物色日記−2008年4月

※頻出語句解説はこちら
  4月30日
収穫はなし。さっそく移転しました!!と華々しくやりたかったんですが、ついでに取った独自ドメインがなかなか有効にならないので(安かったので買っちゃいました、www.inurokuon.com!)明日に回します。うーむ思えばtripod.co.jp時代から何年になるんでしょうか、途中infoseekに吸収されるも、長居したなー。移転後も当面こっちは消さずにおきますので、infoseekの4行ゴシップがないと寂しい人は時々覗いてください。

▼丸栄スカイル9Fの凄まじく大味なあんかけスパゲティ屋「コモ」が、同じフロア内で軽く場所移動してしかも広くなってますよ。

【本日のレビュー:EXODUS「BONDED BY BLOOD」】


SEPULTURAがカヴァーEP「REVOLSONGS」で演奏している"Piranha"がムチャクチャかっこよいので元ネタを聴き直し。ベイエリアスラッシュのオリジナル世代バンドのデビュー作です。リリースは85年ですが、同年にMETALLICAが「MASTER〜」で辿り着いていた芸術性の高みを思うと、随分とアナログで直線的な内容。おおむね「JUDAS PRIESTをSLAYER化したような単純なスラッシュコア」と言えてしまいそうな塩梅か。初期メタルがスラッシュへと変態するその瞬間をまさに捉えたかのようで、トポントポンと厚ぼったいドラムサウンドがまた何ともいえずリアル。(トム・ハンティングのドラムはこの頃からキレがあってカッコイイです。)括るならヴィンテージロックに入れたい佇まいですな。

 さてEXODUSの1枚目というと、TESTAMENTの前身LEGACYのシンガーだったスティーヴ・"ゼトロ"・サウザが移ってくる前で、幻の初代シンガーのポール・バーロフ(故人)が唯一歌っているアルバムということでメタラーからは賛否両論があります。私は特にどっちに思い入れもなく、いま久し振りに冷静に聴き返しているわけですが、確かに堂に入った演技力があるゼトロと比べると、普通の兄ちゃんが汚い声を出してるだけみたいという弱々しさはあるかも。しかしここがまた、誰もがこぞって「想像上の邪悪メタル」を無理矢理やろうとしていたスラッシュブーム初期の空気をリアルに感じさせるところでもあり、断固支持するファンがいることも納得。ただ極端なマニアが言うような「EXODUSは1枚目で終わり、ゼトロはダメ」みたいなのはあんまり共感できません。「FABULOUS DISASTER」も「FORCE OF HABIT」もいいアルバム。

  4月29日
収穫はなし。今日もリニューアルに向けて諸々のメンテナンス。スマートに括れるはずのtableやfontタグ、その場しのぎのspanタグなどで汚れたソースはもう御免。ということでdivボックス厨と化しました。色々やってるうちに結局改装だけでは済まず、広告の目立たない新居へ移ることにして、ついでに独自ドメインが一年800円程度だったので取ってしまった…。ひと足先にバンドのホームページ(一時期は頑なに「ウェブサイト」で通そうと決めてましたが、もはや日本じゃそれだと却って変な気もするので遂に屈します)は運用開始しました、こちらでどうぞ〜。取得したドメインが有効化したらまたURLを改めます。

 それにしてもNetscapeが死滅に向かっているとは知らなかった。時代は変わりますのー。そういえば私の初・ウェブブラウジング体験は、大学の端末室で使うことができたNetscape Navigator 4でした。

【本日のレビュー:DEEP PURPLE「ABANDON」】


器としてはスゴイはずの人達が自らの意思で迷走してみた結果、一般的には評価が低い(というか理解されないまま終わっている)作品…というものは非常に興味をそそります。このリッチー抜き体制のDEEP PURPLEは正にそれ。過去にちゃんと当たりを引きました。こちらは性懲りもなく98年に出してきた続編で、作風は据え置き。ソリッド&メカニカルなスティーヴ・モーズ(g.)色と、残りのオリジナルパープル組による自由な「しなり」が共存してしまうこのアンサンブルは奇跡的。勿論モーズもあり得ないしなり方をするわけで。全員若い、どこにもお座なりさがない。曲自体はまったく耳に残りませんが、ヘッドフォンで音量を大きめにして演奏をダイレクトに感じるように聴けば、細部に光る匠の技がググッと脳のしわに挟まってくるかの如しです。あとは煮え切らないイアン・ギラン(vo.)。「普通に良い」の要素が一切ないというのは逆にある意味エキセントリックであるとの評価も可能なのかという、妙な存在感を放っております。全体の描くイメージはDREAM THEATERの「AWAKE」に近いのか?どこも盛り上がらないようでいてかなり変。一部の好き者だけが「いや、これしかないんや…」といって愛でるべき珍味系の1枚。

  4月28日
本日の収穫、ひさびさに利用したアマゾンでDEAD CHILD「ATTACK」。めざましテレビでYUIの生歌という危険な催しを目撃。かねてから彼女のシンセのような音程感を、オートチューン100%なのか?本当の天才なのか?と疑問に思っていたわけですが、違ってほしいと願いながらやっぱり前者でした。というかびっくりするくらい素人くさかった…。幼な声で喋るように歌うあの唱法が、テクノロジーとセットにすると桁外れのシナジー効果をもつということで、偽装ありきの今の時勢にあっては立派に「価値ある素材」といえるってことなんだなとなぜか普通に納得。まあなんとなしに応援してんですよ。

【本日のレビュー:DEAD CHILD「ATTACK」】


ようやく買いました。元SLINT〜TORTOISE他のパパMことデイヴィッド・パホと、SHIPPING NEWSのメンバーでもあるトッド・クック、その他ルイヴィル人脈が結集した本気メタルバンドが今月はじめに発表した1stフルアルバム。リリースはあくまでQUARTERSTICK。チューニングをAまで(3音半!)下げて、NWOBHMサウンドが根を下ろしてスラッシュメタルを派生させようとしていた頃のUSメタルを半分だけ70年代に戻して、それを更に乾燥させて21世紀でお湯をかけたような、非常〜にシブいスタイルを突いております。この欄で再三にわたって関連音源を取り上げてきましたが(→その1その2)、ちゃんと通して聴いてみるともっと古いBLACK SABBATHやTHIN LIZZYあたりの音へのオマージュが結構表立ってフィーチャーされてます。(3曲目で完全にメイデンの"Iron Maiden"のワンフレーズが出てきた!)それもストーナーの枠組みに安易に乗っかることはせず我流のバランス感覚。冗談でやれる域を超えた素晴らしい出来です。メタル畑のバンドではこういうクールさをもった作風は却って見つけにくいので大変ありがたい。ドォーッ、オラァーッ!と正攻法でやるよりもヘヴィネスが引き立つように思います。エンジニアをやってるのは元SHRIMP BOATのブラッド・ウッドで、B級デスメタルを思わすコモり具合がまたひたすら的確。WOLFミーツHIGH ON FIRE!こんな大人メタルを心から待っていました。

  4月27日
収穫はなし。スタイルシートの勉強を兼ねて、このサイトのリニューアルを物凄い勢いで試行してました。いまのスタイルに落ち着いてからは初ですね。敢えて物色日記と呼ぶのをヤメにしてこの日記を唯一のメインコンテンツみたいに構えて、レイアウトが変わって、いくらか他の内容を削って、あとは旧サイト見てくださいみたいな感じにする程度です。過去の日記を移し替えたりもしません、できませんさすがに…。FIREFOXとOPERAを拾ってきて周到な表示チェックも済ませました。更にそっけない見た目のSCSIDNIKUFESINは5月1日から、引き続きご愛顧のほどを。

