ、というか「決して芯から狂ってないアメリカン・エセ・プログレ」を代表するグループの77年作。根がポップな常人だろうが、狂人が狂気の赴くままにやってようが、「真に進歩的であるか否か」などというケチ臭い論議に縛られなければ、出す音の良さが全てなのでよいのです。でこの盤、ほのぼのした明るさの陰に一抹の憂いがある優しい歌心が何かもうほとんどウエストコーストポップス風AORの世界ですな。冒頭曲などは「GENESISかHATFIELD & THE NORTHに感化されたCHICAGOもしくはBOSTON」として聴ける。プログレ然として変拍子や入り組んだアンサンブルをアピールする場面より、こういうシンプルな歌心で聴かせる面にこそこのバンドならではの濃さを感じます。いっそELOの仲間みたいに思われた方が評価が高まるんじゃないでしょうか?いろんな流行り物をほどほどにかじりながら絢爛豪華なプログレタッチにまとめた妄想ストレンジポップ、ほら「いわゆる心ある音楽リスナー」に訴求しそう。プログレは下世話に見えて結構こういうバンドがおります、是非とも掘り返して頂きたい。

  3月3日
収穫はなし。昨日の続きが完了しました。メタルにちょっとは興味のある非メタラーの皆さんに、日々のレビューを読んでいただきやすいようにと思って書き始めたんですが、結局90年代半ばまでのメタル史を俯瞰するくらいのサイズになってしまいましたですね。難解な語の解説なはずなのに気軽に目が通せる重さじゃないという本末転倒。まあ暇潰しにどうぞ

 こういうものを開陳することで、ジャンル分けを励行するわけでは決してなくて、ジャンル意識が耳の自由を奪うのはアホらしいという考えは当然持ってます。要はこれらの言葉は、同じ音楽をこだわって愛する人達を手っ取り早く結びつけるロマンの形なのではないかと思います。イタリアンロックが好きでねえ…と話し始めれば、どういう空気でそこに乗っていけばいいのか瞬時に了解される、そういうツールということでいいんではないかと。

【本日のレビュー:STATUS QUO「PILEDRIVER」】


英国を代表するハードブギーR&Rバンドの72年作。オリジナルはVERTIGOリリースで、CDはREPERTOIREからのリイシュー。このシンプル&ストレート極まりない音楽性で80〜90年代を生き抜き、未だ存続しているのだから大したものです。キャリアが長過ぎてどこがハイライトなのか全く知りませんが、ライナーを読むに72年というのはかなり上り調子のいい時期だったようで。軽装で明るく突き抜けた作風はハードロック界のDR. FEELGOODとでもいったところか。スロウブルーズをやらせてもなかなかの味があります。う〜ん純朴、ひたすら和む。THIN LIZZYほどアクが強くはないものの、類するニコニコ感はあります。変な話、PLUSHファンとかにもお勧め。

  3月1−2日
本日の収穫、東急ハンズで何となく買ってしまった吸音材。

 写真は既にカット済みのものです。もとはこれと同じくらいのがあと3枚とちょっと取れるくらいの大きさで、3000円強で売ってました。ご覧のとおりスピーカーの横と、あと見えてませんがスピーカーの後ろにも貼ってます。まあ月並みな話ですが「定位がハッキリし、録音された音源そのものの余韻・残響の類いが正確に伝わるようになった」という感じです。かなり納得のいく費用対効果。「ケーブル向上および電磁波対策」「インシュレーター設置および諸々の共振対策」「接点クリーニング」とあわせて「ルームアンビエンス調整」もやるといいでしょう。そんなに物凄いシステムを使ってなくても結構変わりますよ。

▼この日記、最上部右上に「頻出語句解説」のページへのリンクがあるのにお気づきでしたでしょうか。随分前に書いて、もう既に頻出じゃなくなってるものもあるので、現在猛烈に改訂中です。取り掛かってみたものの、メタル関係だけで物凄い文量になってしまったので今日は途中で力尽きました。疲れた。もし他に知りたいメタル用語があったら教えて下さい。

【本日のレビュー:LIFE OF AGONY「RIVER RUNS RED」】


90年代ROADRUNNERクラシックス。BIOHAZARDとANTHRAX(勿論ジョン・ブッシュに交代後)とPANTERAとDANZIGの中間かのような、硬質でコアでワルワルなストリート・メタルです。リズムチェンジを多用するエキセントリックなリフが結構冴えてて、あ〜こういう感じのね、と雰囲気だけで流されない聴き応えがあります。CLUTCHを小っ恥ずかしくした感じとでもいいましょうか。グレン・ダンジグとTYPE O NEGATIVEの人を同時に思い出す感じの変にねちっこい歌も特徴的。まーしかしこの息が詰まるほどの空気の重さは何とも90年代的ですなー、いま冷静に聴くと「どっどうかしましたか?」と狼狽するほどの気張り具合がいい。大袈裟っぷりが軽くBODY COUNT風だったりもして、笑えるといえば笑える。多分懐かしさなしでは楽しみづらい内容だと思いますが、これが楽しめる人は人生得してます。

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