  4月26日
本日の収穫とよびたい今日のいい写真。

 カメって、外敵から身を守るフットワークがないために甲羅が発達したのか、甲羅を持ってしまったために速く動くことを忘れたのかわかりませんが、あのスピードで行動する間に何を考えてんでしょうか?脳をあんまり運動に使わなくてよい分、余ったキャパでもの凄く深い思慮をしてるか、それともチンタラし過ぎて脳の回転もグダグダなのか…。

▼最近は時々フィンガーピッキングの練習をしてます。というか、弦にどう引っ掛けて鳴らせばいいのかわからず何となしにナデているだけという感じだった右手が、気付いたらある日突然これかという感触を掴んでいて、楽しさに目覚めたところです。きょうびメタル系の速弾きにもチキンピッキングは常套句みたいだし(去年の暮れ頃に10年以上振りのヤングギターを買ったらそういうことになってました…昔はインペリテリくらいだったのに)早く上達してキャッチアップしたい。

【本日のレビュー:TONY BANKS「THE FUGITIVE」】


GENESISのキーボーディストの83年ソロ。内容は79年のこっちに比べるとかなりダラッとしてきていて、覇気のなさ過ぎるなんちゃってレゲエな冒頭曲からして「あ〜、83年…」という哀愁を誘います。デジタルシンセに乗っ取られてニューエイジにかぶれた、本家の「ABACAB」〜「INVISIBLE TOUCH」の間の番外編という感じの出来。意外な抜け道からヒュルッと見知らぬ行き先へ案内するようなコードワークはばっちり健在なんですが、どうしてここまで印象が良くないかというと、ひとえに本人によるヴォーカルの情けなさであります。"Supper's Ready"の途中で出てくるヘリウム吸ったみたいな声も多分この人だと思うんですが、カイ・ハンセン系の「どう頑張ってもひきつり声」の持ち主であるので、ソフトに歌っても熱を込めても全てが裏目。いつ誰と何やっても本質は変わらん人だなあ、だけど本人は歌わん方が身のためだよなあ、と確認したいファン向け。

  4月24−25日
収穫はなし。手持ちのドラム音源+新規拾い物をソフトサンプラーに割り当てて打ち込み用最強ドラムキットを組み上げたりしていると非常に豪快に時間が過ぎてゆきます。まだ要調整箇所があるけどとりあえずMATS & MORGANミーツORTHRELMな短い試作品ができましたのでどうぞ。

  4月23日
収穫はなし。「くりぃむナントカ」のゴールデン進出記念拡大版をガッツリ見てしまった…。最近は生活時間がちょいと変わったおかげで見るテレビも微妙に変わり、朝っぱらから何がしたいのかわからない「めざましテレビ」のフニャフニャ具合に耐えられません。明日はゆっくり岩上安身見よう。

【本日のレビュー:小田和正「K.ODA」】


国内盤が苦手な私も、大きめフォントで潔くまとめられた昔のファンハウスのCD(の横や裏側)は、日本でしかない感じになっていて逆に好きです。などとフェティッシュな告白を済ませたところで小田和正の86年ソロデビュー作。プロデューサーはSTEELY DANの「AJA」を手掛けているビル・シュニー、ギターは80年代AORの至る所に顔を出すセッションミュージシャンのダン・ハフ(メタラーにはMEGADETHのプロデュースや自身の率いたGIANTで知られる)、リズム隊はまるまるTOTO…という超一流のラインナップを調達して制作された、満を持した感みなぎる一枚になっています。四つ折りをひらくとアナログサイズになる(ブックレットならざる)「歌詞カード」も昔のCDっぽくていい。いい加減そこはさておき、作風的には、雰囲気だけAOR方向に振りすぎて(1曲たりとも思い入れというものがない完全後追いの身からすると)なんだか薄い曲が多いかなという印象です。かりそめの肉体関係でもいいだろう、さあそんな僕らはどうなる、みたいなエロい歌詞ばっかりなのがとにかくスゴイ。この人が20年後に保険のCMで日本国民をわんわん泣かせることになろうとは。好きな声と好きな音が鳴ってるはずなのにどうも満たされないというこの感覚はGENESISの「ABACAB」っぽくもあるな。「心温まる良心フォークグループだったはず」みたいなオフコースの呪縛から解放された反動で思いっきり憧れを具現化させたかったんでしょう。もう少し落ち着いて、1曲1曲に歌らしい重みを再び込めるようになってからの方が聴き応えを感じます。どの作品もおしなべて質が高いとした上でやっぱり「OH! YEAH!」なのか。歌唱はもっと大昔も今もこのときも変わらず最高。

  4月22日
本日の収穫、オフィシャルサイトから直接購入したBELLADONNA「03」。今年一番の泣けるアイテムでした…詳細は↓で。

【本日のレビュー:BELLADONNA「03」】


今日ばかりは思い入れ100%で書かせていただきます。皆様はANTHRAXのシンガーについては誰派でしょうか?昔は私も断然ジョーイ(・ベラドナ、2代目)派で、しかしジョン・ブッシュ体制で強力な作品をどんどん出してくるにつれ、交代してからの方がバンドとしては逞しくなったという風に結論づけておりました。あ、論外になっているニール・タービン派の方すみません。それでもやっぱりジョーイ時代の楽曲をよく聴いて多感な年頃を過ごしたので、まージョンの方がツブシも効くしジョーイしょぼいよね、みたいには全然ならなかったのです。

 BELLADONNAとして独立した最初のアルバムは雑誌で紹介されるより前に発見・購入して死ぬほど聴き、メンバーを一新して制作された2枚目には誰よりも落胆しました。そういやその後BELLADONNAどうなってんの?と思うことも忘れた頃、MYSPACEの誰ぞか(確かANTHRAXかスコット・イアン個人)のトップフレンズにこの名前があるではないですか。辿って見てみたらしかも、大ガッカリな2作目「SPELLS OF FEAR」より後にも音源が出ている。ガッツリ試聴して当然の如く注文。ほどなく届いた現物はというと、物凄く手作りなCD-Rでした。泣ける。しかもペラ1枚のブックレット(もちろん光沢紙に自家プリントしたもの、解像度は低め)の裏にたぶんジョーイ本人のサインが書かれている。青ボールペンで…。号泣っす。

 マット・ズーバーなるギタリストとの二人体制で制作されており、作風はBELLADONNAの1stとも2ndとも、勿論ANTHRAX時代とも違って、叙情的なAORにどうしてもメタリックなギターをこじつけたいみたいな相当不思議なものです。だがリアル・ジョーイ・ファンであれば、彼がANTHRAX絶頂期時代から「好きなシンガーはスティーヴ・ペリーとか」みたいに公言していたことを知っているでしょう。遂にやりたいことを形にしたのかと、また泣けます。声は本当に全然変わらないし。更にはジョーイが全曲で頑張ってドラム叩いてるんですね。リアル・ジョーイ・ファンであれば、彼がANTHRAX絶頂期時代も"I'm The Man"を演奏するときはドラムに回って、楽しそうにラップする残り4人の蚊帳の外に追いやられていた上、ミスをしたせいで「ヨシみんな言ってやれ、ジョーイ・ファックアウト!ジョーイファックアウト!」と観客を煽って言わせたひどいMCまで音源化されていたことも知っているでしょう。録音状態は本当に「とりあえずマルチ録音したデモテープ」程度。ヴォーカルがよく聞こえるミックスになっていることだけが救いですが、もうどこまで泣かされればいいんでしょうか。

 かつてはISLAND(!)おかかえの新進気鋭メタルバンドの顔だった彼が、いまやこんな状況になっているというのはいくらなんでも悲しいですが、逆をいえばそういう状況にあっても音楽を作り続けることに賭けてきたという、(大変月並みな言葉を隅々まであてると)「音楽に対する彼の並々ならぬ情熱に胸を打たれます」。実際。だからいきなり日本なんかからオーダーが入って喜んでもらえたんでしょうか、記念にジャケ裏のサインも載せておきましょう。いつか冴える相方をつかまえて最高の復活作を作ってくれますように。

  4月21日
▼今日は鶴舞KDハポンで一人ライブしてきました。仕事を休んで一日練習して、会場でのリハもばっちりやった甲斐あってか、上手い具合にまとまったんではないでしょうか。集中力の問題はやはりでかいな。"Eruption"(VAN HALEN)や"Islands"(KING CRIMSON)などを好き勝手カヴァーして満足。いつでもover30狙いです。

 しかし一人演奏というのは、多少のミスが起きそうになっても、ちょっと止まって(実際に空白を作る形で演奏を停止させることはないですが)持ち直す過程の手際までもを臨時の見せ物にできたりするから、緊張もある分ラクなところもあります。そう思うとバンドという組織(の中でもノーマルに形のある楽曲を演奏する部類)では、どのメンバーとの間でも正に自分の思う音(音程・音量・音色・速さ・長さなど全ての音響要素において、想定の範囲内/外は別として目標とする完成度に対して妥当と思えるもの)が鳴っていないと、成果物がちゃんと「ひとつのもの」にならないから、人数が増えれば増えるだけシビアになるわけですねー。そういえばデュオというものを見て「噛み合わないひどい演奏だな〜」とか「何をやりたい曲なのか判らんな〜」と思うことは少ない気が。お前らハネムーンかというくらいイメージを密にすり合わせる作業を、人数×組み合わせ分だけやんないとダメなんでしょうね。

 なんか自分が新卒の就活生だったら、面接官に向かってこんなような考えを都合よくまとめ直したみたいな屁理屈を垂れてそうだな。意外と通用しなかったりするわけだけど…。何でも材料にして頑張ってね大学の後輩の皆さん、もう済んだ人はおめでとう!

【本日のレビュー:SOLSTICE「PRAY」】


星の数ほどいる90年代前半のマイナーUSデスメタルバンドの中でも、デビュー作が素晴らしくてマークしていた人達です。1枚限りで消えていたと思っていたら、2作目があったとは…。ドラマーは変わらずMALEVOLENT CREATIONにいたアレックス・マルケス。やっぱりデスメタルバンドはドラマーが野獣ってだけで大幅パワーアップしますね。非常にタイト&ブルータルでほどよく直線的な、かっこいい純デスラッシュをやってます。ギターサウンドや刻み方がなんとな〜しにPANTERA系の雰囲気を汲み入れてるようで、ちょいとEXHORDERSEANCEの2枚目も思わせる硬質感が漂う。もう少しモソッと肉っぽい方がデスメタルらしくていいんだけどまあ問題なし。質は最高なんだけどいち系譜を築いているほどではないので、このあたりを敢えてオススメ、というのはどういう人を対象に想定すればいいんでしょうか…OBITUARYはズルズルし過ぎ、MORBID ANGELやINCANTATIONは仰々しさやダークさが邪魔、CANNIBAL CORPSEは気持ちよくノリきれない、SUFFOCATIONはいい線だけどもっとストレートにブラストしてほしい、THE HAUNTEDをもっとオリジナル世代っぽくしたようなやつってないんですか?というとても鋭いニーズを自覚する人、もしくはただのマニア用なのか。いやーだけど何か独特の爽快感があるんです、オランダにNEMBRIONICがいるようにフロリダのSOLSTICEも覚えといて下さい。

  4月20日
本日の収穫、大須コメ兵前のバナナレコード出張ブースにてSOLSTICE「PRAY」。このバンド、まさかの2枚目があったんですね。店番はまた元ポップクラブの店長さんがしてました。今日はここ数日の怠慢挽回ということで、DEAD CHILDキャンペーン継続中につき80年代USメタルの中でも準A級スラッシュ狙い撃ちでレビュー大量掲載しておきます。DEAD CHILDを検索キーワードにして辿り着いた人もいたようなのでついでにちょっと検索してみたところ、どこもかしこも「JUDAS PRIEST〜IRON MAIDEN似の」みたいに紹介してて非常に萎えた!!そこじゃないからこそクールなんだっつーの。

▼あと今日は「張本勲にウケ過ぎる江川紹子」にウケました。もう失笑とかじゃなくて普通に温かい笑いだった。

【本日のレビューその1:HEATHEN「BREAKING THE SILENCE」】


87年1st。HEATHENはスラッシュメタルムーヴメントの中でもメロディアス寄りだったというか、んじゃそれって普通のパワーメタルなんじゃないの、と言われても確かにそうといえるようなバンドでした。乱れ舞うツインギター速弾きを強調し、胡散臭いハイトーンが高速ツーバスに乗って叫び倒す。USスピードメタルに感化された初期HELLOWEENスタイルの逆輸入ですね。ギターの歪ませ方なども含めて荒々しさの質がとてもアングラくさいのが味です。「メタルしか好きじゃない」というこの感じ。わかりやすいシンガロングパートは設けてくるものの、メロディが恐ろしく単純で、奮い立つ悲哀とか全然ないのもアメリカ産らしい。MANOWARからの流れでやっぱり、メタルをひたすら筋肉美に置き換えるのがUS式なんでしょうか。局所的な突き詰め具合はスゴイので、切り取り方次第では今こそクールに見えるかも。この残党がやっていたTHE COMPANYはどうなったんでしょう。

【本日のレビューその2:DEATH ANGEL「FROLIC THROUGH THE PARK」】


確かデビュー時に全員10代で、早熟の天才みたいに騒がれたというDEATH ANGELです。話題になったデモテープのフォローアップ的に完成された1stと、これ見よがしにファンクを導入した3rdがもっぱら取り上げられがちなので、その間ってどんなんだっけということで88年の2作目を聴いております。何のことはなくて普通にEXODUSとかあたりに準ずるオーソドックスなUSスラッシュでした。曲のまとめ方やフックの設け方が簡潔かつ安っぽくなくて、楽曲に入り込んでスカッと聴きやすいのがいいところですね。「目鼻立ちが派手」みたいな。アイドルより映画女優が好きという人には敬遠されるかも知れません。スラッシュメタルなんてものは勃興後10年足らずで方法論の煮詰まりにより自壊する音楽であるので、一握りのオリジネイターと一部の異端者を除いては「いかに効率的でかつ熱量が高いか」という選別方法でよいのです。あ、中盤以降から少しずつトチ狂ってきました。Pファンク風カッティングが一瞬入ったり、RUSH+VOIVOD?な変拍子パートが現れたり、はたまたSAINT VITUSかTROUBLEみたいなスロウチューンがあったり。実験性をほどほどの幅に収めてカッチリまとめた次作「ACT III」より色々やってて面白いかも。

【本日のレビューその3:POSSESSED「SEVEN CHURCHES」】


ディープになって参りました。スラッシュメタルブーム期間中の盛り上がりよりも、その後デスメタル/ブラックメタル方面からのリスペクトの方が厚いカルトスラッシャーの85年1st。再生し始めると一瞬「あれ、マイク・オールドフィールドとCDの中身入れ替わってたかな?」と思いますが冒頭曲が"The Exorcist"という曲なのです。「安っぽいSLAYER」では片付かない、もっと屈折した内容ですね。ヴォーカルのきたなさ、ドラムのもつれ具合、単音をいつまでも高速で刻むブラックメタル直結型のリフ、時に不条理なリズム展開、意外にテクニカル(特にギター)な変態キメフレーズの挿入など。SODOMと初期ATHEISTが合体した感じで、これは今聴いても非常にシブイところを的確に突いている。85年にして"Death Metal"というタイトルの曲も入ってるし、エクストリームメタル史においてはひとつのマイルストーン的な作品ですね。あっブラックメタルでよくある「ポポポタタタトトト…」というタムロール(もちろん深海のようなリヴァーブつき)も完全にそのまんまのやつが出てきました。ずっと棚の肥やしになってたけどこれは聴き込まねば。んでドラマーは何とその後PRIMUSを結成します。ちなみにPRIUMSのベースヴォーカルのレス・クレイプールもBLIND ILLUSIONというスラッシュメタルバンドの出身。

【本日のレビューその4:NUCLEAR ASSAULT「GAME OVER / THE PLAGUE」】


シメは何にしようかと思って、結局普通の定番をもってきてしまいました。ANTHRAX〜S.O.D.と経てきたダン・リルカがようやく放った彼の本丸バンドの86年のデビュー作、および87年のEPのカップリング盤。スラッシュメタル界広しといえど、こんなスッカスカでかりんかりんのナチュラルオーヴァードライブサウンドで押し通すアルバムを他に知りません。機材がなかったのか、音作りを知らなかったのか、「ナンセンスに歪ませすぎてもヌケないだけなんだよ…」みたいに達観していたのか。とりあえず普通に物足りないです。作風は何とも独特で、リフがあんまり構築的じゃなくてパワーコードの移動で曲が成り立っている感じ。ここがハードコア的ということなんでしょうか、彼らもクロスオーヴァーの旗手みたいに言われていたので。かつ時々妙に泣きが入ったりもして、ヴォーカルはあくまで青筋系ダーティハイトーン。演奏全体のキレは非常によく、そのへんのテンションひとつで単純な楽曲も楽しめてしまいます。ユニークはユニークなんだけど「なるほど80年代アングラUSメタル、こういうことね」というわかりやすさは今日の4枚の中で一番出ていると思うので、この手の入門にまずどうぞ。

  4月19日
▼今までも「MTV JAPANの特番のプレゼントに応募してジョン・サイクスのサイン入りレスポールスタンダードが当選する」、「『HEAVY METAL SYNDICATE』(メタル雑誌BURRN!がやっているラジオ番組です)でハガキの宛先を20秒程度の歌にしたものを公募するという企画に通り、応募した作品が番組中で流れる(しかも2回3作品)」等の記録を実は築いていた私ですが、このたび「DEAD CHILDのオフィシャルサイト上で催された、メンバー写真を利用した間違い探し企画(画像のレタッチをしたのは元THE JESUS LIZARDのデイヴィッド・ヨウ)で唯一の世界勝者となり、Tシャツ・リストバンド・ポスターをゲットする」が加わりました。まさかこういうこと(→保存用キャプチャこちら)になるとは…。散々気になりながら実はまだアルバム買えてなかったので、今日わざわざそれ1枚だけ注文しました。

▼今日もまた短縮バージョンで失礼します。今日の理由は「おなか一杯すぎて早く横になりたいから」です。ほんとにかれこれ3時間くらいずっと苦しい。うぉーえ。

  4月18日
収穫はなし。最近はタマネギがおいしいですね。いまとりあえず好きな食べ物はときかれたら「新タマです」と答えるでしょう。「新タマたっぷり・あとは普通の豚丼」と「イクラだくだく海鮮丼」のどっちかを選べと言われたとしても、うっかり豚丼の方を選んでしまいそうだ。タマネギとイクラ、冷静に考えればイクラを取るはずなんですが、「期間限定」と「通常の期待を意外に上回ること」の求心力は強い。まやかしに目を眩まされぬようにせねば…などと結んではしかし心が狭すぎますね、旬は大事。

 そう言い聞かせ続けて「目の前にある中古CDをまさに今、買わないわけにはいかない」という強迫観念に取り付かれてしまった結果が現在のこの自室のグレートウォール・オブ・CDズだったんでした。響きの良い言葉も一面的に肯定してはいけない。とCDから学ぶ。

▼CUBASEで覚えたショートカットがWINDOWSの一般的なショートカットと共通だったことがわかり(CUBASEでも「Ctrl+V」で貼り付けだったりします)、いま猛烈にショートカットを謳歌しています。内田有紀、遠藤久美子、相原勇。こうやってうかつに変なキーワードをつかうと変なところで検索に引っ掛かったりするから良くないですね。広末涼子。

▼今日も何かとすることがあったのでレビュー略。ドカンと暇があったらCSSを濫用してこのサイトのソースをスッキリさせたいです。

  4月16−17日
本日の収穫、オークションで購入のBELIEVER「SANITY OBSCURE」。PCでマスタリングするのは楽ちんだな!EQとコンプでこねくり回さなくても、真空管っぽくウォームに歪みますみたいなのをセンドエフェクトとして付加するだけで「うーんこの、ガッツが無いというか中域のモリッとした厚みのなさはどうやって…」みたいな曖昧な問題も一発解決するではないですか。PCベースへの移行は難しそうとゴネていた過去の私に「ホレ、これで大人しくCUBASE STUDIO 4でも買いな」といって5万円くらい渡しに行きたい。

 早起き生活になったのでレビュー省略。今日はたまたま休みで、それなりに休みらしく過ごしたのに、今になって(25時過ぎ)寝ないといかんとかいって時間に追われるとはあほだ。

  4月15日
収穫はなし。PCでミキシングするのは楽ちんだな。

【本日のレビュー:BRUCE COCKBURN「SUNWHEEL DANCE」】


和みもので久々に「良過ぎて困る、死ぬ」級に出くわしました。カナダのフォークシンガーの71年3rd。久々といっても前回もこれだった気がしますが。(いや、ロブ・ラモスを忘れてはいけない。)裏ジャケの解説どおりルネサンス音楽とピエモンテ・ブルーズが溶け合った最高の冒頭曲で既に名盤確定。そこから後も超名曲だけが予定調和の如く平然と連なるというこの充実度はどういうことだろう。カナディアンフォークは土臭さの代わりに温かみや優しさのあるメロディが強く出ていることが多くて好きなんですが、この人はその部分が無敵級な上に、朝の冷水の如く冴えきってもいるというか。うーむ、シンプルなものが果てしなく素晴らしいという盤に対しては文章が伸びません。「こう聴くと楽しめる」とかもないし、「何々が好きならオススメ」とかでもなく。最高なのでオススメです。あまりに最高なのでバックカタログをひととおり試聴してみましたが、途中から若干政治色を強めてくるとともに歌声も力強くなってくるみたいで、純粋に工芸感のあるこの時期の作品が個人的には好みでした。

  4月14日
本日の収穫、CD CONNECTIONから到着のREFUSED「SONGS TO FAN THE FLAMES OF DISCONTENT」「THE SHAPE OF PUNK TO COME」「THE E.P. COMP CD」。チャーリー・ベナンテの最近のインタビューでREFUSEDの名前が出て(昔からお気に入りらしいです)、ちゃんと聴いたことないなーと思って試聴したその指で即購入でした。

【本日のレビュー:REFUSED「THE SHAPE OF PUNK TO COME」】


「パンク来るべきもの」ですか。スウェーデンのハードコアバンドの98年2nd。変則リズムにヘヴィリフを乗せて猛々しく叫ぶ、QUICKSAND+UNSANEてなスタイルで、最高。今までスルーしていたなんて信じられない。エレクトロノイズやシンセ/リズムマシンも貪欲に導入し、起伏の設け方やブレイクの組み込み方もえらく巧妙で、単に激烈なだけでなくてありとあらゆる刺激が盛り込んである感じ。後続のニュースクールHC勢はもちろん、TRAINDODGEその他の「全時代骨太ロック総括再生系」な一派(を形成するほど数がいない気もしますが)へ落とす影は大きいんでしょうね。このフットワークでいかようにも新しいアプローチを提示していけそうに見えるのに、これがラスト作になっているとはまったく惜しい。

 というかこの手の音楽自体、独創性と発展性にこれだけ富んでいるのに、いろんなバンドが「ハードコア」「ヘヴィロック」「グランジ」「(ポスト・)スラッシュメタル」等のくくりに仮住まいしていて、それらの単語で近似的に言い表すしかないために、踏み込んでみてはじめて何か違うなと気付くというか、踏み込むまでが遠いというか、何か損してますよね。ジャンル名を与えられることによって認識が明確になって盛り上がる、ということもあるかも知れません。LED ZEPPELINとRUSHからANTHRAX、BASTRO、JAWBOX、SOUNDGARDEN、BARKMARKET、HELMET、FAITH NO MORE、TAD、UNSANE、KING'S X、SHUDDER TO THINK、THE JESUS LIZARD、QUICKSAND、THOUGHT INDUSTRY、FUDGE TUNNEL、REFUSED、SHINER、SHIHAD、MOLLY McGUIRE、ATOMIC OPERA、DEFTONES、ROADSIDE MONUMENT、BOTCH、TRAINDODGEにRIDDLE OF STEEL…っと曖昧に繋がる線、誰かうまいこと言ってくれませんかね。

  4月13日
収穫はなし。雨の日にギターを背負って自転車に乗るときは、ポンチョをギターケースごと被ってこういう風になります。こりゃ足まで濡れないし漕ぎやすいしイイや、と思っていて、あるとき先輩の結婚式の二次会にもこの格好をしていったら、大勢の知人に「変質者」「絶対誰か入ってる」「警察に止められる」などと散々言われたんですが、そんなに問題ありますか。

 絵に描いて見る限り、そこまでおぞましいものにも思えないですが。あっでも今日もすれ違った女の人に、真横まできたところで(何だろうと思っていた部分の中身がギターケースだと見えて納得したのか)「アッ…」と小さく声を出されたりしたな。何か?

【本日のレビュー:VANDENBERG「HEADING FOR THE NIGHT」】


昔から美旋律マニアが名盤名盤とうるさい、ダッチ・メタルの代表的バンドVANDENBERGの83年デビュー作。リーダーのエイドリアン・ヴァンデンバーグ(g.)は、その後WHITESNAKEに加入するもすぐに腱鞘炎でリタイアしたり、90年代頭にはバーゲン棚の恋人・MANIC EDENを結成したりする人ですね。彼が一番凄いのはやっぱり、それっぽい立派なアルバムジャケを自ら描いてしまうところなんじゃないでしょうか。このアルバムも当然本人筆です。

 内容は7割方、GRAND PRIXとかと同列に置いて問題のない感じの、ワールドスタンダード踏襲型80年代AORハードロック。エレドラのあざといタムが鮮やかな冒頭曲、いいですねー。"Friday Night"。でポジティブすぎるくらいに高揚した爽快路線を順当にニコニコ楽しんでいるとA面ラストにきて突然、MSGをグッとクラシカルにしたかのような強烈な悲壮感を漂わす"This Is War"の急襲が。ギターソロも技やニュアンスの冴えこそボチボチなものの、マイケル・シェンカー風の「どこまで行っても決めメロの大河」な流れづくりに奮い立ちます。B面に返すとやや低調が続き、タイトルトラックが多少いいシケ度をしてたかな…と思っていると、またもやラストに今度はツーバス疾走でEUROPE風にむせび泣く"Waiting For The Night"が炸裂。うーん、アルバム序盤のテンションの高さが最高なので「"This Is War"と"Waiting For The Night"だけでも買う価値のある叙情メタルの名盤」みたいな言い方は嫌だなあと思って書き始めたのに、通して聴き終えるとやっぱりそういう印象になりますかな。しかも近頃のいわゆるメロディックメタルにはない軽やかさやあっさり感が何ともいえぬ風情をたたえておりまして、わざわざ遡って掘り起こすだけの価値が充分に感じられます。全3枚ともWOUNDED BIRDがリイシューしてくれてますのでどうぞ。

  4月12日
本日の収穫、いつ以来に行ったかわからないバナナレコード四ツ谷店にてTOE FAT「TOE FAT」。3日前に届いたAKGのヘッドフォンK-240S、エージングが進んできたようなので(SEPULTURAをガンガン鳴らしておいたらかなり効きました)そろそろインプレが書けます。

 大まかには「ドライかつ近すぎない」「定位感が明確」「ゆえに個々の音色を細部まで判別しやすい」「多少ロウミドルが主張気味」といったところでしょうか。セミオープンといえど密閉感は充分あり、後から付加される響きの豊かさとか音場感みたいなものがほとんどなく、普通の日常聴きにはやや味気なくもあるでしょう。スタジオでのミックス用というのはひたすら納得。ジャンルを選ばず正直に鳴る分、変に偏りや得手不得手のあるものを買ってしまうより確実ともいえます。

 装着感の方は今のところ、フィットはするが不必要にモサモサと柔らかかったりしないし、ぺったり張り付きもしないので、暑苦しさは特になし。夏になったらどうだか判りませんが、この価格帯で一年中の快適まで求めてないのでまあいいです。これはいいかなと思った特色は、ヘッドフォン本体とケーブルがプラグで接続されているというつくりになっていて、ケーブルだけを取り外せる点。ギター録りをするときにヘッドフォンケーブルがストラップの下をくぐらないようにするのが相当面倒だったのでこれは嬉しい。

 ということで総じて「価格相応」といったところでしょう。明確な用途があってそのためにこれの購入を検討しているのであれば、買っちゃって問題ないと思います。

【本日のびっくりジャケ:TOE FAT「TOE FAT」】


おっお前は何者なんだ…。あ、エドはるみか。だいたいの内容はこれの次作のレビュー参照。ケン・ヘンズレイ&リー・カーズレイクのURIAH HEEP組がおりますが、まあ何てことのない初期ハードロックでした。

  4月11日
本日の収穫、ばったり行き当たったMUSIC FREAK高畑店にてURIAH HEEP「INNOCENT VICTIM」(77年、ジョン・ロートン参加)。まん前に広大な専用駐車場のついた、外装からしてどう見ても元コンビニというイカれた店構えのところでした。もうひとつROCK SIDEという看板があったけど店舗そのものが見当たらず、まだ存続してるんでしょうか?情報をお持ちの方はこちらまでお寄せください。

▼音楽をやる人や聴く人の部屋が散らかって見える二大原因は「レコードショップや楽器屋のビニル袋」と「各種ケーブル類」。あと「使い回すために捨てないでおくエアパッキン」と「パッと捨てるにはちょっともったいないデザインのフライヤー類」を加えて四天王としてもいいでしょうが、とにかく最初の二つのうち「各種ケーブル類」がここのところ、一人多重演奏の方法を色々試すうちに非常に深刻になってきて、でもどうせキレイに片付けたところで一つまた一つ…と機材を引っ張り出すうちにグルングルンになるんだろうから、いっそパーマネントにセッティングしてしまった中で毎日過ごそうと、PCデスクの足元にこのような遊びセットを組み上げてみたのでした。

 公表して自己満足。このカシオトーンはLEDの類いが一切ないからいつも電源を切り忘れます!!今日はアダプター差してあったから助かった。その上にある年代モノの電子メトロノーム、BOSSのDR. BEAT DB-33、これが大変アナロギッシュでたまらん名器でして、ガラクタ演奏愛好家にはオススメ。

【本日のレビュー:AGENT STEEL「UNSTOPPABLE FORCE」】


うーむマスターピース。先日のDEAD CHILDのくだりで名前だけ投げっぱなしにしてフォローしてなかったので取り上げます。いかがわしいB級USハイトーンパワーメタル代表格バンドのこちらは87年2nd。HOLY TERRORの人は既に脱退済み。一聴してとにかく、ジェフ・テイトMANOWARの狂信者と化したかのような極端すぎるハイトーン絶唱の撒き散らしに圧倒されます。まっとうにスゴイというより笑える、引くの類い。楽曲的にはおおむね「正統派育ちだけどスラッシュブームの空気をたんまり吸い込んでいる」という雰囲気。この時代まだまだ大西洋は広く、クラシックなブリティッシュハードの系譜とはどうしても断絶があって、それゆえメタルならではのプレッシャー・エッジ・大仰さなどが純粋に対象化されているような感覚。この「奥行きなきフィジシズム」こそUSメタルの醍醐味だったりもします。(世代が新しくなってくると国籍問わず学習が進んでしまってこういう風情は薄れるのですが。)そこを更にスマートに標本化して現代に紹介するDEAD CHILDの目のつけどころは鋭かった。「入り込みづらい世界観」をうまく排除して「独特の語法・音響によるダイレクトな圧倒感」のみ残すという。話を戻しまして、AGENT STEELが未だ誇るべきB級バンドとして語り草になっているのは、(再結成して現役というのもあるかも知れませんが)やっぱり良質なフックの存在ゆえなのでしょう。やり方が巧みというより直感が冴えてる印象。中でも6曲目"Rager"は永遠の名曲です。ハマリンメタル、イントゥヨヘッッズ!!ということで買い。

  4月9−10日
▼9日は宣伝を繰り返していたとおりKDハポンでのライブを敢行。詳しく(もないですが)はこっちで触れております。で9日の収穫、サウンドベイ上前津にてBRUCE COCKBURN「SUNWHEEL DANCE」、以下バーゲン品500円でTONY BANKS「THE FUGITIVE」(83年)、BARCLAY JAMES HARVEST「XII」。それと、使っていたヘッドフォンが日々の手荒な扱いによって断線気味になってしまったため(自室での私は驚くほど物をいい加減に扱います、CDの中身以外)代わりに購入したAKGのK-240S。ギター/録音関係をBELDEN8412に統一しているだけに「海外のスタジオの定番」という叩き文句に弱い。

 そして再来週の単独出演の方は、前回出演時にMCで「次はデスメタルやります」と言ってきたのと、共演がインプロ系の方々ばかりということで、ここぞとばかりにDARK SOL名義でいこうと思ったら、「そういうメンツの中で普通の歌ものを…」という主催側の意向だったようで急遽練り直し。子供向け番組のレコメン風カヴァー、カシオトーンとメトロノームでデトロイトテクノ、DARK SOLでも2曲やって、いつもの感じの歌ものも入れようという「僕はカレー、私ハンバーグ、そうだオリエンタルのハンバーグカレー」的な(このネタ東海地方の20代後半以上限定でしょうか??)内容になりそうで、面白そうなので、おすすめです。

【本日のレビュー:BARCLAY JAMES HARVEST「XII」】


叙情派ブリティッシュロックバンドの78年作。3年前に74年作を取り上げたとき(そんなに前だと思ってなかったので今凄くショックです、歳取ると月日が経つのが…)に「80年代に入ってポップ化した頃の作品を聴いたらまた、その時期のCAMELみたいな絶妙な塩梅になってて良さそうですね。」と書いてるんですが、このアルバムはまさにそのライン。RUSHとかもそうだけど、「ロックの良い時代(=70年代前半〜中盤)」に確かに活躍したものの本当はメロディアスでコンパクトにやったほうが真価を発揮するというタイプのバンドは、来るべき80年代に備えてディスコビートやソウルフュージョン/AORなどにうっすら感化されかけたりして、かつリヴァーブ温泉で溺死するほどまではいかない、このあたりの時期の作品が一番聴き応えあります。ロック然とした土臭さやいかにもなフォークっぽさに縛られた旧来のイディオムから歌メロが自由化して、グッときどころの的が絞れているというか。上述のとおりCAMELなり、SEBASTIAN HARDIE、ちょっとEAGLESっぽい色も入って、あくまで英国ジェントル声の育ちのよさそうなヴォーカルが全体を更にしっとり落ち着かせる、シンセ多めの清涼ロマンティック・ポップといった趣きになっております。あるいはゴダイゴ・ミーツ・安全地帯(?)というか。別にプログレの世界に興味ないという人もどうぞ。

  4月8日
収穫はなし。ネットショップでヘッドフォンを購入したのに、何故かステレオミニプラグをステレオ標準プラグに変換するアダプタだけが届いて、あ〜クリックし間違えたのか…そんなはずねえよな…とだんだん怒りが沸いてくるという夢を見ました。

▼以下機材日記。用途に合わないと思って一度は売却も考えたTC ELECTRONICのオーヴァードライブペダル・VPD-1がやっぱりかなりイイので、購入を検討して検索しまくってここへ来た人には「買いですよ」と言っておきます。メインの歪みにするにはちょいとブーミーなため、ブーストチャンネルを常時ONにして、そっちにしか効かない低音ツマミをざっくりカットすると非常に良い感じ。更に前段にクリーンブースターを置いたりすると、アンプの歪みなしでもかなり自然なリードギター向けハイゲインサウンドが得られます。軽くペトルーシ風みたいな。ただしノイズの多いシングルコイルのギターとかでこれをやると何故かブビーン!とひどいことになるので注意。私が所有の個体だけのトラブルなのかわかりませんが。

 というより明日と再来週よろしくお願いします

【本日のレビュー:RICHIE KOTZEN「THE INNER GALGACTIC FUSION EXPERIENCE」】


SHRAPNEL出身でPOISON〜MR. BIGと渡り歩いたテクニカルギタリスト界屈指のソウルメン、リッチー・コッツェンが95年にリリースしていたインストアルバムです。うっかり国内盤を買ってしまったんですが、本人の経歴とアルバム制作の経緯を簡潔にまとめた川合純行(元BURRN!)によるライナーが秀逸だったのと、もともと外盤と間違えて買うほど日本語挿入の害が少ない装丁だったからOK。

 でこのアルバム、デビュー初期の路線とも異なるホールズワース風のフュージョンスタイルをやってまして、そんなイメージがない人なので意外ですが、非常によろしいのです。どれだけ速く正確に弾いても常にトーンに揺れがあるというか、ピッキングの強弱が高域の鳴り具合に影響しやすいシングルコイルならではの性質を完全にコントロールしていて、恐ろしく表情豊か。ハムバッカーにコンプをばんばん掛けてフロントPUでポプポプポプ…とやる大半のメタル系ギタリストとはまるで違います。血気盛んなジェフ・ベックという感じ。どこまでタッピングでどこからスウィープか分からない大胆なフレージングもかっこよいですな。スケールアウトも自然で巧妙だし、ま〜天才的。しかもこの人はヴォーカルも素晴らしいわけで、冒頭曲で軽くスキャットを披露するほか終盤2曲が普通に歌ものとなっておりまして、グレン・ヒューズとクリス・ロビンソン(THE BLACK CROWES)の中間のような燃えあがる熱唱を堪能できます。なれるものならなってみたい完璧男。ちゃんとジャズメンがやるフュージョンを聴くような人にもオススメしてみたい。

  4月7日
本日の収穫、今池P-CANにてDEEP PURPLE「ABANDON」(98年)、VANDENBERG「HEADING FOR A STORM」。ついでにグレイテストヒッツにも寄ろうと思ったら消失してました。大須店に2階ができたからコッチは畳んでたんでしょうか、全然知らんかった…。今日の名古屋は強風をともなって雨がよく降りまして、P-CANに向かう途中の路上、突風が吹いた折に後ろから「低気圧ウゼ」と聞こえてきたのが数秒間かけて軽くツボに入ったというのが今日の印象的な出来事でした。見たら発言主は素行の良さそうな高校生男子。

▼今日はレビュー代わりに本文で準レビュー的な話題を。ここ最近、パパMことデイヴィッド・パホ(ex.SLINT、TORTOISE、ZWAN他)とSHIPPING NEWSのトッド・クック率いるメタルバンドDEAD CHILDが、やたらと頻繁に彼らのmyspaceにブログや画像をアップしていて、熱入ってんな〜と思ったら明日がフルアルバムのリリース日だったようです。チラッと聴いたところこれがもう完全に、AGENT STEELやHELSTARばりのいかがわしさ100%なUS Metal!遂に来たか、メタル・イズ・ザ・クーレストの時代が。(判ってます、違います。)ドンキャバやロブ・クロウ、BASTROもどう聴いてもそうだし、マイナーなところでPITCHBLENDEなども然り、ポストハードコア〜マスロックの硬質性にヘヴィメタルが関与してるのは無視しきれない事実であって、それも日本でよくあるIRON MAIDENのエディやAC/DCのイナズマをファッションで着飾るようなレベルではなく、VOIVODやCELTIC FROSTや魑魅魍魎のNWOBHMなんかが北アメリカ大陸の土壌にはじっとりと染みているようなのであります。「だからメタルは優位なんだぜ」という論理に持ち込みたいわけではなく、海の向こうではごく普通に定着している一方で、日本のリスナーがいろんな音楽を追ううちにメタルでしかないものの寸前まで来ているにもかかわらず「RELAPSEやSOUTHERN LORDの一線を越えたらもうダサイ世界だな…」と変に線を引いて踏みとどまったりするのは非常にもったいないということです。

 だがしかし「括り」にこだわって聴くも自由、なにがしという肩書きのものはいくら内容がどうでも聴く気しないぜというのは私にもよくあります。「耳を自由に」とだけ声高に叫ぶ輩は信用しない。要は「ヘヴィメタルは既にロックンロールの世界において誇り高きクラシックと呼べるものであるといえる状況的事実があると思うので、『なるほど、いいものなのかも』と心の壁を捨てて多少なりと興味を持ってくれる人が増えたら個人的に世の中ちょっと明るくなります」ってだけでした。そんな大義とは別にDEAD CHILDは普通にかっこいいので皆さん買って下さい。リリースもCENTURY MEDIAとかじゃなくてQUARTERSTICKですから。

  4月6日
収穫はなし。ウァハハハハ。

【本日のレビュー:ENCHANT「BLINK OF AN EYE」】


今更ながらにコンプリートに走ってしまいました、USプログレメタラーENCHANTの2002年作。80年代RUSH風の清涼系サウンドとDREAM THEATER的なヘヴィネス導入、産業ロック的なメロディアス具合の複合攻撃に魅了されっぱなしです。方向性として特に奇特なものではないはずなんですが、何がこんなにアピールするんでしょう。多分「サウンドに憧れる」のではなくて「しっかりといい曲を作る」ことに重きを置いているからだと思いますよ。プログレメタルファン、いわゆるMelodic Rockファンはもとより、何度も言いますがエモい美麗ポストロックがお好きな方は本当に騙されたと思って聴いてみていただきたいです。アンサンブルの質感に多少「うわハードロックくせえ…」と引くかも知れませんが、そこをクリアした先の本質はAMERICAN FOOTBALLに勝るとも劣らずですので。

  4月5日
収穫はなし。花見スポットの有り難いつきものといえば犬の散歩。最近は柴犬を以前より多く見かけるようになった気がします。黒いのも流行ってますね。だって柴犬が一番かわいいですから、当然です。

【本日のレビュー:SEPULTURA「DANTE XXI」】


あんまり最高なので二日続きでSEPULTURAいきます。こちらは2006年リリース。相変わらずカッコイイくらいしか言いたい言葉がないですね。表層的になりがちな「民族楽器使いました」「何々スケール鳴らしました」の類いに落ち着いたりすることのない、血の内側から表現するような有色人種メタル。キャリア相応の深みを身に付けていきながらもアグレッション(単純にテンポやギターの歪み量だけではない次元の)をまったく落とさずにいくという、現役然としたテンションの永続的維持はもはや偉業。こんなことだけ書いても多分音楽的特徴が全然伝わってないと思うのですが、特別奇怪になるようにやっている訳でもないのにどうにも似たものがない音になっていて、この雰囲気の例えようがないのです。人力演奏なのに妙なカットアップ感漂うリフはやっぱりストイックなテクノみたいでもあり、黒人シンガーのデリック・グリーンが持ち込んだそこはかとないアフロ・ヴァイブとその他3人のブラジリアン・グルーヴが溶け合って南半球的な熱気が常時立ち込め(といってもデリックは米国出身らしいですが)、身を削るようなラディカルさはハードコア的。物凄いことになってしまったTHE ETERNALSとか?KILLING JOKEに頭から食われたMASTODON?まあとにかくガッツリとケツ蹴り上げられます、埒が明かないので買って聴いて下さい。

  4月4日
収穫はなし。今年は花粉症があんまりひどくならないので花も落ち着いて見られます。今月半ばの一人ライブをどうしようか思案中で、現在はゴリッと暗礁の手応えを得ているところです。ああどうしよう。その前にDOIMOIもありますから今月はハポン通いでお願いします。

■■4月9日 (Wed.) 名古屋 鶴舞KD JAPON
19:00開場 / 19:30開演
 DOIMOI / 南無 / ラガン
前売り・当日とも 2,000円

■■4月21日 (Wed.) 名古屋 鶴舞KD JAPON
18:30開場 / 19:00開演
 村上等+平尾義之 / flyline(kei+臼井康浩) / kittles / DARKSOL(DOIMOI杉山ソロ)
前売り・当日とも 2,000円

【本日のレビュー:SEPULTURA「ROORBACK」】


いやーカッコイイ。90年代型グルーヴメタルに強力なダメ押しを与えてきたブラジリアン肉食獣スラッシャー・SEPULTURAの2003年作です。96年の「ROOTS」で醸し出し始めた単調なブラジリアン色を、脱退したマックス・カヴァレラ(g./vo.)がSOULFLYにソックリ持っていってくれたお陰で、こちらの本体にはただただ鮮烈な革新性とセンスが残され、新たにかなりエキセントリックな素材である黒人シンガーのデリック・グリーンを得てからというもの、時代を見据えたカッコイイ作品を次々と産み落としてくれているのです。特にこれの1作前の「NATION」では、ポリティカルでアフロで激烈ハードコアな新次元ヘヴィミュージックが完成を見るに至っておりました。

 でその2年後にリリースされたのがこちら。基本的に同路線の延長線上ですが、一切の生ぬるさがない。この手の音楽に特有の調性不明なギターリフも、何故かフレーズとしてスッとして入ってくるキャッチーさがあるのです。それでいて「フレーズ」と「ノイズ」の境界をまたぐような妙な音も巧妙に混ぜ込み、とにかく「新しい音」としてビシビシと刺激を放つ。アンドレアス・キッサー(g.)のこういうセンスは本当、トライバルテクノ(しかも全然安っぽくないやつ)みたいです、昔から。やたらとリズムパターンの引き出しが多いのも特長で、次はどんな、その次は…と没入して聴き進めるアルバム構成の緩急具合は見事の一言。大ヴェテランのニューリリースということでプレッシャーも少なくはないだろうに、まったく行き詰まる気配がないですね。SYSTEM OF A DOWNは面白いけど、MESHUGGAHはスゴ過ぎるけど、THE DILLINGER ESCAPE PLANはご大層だけど…とエクストリームすぎるエクストリームメタルに安住の地を見出せない方々がいたら、「ちょうどよく日常聴きできる楽曲性」の点で最近のSEPULTURAをイチ押ししときます。

  4月3日
本日の収穫、CD UNIVERSEからようやく到着のMESHUGGAH「OBZEN」、SEPULTURA「ROORBACK」「DANTE XXI」、ENCHANT「BLINK OF AN EYE」。あと機材で、オークションにて購入のROLANDのMIDIキーボード「PC-300」。MIDIキーボードがとにかく楽し過ぎます、PCにつないで楽しんでます。皆さんこうやって打ち込みってものをやってたんですね…。こんな楽なものがあればそりゃ、不必要な音楽も世の中にバンバン出回るわ。「テクノロジーは神性を冒涜する」てのはホントに何に関しても言えるんですな〜。

【本日のレビュー:MESHUGGAH「OBZEN」】


追い続けてはや10数年、今やその音楽性について何か言ったりするのもためらわれるくらいに広く注目されるバンドになってしまいました。スウェーデンが誇る超絶激々々ポリリズムマシン・MESHUGGAHが先月リリースしたばかりの最新作です。進化型スラッシュメタルの金字塔「DESTROY ERASE IMPROVE」を95年にリリースしてからは、細かく密集した奇数フレーズの執拗なシーケンスに重きを置くようになり、2002年の「NOTHING」で見事、BATTLESも青ざめるゾル状ポリリズムメタルを大成。これは非常に評価が高かったのですが、往年のようなガッツリわかりやすいアグレッシヴ路線を懐かしむ声も依然としてあり、今回の新作はちょっとそれに応えたかなという方向になっております。

 もったりズルズルくるダウンビートに、その4倍くらいの細かさで食い込み続けるポリリズムリフ…という「NOTHING」理論はそろそろ煮詰まってきた感がなくもなかったこの頃、それをもっと外側まで開放してしまったかのような猛スピードの冒頭曲は、遂に出たか新作!と衝撃をもって迎え入れるに充分すぎるインパクトあり。以前のように鋭い合いの手シャウトを交えるキャッチーなサビらしきものこそ見当たりませんが、今の彼らはこれくらいアブストラクトなのが標準だとわかっているので特に難はなし。メタルギターでしか表現し得ないエッヂ感を極限まで突き詰めた3曲目"Bleed"のリフも痛快(心なしかPANTERAの"Becoming"や"Slaughtered"を彷彿)。他にも過去最高のイライラ度を誇る偽装変拍子ポリリズムの"This Spiteful Snake"、かつてないポップなBPMで立ち上がる"Pineal Gland Optics"などなど、「どう聴いても一発でMESHUGGAHだけど今回初の試み」を搭載した曲が詰まってます。底知れぬ野心に感服。ギタリストのフレドリック・ソーデンタルの実験的ソロ作品「SOL NIGER WITHIN」に始まって、トラックリストがパッケージのどこにも記載されなかった「NOTHING」、1曲20分の「I」、パート分けされた大曲という体裁だった「CATCH 33」と続いていたところから、久々に1曲1曲のツブ立ちを重視した作りになっているという点で、(音楽性そのものの複雑さはより激化しているものの)とっつきやすい出来といえるんじゃないでしょうか。極めつけ感漂うガチな一枚。是非2008年のうちに体験しておいていただきたいです。

  4月2日
本日の収穫、どこぞのハードオフで発見したRICHIE KOTZEN「THE INNER GALACTIC FUSION EXPERIENCE」、eBayにて購入のROB LAMOTHE「BEING HUMAN」。ロブ・ラモスはオランダからジュエルケースなしで送られてきたんですが、こんな冷凍ピザの箱みたいな厚紙に挟まれてました。

 海外便はこういうのが時々楽しい。できれば成分表示の部分がついててほしかったです。

【本日のレビュー:ROB LAMOTHE「BEING HUMAN」】


元RIVERDOGS(現在軽く復活中?)のカナダ人シンガーの98年ソロ作。これ以降の作品を過去に紹介済みですので是非ご参照を。このアルバムは結構普通にドラムやディストーションギターの入ったバンドアンサンブルものの曲が多く、しかし大筋ではやっぱり「刺青腕太男が家庭では優しいお父さん」みたいなプライヴェート感溢れる温かいフォークロックを演奏してます。「手作りテイスト」を型として強調するインディロック系の新人達には既に食傷気味になってしまった耳もトロッと和ませる、日曜大工的な素朴さが大変快い。そして何より歌がよくて曲が良いです、カナディアンフォーク特有の「泥クサ過ぎず、ポップ過ぎず」な塩梅のメロディを、10以上出せる熱を6程度で敢えてとどめている的なヴォーカリゼイションで男らしく歌い上げる絶妙さよ。流通面であんまりガツガツしてないあたりも含めて、透き通るような良心だけでできた音楽に思えます。何度となく引き合いに出してますがIDA(特に青ジャケとその次)周辺がお好きな方には猛烈に推薦しときます。

  4月1日
本日の収穫、ウェブ販売もしているHM/HR系中古CDショップ・EMENDISKから購入のROB LAMOTHE「GRAVITY」。軒並み廃盤で、ドイツのアマゾンのマーケットプレイスでようやく発見できたものの、送料込みで3k超えはな〜…とためらって、一応普通に検索もしてみたら、その店(リアル店舗の所在は豊橋)のサイトで600円であっさり発見。確かに高値の品には見えません。ありがとう!

【本日のレビュー:PINK FLOYD「MORE」】


日記本文の品はまた後日ということで。先日購入した「レコスケ」のデラックス・エディションに牛ジャケのくだりが出てきて、そういえばプログレに興味を持った頃に漫然とコンプリートしたものの全然咀嚼嚥下するほど聴いてなかったPINK FLOYDってどんなんだっけ?と思ったのをきっかけに、ここ数日ちょいとPINK FLOYDづいているのです。まずは「原子心母」と「ウマグマ」を聴いてみましたが、壮大だ何だというより恐ろしく虚無でした。虚無ゆえに夢の世界。近頃のラウド系バンドを飲み込んでいる虚無系妄想サイケデリアの根っこはここかあと、欧米でのPINK FLOYDの影響力の絶大さを改めて思い知ったのであります。

 ということで今日はこちら、同名の映画のサウンドトラックとしてリリースされた69年作。ジャーマンロックを彷彿とさせる昂揚した絶叫ダウンテンポナンバー"Nile Song"もやっぱり、威勢がいいとかじゃなくてポッカリ黒々と何もない。一見牧歌的なフォーク風レパートリーの数々もまるで生気なし。魂なき像の風景とでもいいましょうか。でサッパリした弾き語りに各種オーヴァーダブ・トラックがニュルッと絡んできたりするわけですが、音響的な収まり具合が恐ろしくおかしいというか、捻れきっていて、正気の沙汰ではない感じがこわい。他のプログレバンドと同じように「演奏のスリル」や「メロディ/ハーモニーによるカタルシス」や「名曲」を期待して聴こうとした高校時代の自分はそりゃ挫折するはずです。凡百のサイケバンドが模写しようとする「トリップ感覚」などとも違って、いわゆる意識の拡張の無尽蔵な余白を垣間見たときのゾワッと感みたいなものを、表現するというより実際に催させるホルモン剤みたいな音楽だなーと思いました。じきに40年経とうという今をもっても、この手の試みの中では最上質の部類。

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